話し合い②
「なぁ、幽華。第3世代なんて信じれるか?」
「なんとも信じがたい話ですよね…」
「まぁ、事実なんだよこれが!」
二人は「う~ん」と唸る。
先程までは二人で話をしていたのだが、作戦会議ともなれば二人でやるわけにもいかないので、幽華と三人での作戦会議を始めた。
麻衣は状況を整理するように言う。
「まぁ、話は分かるよ…。第3世代と言うのがもしも存在すると言うのであれば、戦争反対のあのババーならそれを止めるはず。
もしも、そんなのが存在するなら戦争は免れないだろうからな…ただ…存在するのであればな」
麻衣達が信じれないのも無理もない話なのかもしれない。
彼女達、第2世代を作り出すのにどれだけの科学者が時間を掛けたことか。
時間。それに金。第3世代を作り出すなら膨大なそれが必要なはずだ。
「で、作ってるって言うなら、どっかの国なんだろ?どこだ?」
麻衣は問う。
エリスは苦笑いしながら言う。
「それがな、この日本なんだよ」
「は?」「へ?」
麻衣と幽華はまた腑抜けた声を上げた。
その腑抜けた声を上げる二人に説明する。
「日本の今の情勢は分かってるだろ?」
「第三次世界大戦で米と露の攻防を中心で受ける形になって、政治的にも、ツライ状況だってことだろ?」
「あぁ、そうだ。そこで、第3世代なんだよ。もし、それを作れれば今の情勢は変わる。ということで、国は大きな予算を出し、力を入れてんのさ」
日本はとっても不利な立ち位置だった。
それまでの政治の関係上、米との関係か露との関係かどっちを取っても攻撃の対象になるのは避けれない。
そして、時の総理は米との関係を取った。
そして、開戦。
圧倒的戦力を持っていた米軍が勝つのは当たり前かと思われていた。
だが、欧州と露の協定。これにより戦況は危うい方向にいく。
戦争が進んでいくと、日本にも大きな被害が出始める。
すると、それまで米派を言っていた集団が、露派に転向。
露派は暴動を起こし、日本は内と外からの攻撃を受けることになる。
戦争はお互いに取り合えずの話し合いで治まった。
それの仲介に入ったのが、マザーだ。
マザーにより戦争は終戦することになったのだが、日本は米からも露からも良いようには見られていない。
そんな、日本が第3世代を作り出せれば、確かに状況は変わるだろう。
良い方か悪いかは別だが。
「で、ここがターゲットだ」
エリスは机に置いた地図を指差す。
そこは、六本木。
(こんな人が多いところで…)
麻衣は少し恐怖する。
「作戦は明日の夜中の0時。侵入は裏口のとこから行う。ばれないように、慎重にそして俊敏に行う。確認するように麻衣と幽華を見る。
二人は少し頷き問いに答える。
「よし、それまでは自由にしていて構わない。作戦に参加してくれればそれでいい」
そう言うとエリスは新たな煙草を取りだし一服する。
「それじゃ、お姉さま。私は散歩にでも行ってくるので、ゆっくりしていってね!」
幽華は自慢の素早さで部屋を後にする。
「おいおい。ここお前の家じゃないだろ」
呆れたように麻衣は言う。
エリスは何も言わなかった。
麻衣もそこからは何も言わなかった。
二人は無言の時間だったけれど、有意義な時間だったと少なくとも麻衣は思った。




