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教室で先生が私たちを見渡す。
「それでは任務に参加する24名の相棒を発表します」
相棒制度への緊張と期待、そしていよいよ任務が始まるという不安で息をのむ。
「一組目はユズハ、そしてヒサメ」
木と水か。やはり相生の組み合わせになっているのかな。
「七組目はホムラ、カナミ」
その後も順調に発表されていく。
相生の相棒だらけで、基本は男女の組み合わせが多い。
バランスがいいからか。
「ぜんぜん呼ばれないわね」
隣の席であるヤヨイが小声でつぶやく。
「緊張しちゃうからはやく呼んでほしいね」
半数以上が呼ばれたが、私もヤヨイもまだ呼ばれていない。
「これはもしかして、もしかするかもね」
「私たちが相棒?」
ヤヨイの言葉ににんまり笑みがこぼれる。
「そうだったらうれしいけど、なんとなく予感がするわ」
ヤヨイは少し困ったように笑った。
「11組目はヤヨイ、ユサ」
いつの間にかラスト二組になっていた。
「やっぱり」
ヤヨイがつぶやく。ヤヨイの相棒は緑の髪の編入生だったのである。
彼はヤヨイに向かってにっこり手を振っている。
ヤヨイも小さく手を振り返す。
「最後はもうわかっていると思うけど」
先生の言葉にハッとする。
そうだ、もう残っているのは私と
「12組目はシズクと、ソウヤ」
碧い瞳の彼である。
ドキンと心臓が波打つ。
彼と相棒…相剋のため想像もしていなかった。
そっと彼の様子をうかがうが、興味がないのか、シズクが誰かわかっているのかいないのか、まったく後ろを振り向かない。
「がんばろ…」
任務に向けてか、今のところ友好になれるか怪しい彼との関係性についてか、自分でもよくわからない決意が口から零れ落ちた。