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【完結】龍の導き  作者: 楽羽
第5章 碧い炎
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1


季節は巡り、ソウヤと相棒になってから二度目の秋を迎えた。

「すっかり大きくなっちゃったね」

ソウヤの顔を見上げ、ため息をつく。出会った頃はそう変わらない身長だったのに、今ではソウヤの肩と私の頭の高さが同じくらいである。


「龍導も俺の方がもう上だ」

「な!学科は私の方が成績いいもん」

ソウヤは去年の冬からめきめきと実力を伸ばし、それまで実技も学科も学年で一番だった私をさらりと抜いた。


龍導のコントロールと力量は負けていないが、技を使った試合形式の実技演習で敗北したのである。


「悔しい…」

私を見てソウヤは不敵に笑う。その笑顔に見惚れそうになって、首をかすかに振る。


この二年弱でソウヤもいろいろな表情を見せてくれるようになった。ますます綺麗さと、そしてかっこよさを兼ね備えたソウヤを見ると、前以上にドキドキする。最近はそれを悟られないように平静を保つのに必死である。


「今回の任務はやっかいだね」

気持ちを切り替え、任務の話をする。

「そうだな、『松』だしな」

任務の中では最高難易度の『松』なのである。


「国内の反乱分子の捕縛か…」

ため息をつく。国の政治に不満があり、改革しようとするのは結構だが、やり方に問題がある連中が一定数いる。


この国の内外に不穏な空気は増している。

カグラさまのご両親であるミカゲさま、ミコトさまが学校長、王族直属の金の龍導師を引退されてからだ。


彼らは歴代のなかでも圧倒的な力を持っていたし、前王と深い絆で結ばれていた。

しかし前王が崩御されるとともに引退された。そして王の跡を継いだのが現王である、前王の弟なのだが、これが曲者と噂されている。


そしてその王を退け、次なる王にと推されているのが、前王の息子である。

そこでの派閥争いが水面下で生じている。

幸い、国内は今すぐ反乱などはなさそうだが、その亀裂に目をつけているのは国外である。


そもそも島国で完全なる独立国家のこの国は他国からの影響は受けにくかったのが、独自の龍導の能力はずっと狙われ続けていた。


そのためなかには国内の反乱分子が他国と手を結び、強力な後ろ盾を手に入れようとする動きもある。手引きもあり、他国からの刺客が増加している。


今回の任務対象も他国から違法な薬物を入手している。その人物を捕縛するのである。



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