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第114話:戦の定石

 おはようございます、暁改めアイラです。

 突然消えてしまったアマリリスを追いかけて跳躍すると、なんと最前線、ミナカタ協商の領土だったハリエ共和国旧領だった。

 そこで義父やユーリとの再会に喜んでいると突然砲撃が始まり、その砲兵を無力化したボクは、不気味な装置を目撃した。


「なんですか・・・これは。」

 目の前にいるのは子ども達、前世のSF映画に出てくる培養槽の様な中が透けて見える容れ物の中に5才~10才くらいか?子ども8人が、多分眠っていた。


「これはミナカタ協商ソミナ王国がどこからか手に入れてきた技術で、非戦闘員から魔力を引き出して使う装置だそうです。」

(子どもを・・・?)

「それではこの子達は?」

「始めにミナカタ軍が制圧したスザク領の町の子どもです、まだ生きています。」

(まだ・・・いずれは死ぬと言うことだ。)


「貴方はなぜこの馬車を庇い、あの男は何故撃とうとしたのですか?」

 この様な悪事の片棒を何故かついでいたのか、にもかかわらずなぜ庇うのか?


「俺はもともとこの辺りの平民で、スザク領とハリエ共和国は交流もあった。戦争なんて必要なかったのに、欲望が服を着た様な商人と貴族が力を持つのがミナカタ協商だからな・・・なにか旨い話しにでも乗せられたんだろう、戦は突然始まったよ」

 自嘲する様に語るオリバーは多分本当は従軍も嫌なのだとわかる、まして子ども達を消耗品の様に扱うなんて・・・

「最初の作戦は隣町の襲撃、しかも内容はいつもの商売のふりをしての騙し討ち・・・心が壊れそうでした。いつも果物を買ってくれた母子を、お父さんが出稼ぎで家にいなくて寂しいと泣いていた小さな子どもを・・・捕虜にするのは非戦闘員を安全に扱うためだと聞いていたのに・・・」


 確かに敵国の非戦闘員が復讐のためにも戦闘員化する前に捕虜にするのは安全に扱うに含まれるだろう、ましてそれを自軍の強化に使えるとなれば一石二鳥どころではないね

(ヘドが出るね・・・)


「さっきの砲兵はなんで子ども達を殺そうとしたのですか?」

 あの威力ならば、馬車も中の子どももろともに焼き融かしているだろう

「あいつらは、子どもたちを小さくてエネルギー効率の良い部品としか見ていません、軍の機密保持のために、もっと言えば、王国が同じ装置を運用することを恐れての設備破壊かと」

 オリバーは非常に協力的で、多分子ども達のこともできるだけ巻き込みたくない、まっとうな人間だ。

 それでも戦争となれば従軍せざるをえず、300年振りの戦争には正道がないのだ。


「オリバーさん、貴方の基地には、何人くらい子どもが捕虜にされていますか?」

 ボクは、次の手を考えるために救出すべき対象者の人数をたずねる。

「最初は300くらいいましたが、最初の連中の無茶な酷使で今は200人いないですね。散発的な嫌がらせ攻撃のために、3日交代に・・・と進言してようやく死人を減らすことが出来ましたが、粗食に不衛生な寝床・・・長く苦しめているだけなのかも知れないと思っていたところです、この子達だけでも王国に保護していただければ・・・」



「お断りです!」

 君はそれで満足出来るかも知れないけれど、ボクを侮らないで欲しい、母と成った今そんなものではボクは満たされない・・・先に荷物のなくなった騎馬が単騎で戻っているだろう。

「な・・・貴方と年の近い子ども達です、助けてください!」

 すがりつく様な彼の期待には最上級の応えをあげよう。


「8人救ったって貴方が嫌々でも加担した悪事を灌ぐことにはならない!生き残りの子どもを捕虜を、全て助け出す、今ならば多少なら原動機を遅れてもって帰ってきても怪しまれずに潜入できますよね?」

 幸いボクは身体が小さい、この子達に紛れるとか、馬車に隠れての潜入は出来る。

「今を逃せばもうチャンスはない!ボクがすべての子どもを助けるよ・・・」

 朝から素敵なモーニングコールをしてもらったからね、ボクからのお返しをさせてもらおう。


「貴方とボクとで奇襲をかける!」

 リリを産みボクは奪うだけの存在ではなくなった。

 その事でボクは少し傲慢になっているのかも知れない、それでも幼い子ども達を、救えるかもしれないのになにもしないでいるのは、一人の子の親として許せなかったのだ。


キリが悪くなりそうなので短いですがここで投稿します。

続きが間に合えば投稿したいですが間に合わない可能性が高いです。


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