ちり紙交換しゃ
日常風景に潜む(のか?)狂気。
基本スルーで。
とても静かで平和な休日。
幼い子供はその日の予定が無かったため、のんびりとした休日を家の中で過ごしていた。
やる事が特にない為に、テレビを点けてみたり本を読んでみたり、玩具で遊んでみたりお絵描きしてみたり。
そうやって過ごしていると、外からスピーカー越しの声が町に響いていた。
「お騒がせしております。 毎度お馴染み、チリガミコウカンシャで御座います。 ご家庭でご不用になった物は御座いませんか? 御座いましたらお気軽にお声掛けお願いします。 チリガミとコウカンさせて頂きます」
時々そこら辺を走ってる、ゴミを載せたトラックがいるのか。
そんな感じの感想しか、幼い子供は思わなかった。
〜〜〜〜〜〜
「お騒がせしておりますぅ。 ……ハァ。 ん毎度お馴染みぃ、チリガミコウカンシャで御座いますぅ。 ……ふぅ。 ご家庭でご不用になったぁ物は、御座いませんかぁ? 御座いましたらぁ、ぉお気軽にお声掛けぇお願いします。 チリガミとコウカンさせて頂きますぅぅ……ふぅぅぅ」
あれからしばらく経ったが、今日のチリガミコウカンシャは中々しぶとくこの辺を動き回っていた。
「お騒がせし、ております。 毎度お馴染み、チリガミコウカンシャで御座います。 ハァハァ……ご家庭でご不用になった物は御座いませんか? 御座いましたら、おほっ!気軽にお声掛けお願いします。 チリガミとコウカンさせてぇぇぇ、頂きますぅぅ」
?????
今日のチリガミコウカンシャは変だった。
いつもならこの辺は2周、多くても3周すればいなくなっていたのに、もうかなりの回数を周っている。
その上で、回数を重ねれば重ねるほど、息が荒くなってきている。
息が荒くなるだけでなく、今回なんかは変な声も出始めた。
何かの病気を持っているのかも知れない。
幼い子供は少し心配になった。
〜〜〜〜〜〜
更に少し経った頃、変化が起きた。
「何度も何度もしつこく周りやがって、うるさくて仕方ないのよ!」
バチーーーン!!!
ご近所で、このスピーカー越しの声に我慢が出来なくなった人が現れたのだろう。
で、その人は本当にキていたみたいで、肉を打つ生々しい音が響き、幼い子供はその音に驚く。
「ありがとうございますありがとうございます! 我々の業界ではご褒美です! お礼にちり紙をどうぞ!」
「そんなモン要らないのよ!」
バチンッ!
「アンタが!」
バチンッ!
「うるさいから!」
バチンッ!
「黙りなさいって!」
バチンッ!
「言ってんのよ!」
バチンッ!
「このちり紙以下!」
バチーーーーーンッ!!!
「ありがとうございまーーーーす!!」
〜〜〜〜〜〜
?????????
「ねえ、お兄ちゃん?」
同じ部屋で暇な休日を過ごしていた少し歳の離れた兄に、外の騒動を尋ねようとしたのだが。
「気にするな」
「え?」
「お前は知らなくていい。 気にするな。 あんなのには近寄るなよ?」
「…………うん?」
「知らなくていいんだからな?」
「???」
幼い子供にはよく分からない言葉で、なんとなくはぐらかされた感じがするだけだった。
ちり紙(をドMな自身の癖の解放と)交換( する)者。




