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第122話:思惑

 こんにちは、暁改めアイラです。

 久方ぶりのクラウディアのおうちです。

 前回、帝国との開戦を受けて慌てて帰ったので、そのままにした荷物なんかがありますが、今回は別にそれらを取りに来たわけではなくって・・・。


「ユーリ様、アイラ様お帰りなさいませ!」

 クラウディア屋敷の責任者のアリーシャ

「お久しぶりです、みなさん!相変わらずお可愛らしいですね。」

 アリエスは相変わらず可愛いもの好きらしい。

 ・・・?エリナは居ないのかな?


「二人とも久しぶり、ごめんね、誰もいない屋敷の責任者だなんて」

 ユーリが申し訳なさそうに声をかけると二人はかえって恐縮した様になって言った。


「そんな、わたくしたちの様な近衛メイドには過分なお言葉です」

「そうですよ私たちはここでみなさんの卒業まで見守るのが役目なんですから」

 二人はそれが当たり前の様に言うけれど、一年の間誰も戻らない屋敷で過ごすのはきっと寂しいものだろう。


「エリナは結婚したので、今はいませんが、戦争が終わってみな様が屋敷に戻る頃には、もどる予定です。」

 エリナが結婚!?アリーシャのほうが早いと思ってたなぁ・・・

「アリーシャ、アリエス、貴方たちにも抱かせたいと思ってたんです、ユーリとボクの娘アマリリスです。」

 話し込むと長くなるし、玄関は少し肌寒いのでリリを抱くならと、先に居間に通された。


「うわ!なんですか!この可愛い赤ちゃんは!見てみてアリエス!アマリリス様オッドアイですよ!?しかもこのかわいさ!!」

 珍しいことにアリーシャが興奮していてアリエスのほうが押されぎみだ。

「ほ、本当にすごく可愛らしいですね、アイラ様とユーリ様との可愛いところどりしたみたいな赤ちゃんです!」

 アリエスも可愛い赤ちゃんは大好きみたいで、本当に嬉しそうにリリを抱く、リリもまだ人見知りしない子とはいえ

「あーたぅ、ぶうぅー♪」

 と長い声を出し、リラックスした様子で抱かれているので、本能的にこの二人が優しい人だとわかっているのだろう。


 神楽との顔見せも終わり、お夕飯前にリリにおっぱいをやってから久しぶりのアリエスの料理に舌鼓を打った後はひさしぶりにクラウディア屋敷でのお風呂だ。

 エイラがいないのが残念だけれど9歳の、初めてクラウディアにきたころを思い出す。


(あの頃はこんなに早くキミに会えるなんて思っていなかったなぁ)

 洗い終わったリリを片手で湯船に浮かべてもう片方の手であやす。

 ぱちゃぱちゃと気持ち良さそうに足でお湯をかくリリを全員が優しい目で見守る。


「こうやってみてると本当にお母さんのお顔されてますね、元をしらなければ年の離れた姉妹にしかみえませんが・・・」

 なるほど、普通の人にはそう見えてるのか!

 アリーシャの言葉に不思議な感動を覚える

「そっか12歳差じゃあそう見えるかもね」

 サークラとアニスも13差だしね


 それにしても見れば見るほど愛おしいね

 お湯に支えられて揺れている、ユーリ曰く頭まで水に浸かると自然に水棲が発動して浮力が働かなくなるらしいので注意が必要だ。

 お湯に浸けて7分もするとはしゃぎ疲れたのか、単に気持ちいいのか、トロンとした表情になってきたリリをさきにアリーシャに預けてボクたちはそのあとお風呂の温度を上げて10分ぐらいゆっくりしてからお風呂を出た。


 久しぶりに集団でお風呂に入ったけれど一つ発見があった。

 以前はごく自然体でみんなとお風呂に入れていたユーリが、ボクの、あるいは他の女の子の裸を見て興奮する様になっていた。

 これは恐らく一度ボクを抱いて、さらに子どもが生れたことで、性への忌避感が薄れ、生殖本能が勝る様になったからだと思う、本人は戸惑っていたけれどね。


 これから沢山の子孫を残さねばならなくなったユーリが以前の様に消極的であれば問題があったので、これは喜ばしい変化なのだけれど・・・

(口では他の女の子を認めながらもなんとなく面白くないと思ってしまうボクは少し嫌な子だ・・・)


 お風呂から出るとアリエスがオルガンを引いて、アリーシャが揺りかごを揺らしていた。

 揺りかごの中を見るとリリが穏やかな表情で寝息をたてていた。

「この揺りかご、僕が赤ちゃんの時使ったやつと同じデザインだ」

 ユーリがポソリと呟く、ユーリは赤ちゃんの時クラウディアに来たのだろうか?


 その細めた目は何かを思い返しているのかな?

 単にリリがかわいいというものだろうか?

 最近少しだけ不安があるんだ。

 リリの出産前に君と少しの間だけ離れたけれど、いつかまた離れなくてはならない時がくるんじゃないかって・・・。

 だから、そんなに遠くを見ないでほしい。

 いつでもボクのことを見ていてほしい。

 ワガママかな?ボクは君がいない時リリのことばかり気にかけているのにね・・・。



翌日、呼び出されているのでユーリとボク、護衛に神楽とエッラがついて城に向かう。

 勿論リリはボクの胸もとに納まっている。


 連日の徒歩でのお散歩がリリにはうれしいらしく、大変にご機嫌だ

「おーおーおー」「うーうーうー」「おぶぅ」

 なーんてひっきりなしに声を上げていて、ボクの胸もとがよだれでぐっちょりしている、たまに乾燥させる魔法で湿り気をとってはいるけれど、リリに濡らされているとなると不快指数は高くはない。

(さすがに大きいのは遠慮願いたいけれどね。)


 ここ最近は結構こうやって散歩しているけれど、不思議とここにいれてるときに大きいほうをしたことがないのはリリが気を使ってくれてるからなのかな?うちの子天才じゃないかな!?と我ながら親バカ発想でちょっと恥ずかしいけれど、逆にボクは可愛いげのない赤ちゃんだったなと思うと、亡き母に申し訳ないと思う。


 そして今ボクがこうやってリリを抱いていられるのが母のお蔭だと思えばハンア感謝しかないし、もしもこのリリが誰かの生まれかわりだったとしても、リリはリリなのだと強く思う。

 今ならば、あの日ボクアイラを抱き締めたエドガー父さんの気持ちもわかる、気持ち悪いなんて思わない、仮にこのリリが虎徹やセルゲイの生まれかわりであったとしても、ボクとユーリがきっとアマリリスという少女を愛して見せる・・・そうすることできっとリリはリリという生き物になるだろう。



 王城についたあと

 見知らぬ若いメイドさんに案内されて、黒歴史の塔へ。

 ヨミー・ジスランと名乗ったメイドさんは塔の入口の階段ではなくその手前の談話室の前までで案内を止めた。

 王族の住む区画まで入る権限がないそうだ。


 いつものジークの部屋に入るとジークはエッラと神楽がいることに少し驚いた様子だったが、かえって都合がよいと話し始めた。

「オケアノスはどういうわけか、ここ2ヶ月程まともに侵攻してこず、ナギア荒地とレプリー小平原の間あたりに布陣している。」


「われわれに対して数でも質でも劣る為拠点防衛で時間稼ぎしているのでしょうか?」

 ユーリが簡単に言うけれど、確かにその間ならば王国側は荒地を横断せねばならないのでオケアノスがやや有利・・・しかしだ。


「何か腑に落ちないですね、その位置で守っても、南が終戦した今南部からの援兵は時間の問題です。」

 いくら王国側の攻撃を防いでも、南側から回り込まれればそれでは挟撃となる。

 東がだましうちと裏切りを常としていてもこれでは・・・。

 あぁそうかコレもだましということならば、布陣していること自体がどこかから目を反らすためのブラフのパターンと布陣している裏でなにかしているパターンそれに・・・

「実はもう南側をドライセンに譲っていて、南側からオケアノスを攻めるとドライセンを刺激することになる・・・なんてことはないでしょうかね?」


「え?」

「は?」

 ユーリとジークが目を点にする。

 おぉっとちょっとさすがになかったか。

 あきれさせてしまったかもしれない。


「いやーまて仮にそうだとして、せっかく残りペイルゼンとオケアノスだけになったのが今の状況でドライセンを敵に回すのはあまりうまくない。」

 ジークは何かを天秤にかけて、慎重に進めることにしたらしい。

「そうですね、仮にそうでなくてもオケアノスを相手取っているとドライセンを刺激することは十分にありえるので、一旦ペイルゼンから相手にしたほうがいいかもしれませんね。」

 ユーリも早くオケアノスを斃したいだろうに、なんかごめんね?

 一番最後に相手取ることになって・・・。


 その後も30分ほど話あって一先ず対東の方針は包囲と維持になり、先に北から攻めることになった。

 当面南に割いていた西の主力部隊を一旦西に戻し一部の軍官学校卒の戦力を中心に少数精鋭を北に派兵することになった。

 

 話は少し移り今は神楽の話

「それにしても魔剣使いと呼ばれたカグラ殿がまさかこの様な美しい乙女だったとは、前回顔を合わせたときは夜も遅かった故あまり話せなかったが、もっと老練な騎士を想像しておったのだぞ?」

 ジークは神楽がまだ年若い女性であったことをちょっとうれしそうに言う。

 まさか悪い癖じゃないよね?神楽相手だとボクが怒るよ?

 そりゃあ神楽はキレイな女性になったけれどね。


「あぁ魔剣使いなんて大仰な名前を頂いてしまいましたからね。」

 そういえば魔剣は王国側の呼称で帝国では神器という呼ばれ方だったはずだけれど何故魔剣使いなのだろうか?

 そもそもネクレスコラプスの舌の魔剣を手にしたのは開戦の頃で、それ以前は槍しかもって居なかったはずだ。

 それならば何故神楽は、カナリア・ローゼンフィールドは魔剣使いと、帝国でも呼ばれていたのだろうか?


「アイラさんは私の異名のことが気になるみたいですね?」

 疑問が顔に浮いていたのだろうか?

 神楽はボクに向かって微笑むと楽しそうに自分語りを始めた。


これ以上起きて書いても半端になりそうなので、今日はここで投稿します。

もっとペースアップできるといいのですが、なかなか書き進みません・・・。

今年中になんとかアイラを13歳にしたいです。

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