花の膣
御魂と言うものがある。
神の息とも言う。
日本は、核保有国である。
戦争に敗れた吉田和希は、サトウキビ畑で意識を失っていた。
「待って!!御魂が光っている!!」
死体はわんさかあったのだが、皆、その御魂はどす黒かった。
「回収する!!」
彼は言った。
気が付いた時、吉田和希は、洋風な部屋の中にいた。
(ロシア人だろうか?)
目の色が違った。
何が起きたのだろうか?
吉田は、頭痛を感じながら、のぞきこまれた男の顔を見た。
吉田和希は、のちに、エージェントとなる。
黒澤は、大阪から完全に撤退した。
花と、ここ祇園で暮らし始めたのだが、すれ違いが続いていた。
それは、谷田、咲坂、楠木、皆伐と共に、たびたび東京で集まらなければならなくなり、昨今のユーチューバーたちの行き過ぎた行為に、早急に対応を迫られていたからである。
「詩吟はまったく受けんと」と、静香は言った。
「こないだの京都劇場での結川様は、素晴らしかったじゃけ。ただ、祇園向きではないじゃけ」
蛍は、谷田と皆伐というパトロンを得たのだが、祇園での立ち位置に右往左往していた。
「花は、いいじゃけ。黒澤様と言う旦那様を得て、SEを気取っていられる」
静香の言葉に、蛍は一瞬押し黙った。
花は、おかみとは違う。なぜ、三人が揉めているのかは、売春とマクラが紙一重であり、黒澤のいない祇園の店の一つを任せられたからである。
夜遅く、東京から戻った黒澤は、酒を飲んでいたようだった。
花と黒澤は、祇園の一角で所帯を持った。
「男衆を一人、置いて欲しいじゃけ」と、花は言った。
女ばかりの経営は、心もとない。
ところが黒澤は、「必要ないじゃけ」と、取り合わなかった。
黒澤は電気を消し、服を脱いだ。
「花は、俺だけのものじゃけ」と、花の、足を広げた。
その割れ目に黒澤が手を入れると、クリトリスを吸った。
花のクリトリスが、勃起してくると、黒澤は、「まだまだこんなものじゃないじゃけ」と言った。
膣が愛液で溢れて来ても、花が声を出さないのが不服だった。
黒澤は、花の膣の奥まで指を入れ動かした。
そのあと、黒澤の一物を花の口にあてた。
「口を開けるじゃけ」
興奮した黒澤の息遣いは荒い。
花は、これ以上の凌辱はないと感じていた。
それで、無言で黒澤の一物から逃れようとした。
「ここから先じゃが、うちは、しとうない。口は災いの元じゃけ」
花は、本気で言った。
膣は十分濡れているのに、何が悲しくて、口でくわえなければならないのか?
黒澤は一瞬黙ったが、吹き出しそうになるのをこらえ言った。
「もうええわ」
花が、黙っていると、黒澤は、「今日は、疲れたじゃけ」と、布団を被った。
「心配ごとがあると、ムードに乗れないじゃけ」
花が言うと、黒澤が、「わかってる」と言い、花を布団の中で抱きしめた。
「今日だけは、サービスじゃけ」
黒澤の寝息が聞こえる頃、何だか明日への心配ごとなど小さいことだと感じたのだが、祇園のお姉さま方に、「若い身空で」と言われたことが気になり始めた。
胸が疼くのは、御魂であり、黒澤を愛しているからに相違ない。




