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第119話:継承1

 こんにちは、暁改めアイラです。

 ミナカタ協商を滅ぼしました。

 思いの外民衆を減らすことになりましたが、王国は虐殺や略奪を行うことなくミナカタ協商の領域全てを併呑、新たにハルピュイア大陸との貿易が可能となった。


 今日は8月10日、ボクたちはスザクでの戦後処理の手伝いをしたあと、いまクラウディアにきている。

 魔法ありきではあるがリリも連れてお出かけも大丈夫だと思える程度まで育ち、ジークのところに連れて行こうということになった。

 メンバーはボクとユーリ、リリ、カグラ、アイビス、ナディア、トリエラ、エッラ、アミ。


 アイビスによるスザクの継承と、リリの鑑定をジークにしてもらう為に王都にやって来た。

 それに依ってリリの継承権が替わってくるので正式にジークの鑑定を申し込むことにしたのだ。


 話はあのヒライ基地襲撃の翌日の夜のことになるが、神楽達からリリを預かるので、たまには二人で過ごしてくださいと言われユーリと二人でお風呂に入っている時。


「アイラ、昨日は話せなくてごめんね」

 湯ぶねのなかボクを後ろから抱き締めながら突然謝ってきた。

「ユーリ?」

 何だろうと思ったがすぐに思い出す。


「あれは穿魔法ペネトレイト?」

 魔法適性が身体強化メインのはずのユーリが殴る潰すがメインの盾の剣スヴェルグラムで容易く城壁を切り裂く所か一突きで貫通して見せた。

 あれはやはり穿魔法によるものだろう・・・本来のオケアノス固有魔法の。

 だとすれば彼が水練大会で度々見せた異常なほどの水中機動もオケアノスの水棲アクアティックというものだろう。


「そうだね、もっと言えば、穿魔法では物理的で魔法的要素のない、しかもかなり硬い無生物しか貫通出来ないから、本来保存の魔法のかかった城壁は抜けない、だからアレには奪魔法インターセプトもかけていた」

 オケアノスの能力を全て持っているんだね。

 いやボクが光弾や跳躍を持っていることを考えればなんのことはない、リリーが持っていたのだろう。


「キミはオケアノスの固有資質を全て持っているんだね。」

「うん、知ってるのはハルト様とサリィだけ・・・一応言い訳として、過去混血があったからだ、といえる様にはなってる。」

 まぁ歴史が長いし最初は同じ王の胤から生まれたみたいだしね。

 長い歴史には婚姻関係も何度もあっただろう


「そして・・・ハルト様は僕がリリーだと知ってる。」

(あぁ・・・)

 だからジークは初めてボクを紹介された時に感慨深い感じだったのかな?

(ユーリが女の子と想いを通じ合うと思っていなかったのだろうね)


「僕にはオケアノスの3つの能力と、ホーリーウッドの3つの能力、その全てが発現してる。」

 ホーリーウッドの能力は戦法(タクティカル)超反応(リアクト)強運(フォーチュン)の3つ。

 いずれもどちらかといえば近接戦で恩恵を受けやすい能力で、初代から魔法剣士を多く排出してきたというホーリーウッド家にはなかなか有用な能力だけれど、オケアノスの能力と合わせると途端に化け物の様な生き物になる。


 戦法はいかなる武器も使える状態にあれば、十分に能力を発揮できる能力だという。

 分かり難いけれど、これはユーリは剣をメインの武器として選択しているがコレが槍だろうと斧だろうと、同じ程度に使い方を理解して使うことが出来るという能力らしい。

 初めて使う武器でも、熟練した動きが可能だということだ。


 超反応は文字通り、挙動に対する対応力を意味する能力で、おおよそ人間には反応できないような瞬間的な攻撃やフェイントにも対応できるものだという。

 幼い頃からボクの加速に対応できたのはどうやらこれが大きく貢献していた様だ。

 それでも加速には対応がちょっと遅れるらしいのでずっと悔しかったそうだ。


 そして強運は、いざというときの紙一重を分けるスキル。

 本当に命を分ける様な瞬間に、ささやかな幸運が訪れたりするらしい。


 コレに、オケアノスの3種

 穿魔法は対物理、対高硬度貫通

 穿魔法の弱点を消すことも出来る奪魔法は対象の魔法的守護や魔法自体を打ち消すことが出来る魔法。

 水棲は、水の中でも阻害されず動くことが出来、息も出来る様になるらしい。


 一つ一つはやや強力程度の能力だが、全て合わせれば凶悪だ。

「ボクもちょっと特殊な魔法や能力が多いけれど、リリは一体どんな能力を継承しているんだろうね。」

 少なくとも、跳躍かそれに近い何かを持っているだろう。

 それに光るのももしかしたら、ボクの光弾を受け継いでいるのかもしれない。


「うん、ミナカタとの戦が終わったら、ハルト様に頼んで王家の鑑定石で鑑定を受けさせてもらおう」

 あぁ本当はサリィでも鑑定できるのだけれど、ユーリは鑑定については知らされてない様だね。

 あるいはボクが知っている事を知らないか・・・薮蛇になるわけにもいかないし、ジークの信頼を裏切りたくはない。

 黙っているしかないかな。


「そうだね、その頃にはリリもお外でお散歩できる様になってるかもね。」

 なんて言って、今日のこの日を少し楽しみにしていたのだ。



 実際にリリも首が座り、喜怒哀楽快不快以外の声が盛んに出るようになってきている。

 毎日抱っこしておしゃべりが楽しい、喃語が出るっていつくらいになるのかな?

 今日も王都に飛んできながらずっと「うーぁー」とか「ぅーぅー」とか言い続けるリリにずっと意味も通じないのに「そっかぁ」とか「お母さんももリリのこと大好きだよー」とか親バカをし続けてしまった・・・。

 付き合わせた皆には悪いけれど、ボクはリリに構っていると気持ち悪いといわれてもおかしくないくらいデレデレになってしまうのだ。


 さて城に着くと、すぐにノイシュさんがボクたちを出迎えた。

「ようこそおいでくださいました。ホーリーウッド家の皆様とスザク家のアイビス様・・・陛下がお待ちです。」


 うやうやしく頭を下げるノイシュさん

(しまったなあ、エイラを連れてくるんだった)


 ボクたちはただ導かれるままに城の奥へと入っていった。




ひさびさに能力の話を出そうとしたら出先で表がなかったので二回に別けます。

 帰宅後続きを用意しようと思います。


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