第167話:バフォメット
こんにちは、暁改めアイラです。
ダンジョン攻略になると思っていたら、ただのお屋敷、しかもほとんどのエリアが岩に埋もれて捜索不可・・・。
でも何かまとわりつく様な気配を感じて屋敷の奥に歩みを進めると、そこには伝説の魔神そのものの姿をした者が鎮座していました。
しかも、生きて。
部屋の中は先ほどまでの廊下と違いうっすらと明るかった。
外から光が入っているわけではなくなんらかの魔力の光が、部屋のなかをぼんやり照らしている。
「ここに自ら入ってくるものというのは、何千年ぶりかな・・・。それも、キリエの子孫とは・・・。」
その恐ろしいモノはそうつぶやいて立ちあがった
「2500年くらい前に、リンドブルムとかいうドラグーンがきたのが最後だったか?」
ドラグーンがここにきて、しかもコイツと会っていた・・・?
だったらオルセーが確認した資料にはこのバフォメットの健在は書かれていたのかな?
「貴方は、バ、バフォメットなのですか・・?」
ユーリが警戒しつつ問いかける。
みんな武器が抜ける状態にはなっているけれど、誰もまだ構えてはいない、構えられない。
「キリエの子孫ならオレを見たらわかるだろう・・・。ん・・・いや、お前、鑑定の能力は継承していないんだな・・・。」
!?
「鑑定の能力・・・?」
どうもこのバフォメットは鑑定能力を持っているようだ。
オルセーから聞いた話を総合すると、王家を繋ぐ条件はバフォメットの持っていた鑑定を引き継ぐこと・・・となるのか?
「ユークリッドがいうとおり、オレはバフォメットと呼ばれている。」
「なっ!?」
ユーリがうろたえる、名前をまだ名乗っていない、もしかしたら通路で話しているのを聞かれていただけかも知れないけれど、ボクは前後の会話からバフォメットが鑑定を持っていることを確信する。
「今のイシュタルト王家は今も貴方の子孫が継承しています。」
ユーリを差し置いて、ボクは言葉を放つ。
「そうか、家名が違うから、ちょっとわからなかったが、家が分かれたのか、アイラもキリエの子孫であっているか?」
ユーリから視線をはずして、ボクに向き直るバフォメット
「そうですね、すごく遠縁ですけれど、子孫ですね。」
ホーリーウッド家自体が、キリエの次の代に分かれた分家なのだから、相当関係は薄いもののボクもその子孫ではあるだろう。
ソレを聞いたバフォメットはウムと頷いてそれから
「よし、ユークリッドとアイラ、それとエイラは残って、他は一旦はずしてもらえないだろうか?」
と言った。
「な、なりません!殿下の身に何かあったら!」
オーティスが即座に口を挟む。
エッラとナディアはユーリの言葉を待っている。
「いや、彼が僕たちをどうこうするつもりなら最初から攻撃してくるはずだよ、かのバフォメットなんだから、だから4人とも一旦下がって」
「ですが!!」
今度は神楽が少し食い下がってボクの腕にしがみつく。
胸当てがボクの肩の上に乗ってちょっと痛い。
「む・・・あぁじゃあオーティスとナディアだけ出てくれカグラとエレノアは残ってもいい、せっかくの客だしな・・・これ以上は譲れない頼むからオーティスとナディアは一度出ていてくれ。」
そういってバフォメットがもう一度告げ、ユーリが目配せすると二人は外に出た。
四者四様エッラは何で私は残されたのか?という表情で、神楽はボクのそばにいられて安心?
オーティスはまだ不服そうに、ナディアは特に不満も疑問もない様子。
オーティスたちが扉から出て行って少ししたところでバフォメットが語り始める。
「まずは挨拶だ、始めましてキリエの子孫たちと、その友人たち。オレはバフォメット・ホルン、まずはユーリとアイラ、ソレにエイラ、ここまできてくれないか、実はこの玉座より外側には出られなくってな」
そういってバフォメットはこちらに手招きする。
「ユーリ様、アイラ様まずは私が一人で参ります。」
そういってエイラは一人でバフォメットの前に進み出る。
「あぁ、そうだよな、一人ずつじゃないと心配だよな?悪いことするつもりはないんだけど、知らないお兄さんはこわいよな。」
そういって笑うバフォメット、うんたぶん笑ってる、毛深いしヤギや羊に似た頭をしているからちょっとわかりにくいけれど。
「それじゃあエイラ、ちょっとなでさせてもらってもいいか?危害を加えるつもりはない。」
そういって問いかけるバフォメットにエイラはどうぞと短く告げて頭を差し出した。
エイラ、まったく動じていないけれど、怖くはないのだろうか?
緊張するボクたちをよそにバフォメットはエイラの頭をその毛深い手でなで始めた。
「ん・・・」
顔を赤らめながら声を漏らすエイラ、その白い肌は赤く染まっていて、おそらく気持ちがいいのだというのが伝わってくる。
「お前すごいな・・・オレの子孫なのに自制心が強い・・・。」
少しなでて手を離したあと、バフォメットはそういってエイラを抱きかかえて、それから抱きしめた。
慈しむ様に。
「なぜお分かりになったのですか・・・?」
エイラがバフォメットに問いかける。
「そりゃあ仮にも魔王にまでなった身だからな、自分の係累くらいわかるさ」
わけがわからないのはボクたちの方。
「エイラ、それにバフォメットさんどういうことですか?」
思わずボクは問いかけるけれど、バフォメットは果たしてさん付けでいいのだろうか?
「いや、オレもキリエも異常に性欲が強い体に生まれたせいで大変だったからさ、その子孫たちもさぞや大変だったろうなって・・・。」
サテュロスのバフォメットはともかくキリエも?
っていうかボクの質問とかみ合ってない。
「エイラも貴方の子孫って本当?」
ボクの質問にバフォメットは意外そうな顔をして抱きかかえたままのエイラを見つめて何かを納得した様に頷いてから床に下ろした。
するとエイラはこちらに向き直っていった。
「黙っていてもうしわけございませんユーリ様、アイラ様・・・、私はジークハルト陛下と母ノイシュとの間に生まれた娘です。ここにいる皆様は長い間一緒にいましたし、カグラ様はなんとなくお気づきだった様ですが、他にご存知なのはサーリア様とフローリアン様、亡くなったヴェルガ様くらいですね。ですので今後とも他には広めない様にお願い致します。」
それでノイシュさんはメイドのわりに、ジークへのあたりが強いのか・・・?
それからバフォメットは順にボクとユーリの頭を撫でて、それから話を再開した。
「さて、何を話そうかな?せっかくの客人だもんな。あぁまった、お前たちの目的ってオレの持ってる鎌で間違いないんだよな?ソレくらいしかないよな?いまさらヒトがこんなところにくるなんて。」
「その鎌がこの土地の台座に刺さっているものならばその通りです。」
ユーリが代表して答える。
「僕たちは、他の6本はもう回収済みで、あとはここの1本で、この大陸の魔剣は全部そろいます。」
それを聞いたバフォメットは少しうれしそうな表情を浮かべた。
「そうか・・ようやくか・・・あとで台座まで案内しよう。」
それからいくつかの質問をバフォメットに投げてみたけれど
「キリエの体の秘密?キリエが話を残していないなら、オレが教えるわけにはいかないよな」
「オレが侵略者だと聞いてる?先に仕掛けたのはセントール族とカク族の部族だよ、こちらの話を聞いてくれたのはキリエのところとヴェンシン、ルクス、だけでな、他の獣人族はこっちの話を聞いてくれなかった、オレは魔王化してるからそうそう死なないし、オレ一人が罪をかぶって隠居してごまかして、サテュロス族や散り散りになった民が魔物に襲われない様に頼んでな・・・」
「オレがキリエを辱めた?いっておくがキリエのほうがオレを襲ったんだからな?アイツオレ以上の節操なしでな、女相手には責任取らないといけないから7人だけで我慢してたけど、本当はもっとたくさん囲いたがってたよ、それで我慢できなくなって、たまに性別弄って男にまで手を出してたからな、オレを襲った理由も普通の男とは体つきが違うから気になる・・・だったしな。」
「だーからーキリエの体の秘密はこたえられないって、え?性別?それくらいなら、んー精神的には男、体は両方って感じだったかな?これ以上は答えてやれないな。」
といった感じで大事な部分ははぐらかされていたが、それなりに重要な情報をボクたちにくれた。
それからふと何かを思い出したかの様に。
「あぁアイラ、お前鑑定できる様になりたいか?できないだろ?今」
と爆弾発言をした。
「え、ソレってどういうことですか?」
「そのまんま、相手を鑑定できるスキルの獲得と使用だな、他の子は無理だけど、アイラには覚えさせてやれそうだが、いるか?」
とバフォメットは威厳のない、人好きのする声で告げた、孫にお小遣いでもあげる若いおじいちゃん、それか近所のちょっと年の離れたお兄さんみたいに
「ソレは負担がかかるものでしょうか?」
「いんや?オレは教えるだけだし、アイラは使うのに都度わずかな魔力を消費するだけだな」
そういってチョイチョイとボクを手招きする。
鑑定はあって困るものではないし、覚えれるというなら覚えたいけれど・・・。
「どうしてボクだけ覚えられるのですか?」
その条件はなんなのか?
「アイラが世界とつながりつつあるからだ。ユークリッドとエレノアはいつかもう一度オレか同じ程度の存在と会うようなことがあれば可能かもしれない。カグラとエイラは当分むりだな、ただ、覚えていて欲しい、1回や2回であきらめてはいけない、人は、世界は、1つの些細な変化で幾万通りの可能性に分岐していく、だからそのためにも可能な限りオレはお前たちに協力しよう、で、覚えるか?」
言っていることは抽象的な部分があってよくわからない、それでももらえるものは貰っておこう。
「それでは是非。」
「よし、じゃあちょっと一旦アイラだけあっちの部屋に行こう。」
ソレまでに聞いていた性欲が強いとか、そういう話もあるのでちょっとだけ警戒するけれど、このバフォメットがそう悪い魔神に見えない。
ユーリたちもそう思ってくれたのかボクとバフォメットは二人だけで玉座後ろの部屋に入った。
「よし、アイラお前だけに伝えておく、これは忘れないで欲しいことだが、他の人間に伝えてはいけない、オレはキリエともともと知り合いだった、そしてほかの2人の王もな、あの3人はおそらくいまもどこかで、この世界を見守っているはずだ、もしもいつかあいつらに出会ったら、さっさと迎えにこいって伝えてくれ・・・」
そういってバフォメットはボクの肩に手をおいて・・・ボクが頷くのを待った。
「じゃあ教えるから、しっかり覚えて、いつかあの3人をオレのところに連れてきてくれ、頼んだぜ?」
それからレクチャーを受けた鑑定スキルの概要は以下の通り。
対象の周囲に魔力をうっすらと、相手に触れさせない様に薄い膜を作る。
そして知りたいと願う。
たったのそれだけだ。
かつてジークに教わった時との違いは、魔力ちゃんと操作する必要があること、ジークに教わったのは頭の中で目の前にいる人のことを知りたいと願い、相手に声を出させることで、そのときとはまるでナイヨウが違った。
それでもって目の前のバフォメットを鑑定したのだけれど。
バフォメット M--97サテュロス
生命26205魔法178意思7024
職業/魔王
うん、ボクの知っている鑑定とだいぶ違うね?
「バフォメットさん、名前と、性別、年齢、種族、生命、魔法、意思、職業しか出ないんですが?」
「んー?あぁ、どうも適性が低いみたいだな、遺伝ではなく後から覚えたやつだからなのかな、まぁいつか使ってるうちに育つかも知れないし、どれくらいまで育つかは、ちょっと明言できないが・・・・、うんそろそろ抜きに行こうか。」
そういうとバフォメットさんは玉座の部屋とは逆の奥のほうへ進み始めた。
抜く?あぁ鎌とやらか
「あのユーリたちを連れて行かなくっていいんですか?」
「あ?あぁ、抜くのは一人で良いからな・・・。」
そういってさらに奥の部屋に入るとバフォメットは地下へ続く階段を指差した。
ボクは一応はバフォメットに警戒しながら、指示に従い階段を下っていく、するとまた部屋があった。
「この向こうに台座がある・・・オレはこの部屋には入れないから・・・、あとはアイラ一人で行ってくれ、10分以上かけない様に」
あやしい、何でボク一人なのか・・・?
いやでもちょっと経ってボクが戻ってこなければユーリが心配して入ってくるだろうし、ここまでの順路は一本道だったし・・・まぁ死なない限り大丈夫か。
部屋の中に入るとそう広くない岩肌の地下室。
小学校の教室くらいの部屋だ。
謁見の間と同じく何かの魔力的な仕掛けで部屋のなかは薄暗いくらいで、一応見渡しがきく
ウェリントンの子ども部屋の暖炉の奥にあった様な元々あった自然の穴を利用した様なつくり・・・、問題は
「バフォメットさん?」
目の前に3人の、どう見てもバフォメットのご家族としか思えない巻き角に逆関節、身長2m弱くらいの全裸で武器を持ったモノたち、顔はちょっとヤギ似のバフォメットさんと比べるととっても丸い羊顔だね。
ボクの呼びかけに応える様に3人はこちらを向いた。
「ひっ!?」
その股間にはかつては見慣れた今生ではエドガー父とユーリ、あとは遠目に何回か見たことがある程度の、ボクの腕くらいの太さのナニがそびえる。
(加速!鑑定!)
時間を稼ぐために加速し、5倍の世界に体を置くとすぐに一番近い一体を鑑定
グレーボヴィチM364 シープマン
生命6205魔法28意思24
職業/なし
これはアレだ・・・ピンチだ!
筋力とかはわからないけれど、生命力が非常に高い。
どうするか考えると後ろの扉の向こうから声が聞こえる。
「すまんアイラそいつらはこのダンジョンを維持するためにオレが生み出した魔人だ。理性が宿っていないので魔物と同じ様に行動する。悪いが、そいつらを3体とも討伐して、楽にしてやってくれ。一応オレの息子みたいなものだから、自分では殺し辛くてな、アイラなら、楽勝だろ?」
そう気軽に言った。
それなら何でボク一人をここに連れてきたのか?罠なのか?
そういっている間にシープマンの3人はこちらに近づいてくる、加速しているからゆっくりに見えるけれど、そこそこに早い、血走った目、荒い鼻息はボクを繁殖用のメスとしてみているのがよくわかるものだ。
(バフォメントの息子の様なものということはボクにとってもすごく遠縁の親戚みたいなものだと思うんだけど・・・・まぁアレを受け入れたらボク死ぬだろうしね・・・・)
うん、仕方ない、殺されるくらいなら殺すさ、幸い見た目は人間よりは魔物っぽいしね。
正面の一体に光弾を飛ばす。
威力は虎徹の腕を吹き飛ばしたのと同じ程度、不可視。
一応頭部に命中したものの、大きくのけぞり立ち止まっただけで、頭を吹き飛ばすには至らない。
そして両側の2体が近づいたので横に移動を開始。
(生命力が高いから、各部位の耐久性も高いのかな?)
それでも頭を吹き飛ばすとか、首と胴体を切断するなりすれば一撃で死ぬはずだけれども、6000超えの体力をもつ化け物を一撃で切断しきれなかった時、ボクはどうなってしまうのかわからないため、少し二の足を踏む。
すると向かって右側のシープマンが口をなにやらもごつかせているのがわかった。
(絶対何か吐きかけてくるじゃないか!)
あわてて距離をとる、といっても狭い室内なので限界はあるが・・・
思ったとおりシープマンはナニやら粘っこい白濁とした液体を口から吐き出してきて、ソレはボクの居た位置の壁にベチャりと着き、でろりと垂れる。
(って、量!多い!!どう見ても一抱え位あるじゃない、あんなのどうやって口の中からはいたの?)
一種の魔法なんだろうか?
どちらにせよ注意が必要、あんなの食らったらユーリの前に出られない!なんか臭そうだし
幸い見たところ動きは普通だから汚い飛び道具に気をつけつつ一撃で・・・
暁光ではなく通常は使い捨てている流星用の直剣を構え、光弾で覆う、もしかすると切断しきれないと刺しっぱなしとかになるかもしれないから、そのとき思い切りよく手放せる様に暁光を使うのはやめておいた。
先ほど白い唾を吐いてきたモノがまだそのときの体勢のままであったので距離をつめて右に抜けながら首を狙った。
するとあっけなく、その首は落ちる。
おや?
それからまだ振り向くのすら間に合っていない2体の化羊の首の高さに合わせて背後から斬りつけると、あっけなく3体のシープマンの討伐に成功した。
加速を解くとどっと疲れが押し寄せてきた気がする。
「バフォメットさん、終わりました。」
ドアの向こうにいるはずのバフォメットさんに声をかけるけれど、反応はなかった。
早く抜けって言ってたし、先に鎌を抜こうかな・・・?
動き回った関係で今は背後にある鎌のほうに体をむけて近づいていくと。
その鎌はなんていうんだろう?頭に浮かべていたイメージとだいぶかけ離れていた。
シルエットで言えば長刀かハルバードに近い、長刀と比べると刃がついているのが弧の内側になるけれど・・・
使い道を考えれば確かにそのほうが使いやすそうではあるね。
刃の根元に二つ突起が存在するのでそこで敵の刃を受け止めることも可能そうだ
「・・・・勇者は魔剣の影響は受けないといっていたけれど・・・。」
ボクは初めてだしちょっと緊張する。
ショートソードを収納に戻して手を伸ばす。
「ままよ!」
つかんですぐに抜く。
抜いた直後ゴゴゴと音がする。
そして地響きも・・・。
結構揺れる・・・物音がすることがあるのは神楽にもユーリにも聞いていたけれど地響きは聞いていない。
そしてここは地下、崩れるかもしれない急いで戻ろう。
とドアの方へ駆け寄るが開かない・・・。
(建付けが悪くなったか!?あぁこういう時にはボクには跳躍があるじゃないか!)
そう思いついて、鎌を収納しつつユーリを思い浮かべて跳躍する。
跳躍特有の暗転を抜けると謁見の間にユーリ、神楽、エッラ、ナディア、エイラ、オーティスがそろっていた。
「アイラ!バフォメットさんは!?」
「良いから外に出よう、鎌は回収した。」
「わ、わかった。みんなも急いで!」
いつの間にか地響きは収まったけれど、ここが岩肌に飲まれた地下だということに変わりはない、急いで出たほうが良いだろう・・・。
きた道を戻り玄関の開けっ放しの扉から外に出ると、兵士たちが空を見上げて騒いでいた。
主人公、ほとんどボスと、戦わず。
ただようやくレベルの低い鑑定系技能を持つに至りました。
育つかどうかわかりませんが・・・。
※国境なきサテュロス編終了後について、こちらのアイラ一人視点の物語を終了して、複数視点方式で投稿しようかと思っております。
そのため完結する際に切れ方が非常に不自然になる予定なので事前に報告させていただきます。