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第153話:アスタリ湖攻略の相談

 おはようございます、暁改めアイラです。

 昨日は心配かけたホーリーウッドの家族や知人にも挨拶を済ませたので、今日はジークへの通信と報告をしないといけない。


 報告・・・昨夜オルセーが語った8つ目の存在。

 マハから海へ出て北東約800キロの洋上。

 セントール大陸との航路における要衝。

 島国マイヒャン、サテュロスよりはセントールに近い位置の洋上にある島嶼国家

 その存在は報告するけれど国境を面してない土地なので多分特に連邦の方針には影響は与えないと思われる。


 そんなことよりも今も目の前にあるものはどうするべきだろう?

 小さい頃のアイリスそっくりの金髪、まだ髪はきれいに生え揃っていないものの、手触りは極上。

「マンマァ・・・」

 ボクがベッドから立ち上がるとそんな愛娘の小さなおててが、ゆらゆらとボクを求めてさまよい始める。

 逆側を見れば、幼い頃のサークラ似のピンクがかったブロンドの幼児が同じ様に手を蠢かせている


 特にプリムラにはボクたちが行方不明になっている間不安にさせたことの負い目もあって、このままベッドを空けてしまっていいモノかと考えて、リリとプリムラを近づけてやることにした。

 幼い姉妹はすぐにお互いを見つけて体を寄せていく。

 ひとまず着替える間はこれでよしとしよう。


 丁度起こしにきたトリエラに着せてもらいつつ、エイラに同じカラーの子ども用ドレスを探してもらう

 今日は白と若草色を主調にしたワンピースドレス、ボクのものは動きやすい軽いもの、リリのモノは腰に大きなリボンのついたもの、プリムラはまだおしめ装備の為目立たない様にスカートが大きく膨らんだものをエイラは選んできてくれた。


 ボクの着替えが終わった後、起こした二人をトリエラとエッラが着替えさせる。

 ボクとお揃いになった二人は上機嫌でリリはもう階段も一人で降りられる様になってきていて成長の早さに驚く、プリムラは手を繋いでやって一緒に降りるけれど、その1段1段確かめ踏みしめる様な足取りが子どもらしくて堪らない。

「ママ、リリちゃんひとりでおりれたよ、すごいねぇ?」

 一人で1階まで降りきったリリは得意気な顔で報告してくれる。


「うん、リリすごいね!撫でたげよう!よしよし」

 頑張ったリリはもちろん誉めてあげる

 すると今もボクの右手を占有しているプリムラがちょっとおかんむりの様だ。

「んーん!」

 ぐいぐいとボクの手を引っ張る。

「いーも!!」

 推定だけれども、自分もなでなでをして欲しいらしい。


「プリムラも頑張りました。花丸!」

 お望み通り撫でてやると嬉しそうに笑う、そして喉が鳴る。

「アッアッ、ママ」

 おしめ装備の大きなお尻をぷりぷりさせながらはしゃぐプリムラ、それを見ていたリリが突然手を上げた。


 探る様ななれない手つきでリリがプリムラを撫でた。

 姉からのなでなでにも喜んだプリムラがキャッキャッと声をあげて、その反応に満足したらしいリリが今度はプリムラをハグする。

「リリもプリムラも仲良しだね、でもとりあえず食堂に行こうか」

 君たちは食事に時間がかかるからね。


「うん、リリちゃんねー、リムちゃんすきねー」

 いつのまにか、妹の名前も覚えてしまったらしいリリはおしゃべりが増えてきて、たまによくわからないことも言うけれども、おおむねこちらの言うことも理解していて、ここからはどんどん人の名前も覚えていくと思う。

 子どもの成長のなんて早いことか。



 食堂に集り、久しぶりの家族での朝食

大分大きくなったサルビアやガイがリリやプリムラを可愛がり、サルートとリコもユーリの子どもたちに対して興味津々で撫でたり話しかけたりしてから席についていくのだけれど

 ヘレンだけはあまり興味がない様でベタベタと仲良くしているサルビアとガイの方をずっとジト目で睨んでいた。


「ユーリ、アイラ、クラウディアには12時頃にユーリたちから通信させる旨を伝えているので、恐らくジークハルト陛下が直接対応くださるかとおもう、それと植民団の代表候補たちとは15時に西側の中庭で引き合わせる」

「はい父上」

 朝食も終わるころ、まだちびちゃんたちはメイドに手伝ってもらっているけれど、ボクたちは歓談中、義父からの伝達事項とジークに伝えるべき情報について話し合い

 子どもたちの食事も終わると、時間までいまやすっかり保育係となったアクアの部屋で、時間まで子どもたちと戯れて、その後子どもたちを預けてボクたちは通信室に向かう。


 通信室は最近設置されたばかりの結晶通信専用の部屋で、大きめの城と砦には軒並み設置されている。ホーリーウッド市では、ホーリーウッド城とティバインシャフト城の双方に備え付けられている。


 先の戦争においてはこの通信技術のお陰で、いくつかの不利な局地戦に勝利しており、それでなくても今までは時間のかかっていた通信使の派遣が調律だけで直接通信ができる様になるため、この通信網の配備、充実は連邦の喫緊の課題である。


 また距離に寄っては魔力をそれなりに食うのと、結晶魔法という微妙にマイナーな魔法のつかい手が必要となるため通信士の確保が大変なため、現在結晶魔法使いはその地位を大きく向上している。


 時間の通り12時ジャストにボクたちは通信を開始した。

 こちらはユーリ、ボク、神楽、エッラ、シシィが通信室に入り応答を待つ。


 しかしていざ通信が繋がると相手はサリィだった。

 しかもまだ半年のアルタイル王子を抱いて・・・


「お姉様!アル~!」

 通信蛾始まった直後、赤ちゃんの声が聞こえて、シシィが一気にテンションが上がりきってしまい肝心の内容が話せないままで5分ほどたってしまった。

 親元を離れさみしいはずなのにお利口にしているシシィには貴重な通信時間だけれど、はじめから5分の約束だったのでまだまだ話し足りないシシィには悪いが部屋を出てもらう。

「話が終わって残り時間があったらまた呼ぶから、部屋の前で待っててね」

 とサリィは優しくシシィを諭しようやくひと心地。


「普段お利口にしてくれてるから、僕達からはなかなか強く言えなくって・・・嫌な役をさせてごめんね、サリィ。」

「いえいえ、シシィを連れてきてくれてありがとうございます。ところでそこにいるのは今はアイラちゃんとエレノアさん、カグラさんだけですよね?」

「うん、そうだね。」

「ではせっかくですので、アルタイルになにかひと言声をかけてくださいな」

 サリィからの頼みにユーリは一瞬言葉につまる。


「アルタイル、元気かな?君に最後に会ってからもう70日以上もたっちゃったね、さぞ大きく、なってるんだろうね、今度少し遊ぼうね。」

 ユーリにとってアルタイルははじめての男の子で、しかも父親と名乗ることは公にはできない子だ。

 それでもアルタイルは声だけでもユーリのことがわかるのか、それとも名前を呼ばれてるから反応したのか、少し興奮ぎみになってオーオーと声を出していた。


 それから本題に入った。

 ボクたちか行方不明になっていていたことは、ジークとサリィには知らせてあるのでそれに関する謝罪。

 その途中に得られた鍵やドラグーン、魔王に関する情報。

 8つ目の存在とその場所、それから・・・


「それは、おめでとうございます!」

 三人で妊娠してしまったこと。

「ありがとうございます。でもこんな時期にすみません」

 ボクたちは貴重な勇者なのに二人も一気に戦力を下げてしまった。

 アイリスも貴重なヒーラーなのに・・・


「アイラちゃん、そんなお顔しないでください。妊娠はうれしい報告です、祝福されるべきことです。あなたは王族や勇者の前に可愛い女の子なんですから。三回目だからアイラちゃんは大丈夫そうですが、アイリスちゃんとエッラさんは初めてだし、先に妊娠していたクレアさんもはじめてのことなので、正妻のアイラちゃんがみんなのケアをお願いしますね。丈夫な赤ちゃんを産んでください。」

 サリィの優しい声で諭されると不思議とそれが自分の役目なのだと思える。


「それではアスタリ湖攻略についてはホーリーウッド王国からは、僕とウェルズ、ゴリアテ、モール、セメトリィ、シア先輩、アイヴィが参加予定、カグラには拠点でサリィの手伝いをしてもらう。」

 ユーリが参加予定者の名前を列挙する、旧帝国三騎士勢揃いだ。

 それに神楽が反応する。

「セメトリィさんも来るのに私は攻略に不参加なんですか?」

「いってなかったっけ?」

 神楽は少し不服そう


「カグラには拠点でサリィを守ってもらう。兵士もいるとはいえ、普段冒険者をやっている様なもののなかにはもしかしたらサリィを見て変な気を起こす者もいるかもしれないから。」

 ユーリは淡々と告げる。

「そんなときに私がお守りしろと?」

「一緒にナディアとアビーもついてもらう、アスタリ湖自体は魔物さえ出なければ景勝地みたいな風景のよいところだから、サクヤも連れてキャンプで待ってて欲しいんだけど、どうかな?」


「そんな魔物が出るかも知れないところにサクちゃんをつれていくだなんて・・・」

 神楽は渋るが・・・

「だから、君にはお留守番してて欲しいんだ。この前あんなことになってサクヤにはさみしい思いをさせてさ、また今度の攻略に君に運んでもらうけれど、サクヤも一緒なら寂しくないかなって」


「わかりました。ではサクちゃんも連れて私は攻略中はサリィ様と近くの拠点で待機ですね?サリィ様はアルタイル様を連れてくるんですか?」

 説得された神楽はサリィの予定を尋ねる、折角なら姉弟を遊ばせてやりたいと考えたのだろう。


「すみません私は軍の管理の為に同行しますが、アルはお留守番ですね。」

 申し訳なさそうにするサリィに謝られたて、神楽は恐縮してしまう。

「いいえ!そうですよね、まだ半年くらいの王子さまですものね、私の方こそ失礼いたしました。」


 それからさらに少し話を詰めて、ユーリ達がこちらを経つのは10日後となり通信士の魔力的に最後に5分程時間が余裕があった為、ボクたちは部屋を出て、シシィと交代した。



遅くなってしまいました。

話も予定のところまで行けませんでしたがこのままだと日付変更まで間に合わなそうなのでここで切ってしまいます。

すみません

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