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第166話:悪魔の角笛2

 こんにちは、暁改めアイラです。

 悪魔の角笛攻略がスタートしました。

 このサテュロス大陸における最後の魔剣回収・・・、そのための第一歩。

 ボクたちはこれから拠点の安全の確保のために、谷の西側の魔物を北側に追いやる作戦を開始した。


「各小隊は現在位置で一旦待機!アイラ様が魔物をけん制するため大規模射撃を開始されます!」

 エイラの声が兵士たちに指示を出し兵士たちはそれに従う。

 山の斜面は岩肌が露出していて、木はほとんど生えていない、こんな環境でここの魔物たちはいったい何を食べて生きているのか?と思うけれどどうせ殲滅するのだから関係ないか。


 ボクは神楽と一緒に上空から見下ろしていたが、兵士たちが指示された位置で止まってくれたので、用意していた熾天の光冠の後方から榴散弾魔法しし座流星群レオニズを放つ。

「コル・レオニス!!」

 指定範囲は山頂付近から順に谷側と北側に向かう様に指定する。

 

 コル・レオニスは熾天の光冠のエネルギーをレオニズに含まれている、熱誘導用の光弾が誘導することで火力を高めたレオニズだ。

 岩肌が絨毯爆撃の様に南西から北東に向かって爆発を繰り返し。

 途中にいる魔物には直撃させる。

 別に追い立てるのが最終目的ではないから、奥のほうからやると追い立てるのがうまくいかなくなる可能性があるので手前から順番にやらないといけないだけなのでやれるのはやっておく。


 一回目の射撃を終えると身振りでエイラに指示を出す。

「総員!前進!」

 エイラの指揮で兵たちは前に進みすでに身動きが取れない状態の魔物を倒したりしながら徐々に囲い込みをしていく。

 北側では魔物が外に、平原に出て行かない様に防衛しているはず。

 東側はボクみたいな制圧力はないけれど、ユーリたちがうまく魔物を狩っているはず。

 そう思って逆の斜面を見るとやはりこちらと同じ様に岩肌になっている山の斜面をエッラが縦横無尽に駆け巡っているのが見える。


 あれエッラ一人で良いんじゃないかな?っておもうくらいやばいスピードと、谷の中央まで魔物が弾き飛ばされるほどの異常なパワー、もうエッラってセイバーとか篭手とかなにもいらないよね?



 それから8時間かかって攻略拠点までのルートを確保した。

 もう薄暗い時間になってきているので急いで拠点を設営しないといけない、そういってボクは念願のテント張りを経験することに成功した。

 暁が幼い頃に子ども会のキャンプとかで経験した以来のそれは非常に楽しく、嬉々として設営をする皇太子妃という異様を周囲に振りまいてしまったけれど、楽しかったものはしょうがないし、兵に混じって率先して雑用をこなす魔法も撃てる勇者系皇太子妃の噂はその後城下に広がり、ボクはその人気を高めることになる。



 夕べはあまりしっかりとした拠点を設営できなかったものの、防護柵を張り見張りを立てて、雨よけのための大きめのテントをいくつか建てたあと、女性たちと護衛の必要なユーリだけがいくつかのテントで寝ることになった。

 今日は朝から再度の山狩りを行いその後オルセーとともにダンジョンの入り口を確認して、可能なら簡単な調査まで進みたいと思っている。

 攻略拠点のほうは今日のうちに設営を終わらせて100人規模のキャンプが完成の予定。

 土地が狭いので、それ以上の人たちは後方の谷入り口の拠点に入ってもらい、毎日30km近い進軍をしてもらわないといけないが、セイバー装備のおかげで苦労は少ない。



 夕方頃になって山狩りもおおむね完了した後・・・。


「オルセー、ここがその・・・入り口であってるんだよね?」

 ユーリが不安げにオルセーにたずねる

 不安げになるのも当然だ。

 目の前の岩の峰には入り口らしいものは見当たらず。

 ただ岩が折り重なっている様にしか見えない。


 しかしオルセーは自信ありげにその岩塊に近づいていく。

「そだよー、ここから直線距離でいえばディバインシャフトとホーリーウッドの間にある橋くらいかな?たったそれくらいの距離で目的の部屋につける。だけどあたしは、ここから中には入っていけない。入り口を開けるところまでかな・・・。」

 そういうとオルセーは岩の真ん中付近にある僅かな隙間に手を入れるとそのまま引っ張った。


 すると岩の峰が丸ごと動き、その後ろに扉があるのが見えるようになった。

「これは・・・本当に扉だね・・・。」

 思わずつぶやくボク。


 現れたのは本当に人工物そのものの扉、たぶん街の入り口とかだったんじゃないかと思われる大きな扉。

「ここを開いたら昔は町だったところに出るの?」

 エッラがオルセーを後ろから抱きしめながらたずねる。

「違うよ。ここはもうホルン王宮だよ?」

 どうも城の門の後らしい・・・じゃああとは本当に地下室?の台座にたどり着くだけだね

「ありがとうオルセー、それじゃあ今日はここまでにして、戻ろうか」

 もうやや薄暗い時間なので、ユーリが撤収の指示を出す。


「じゃあ念のため岩は戻しておくね。」

 そういってオルセーは岩を元の位置に戻しこの日は拠点へ帰った。



 さらに翌日、内部は狭いらしいので一旦精鋭部隊での進入を図ることになった。

 内訳は、ユーリ、ボク、神楽、エッラ、ナディア、エイラ、オーティスの認定勇者と準勇者級による大戦力だ。


 昨日のオルセーのまねをして岩塊をどけると昨日と同様の扉がある。

 確かめると内開きだったので扉をエッラとオーティスが押すとそれなりに重たそうな音をしながらも扉は動き、その内部があらわになった。


 かなり広い空洞、貴族屋敷の玄関の様に正面に扉と両側に階段があるが、2階に上がるはずの階段は途中で岩の天井にぶつかっていて2階に上がることはできない・・・。

 思うに最初期は山の上にあったらしい都市だから、その時点で立てられていた王の住む建物が城郭ではなく、館タイプの城だったのだろう。


 唯一の進路と見える扉のほうへ進むと内部に採光できるところはなく、魔導篭手のライトだけが光源となる。

「ここ、遺跡じゃなくて、今も誰か住んでるみたいになってるね・・・?」

 ユーリが壁を見てつぶやく、いわれてもう一度見てみると確かに壁は保存の魔法がかかったようになっていて、痛みが見られない

(風雨に晒されていないとはいえ、これは異常だよね・・・?保存の魔法はたまにかけなおす必要があると聴いている。それならばここには・・・?)


 ざわ・・・


 まだ見えない館の奥のほうどこかから、肌に絡みつく様な気配を感じた。

(みられている!?)

 10mほど進むと扉があって、扉を開けると・・・謁見の間の様な場所だった。

 そしてその玉座に・・・


 座っているのでわかりにくいが身長は2mちょっとくらいだろうか?

 頭には羊の様に巻いた角、上半身はとても筋肉質、脚は逆関節で馬の様な蹄になっている。

 一瞬死体かとも思ったけれど、それはボクたちを視界に治めるとゆらり・・・と立ち上がった。


「ここに自ら入ってくるものというのは、何千年ぶりかな・・・。それも、キリエの子孫とは・・・。」

 そうつぶやいて・・・

お昼ごはんをしっかり食べていたらちょっと時間が足りなくなってしまいました。

明日休みなので、明日は何とかもうちょっと進めたいです。

※国境なきサテュロス編終了後について、こちらのアイラ一人視点の物語を終了して、複数視点方式で投稿しようかと思っております。

そのため完結する際に切れ方が非常に不自然になる予定なので事前に報告させていただきます。

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