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おみやげ想い

作者: Soraきた

どれを選ぼうとしているのか

君は僕の顔色を気にしてる

誰へのおみやげなの?


この場所は

ふたりには想定内の場所


ところ狭しと置かれた物

この場所の地名が大きく印刷された

ご当地の限定なんとか、とか

どこかで見かけたキャラが写っていたり

君が何を選ぶかなんて

僕にはどうでもいいことかな


海に近い場所なら

昔よく見た

小さな貝殻が入った小ビンを

まちがいなく探す僕だけど


海にも山にも近くない

この場所から

想像できるものは

いまのところ

あまりない



家族に、

おじいちゃん、おばあちゃんに

そして、友達にと

たくさんのおみやげを抱えこんで

僕を見つけた君の笑顔は

あたたかくて

やっぱり、素敵な女性だと安心する

そして

僕には、もったいないくらいの女性



家の到着時間が多少、遅れたって

これならかまわないよね

たぶん、家族の人も許してくれるだろう


帰りに絶対、見ようって言ってた

あの丘の夕暮れも

いまは忘れてしまっている


でも、君に謝らないといけないんだ

君が一生懸命、おみやげを選んでるあいだ

僕は、

想い出になる前の

君との出来事を

君よりも先に思い出していたこと


サイクリングに出かけてゆっくり通った

古い町並み

途中、休憩した団子やさん

はじめてくらいに飲んだ

おいしいお茶

なんていう名前か

忘れたけど

サイクリングを頑張りすぎて

喉が乾いたときに飲んだラムネ

最高においしかった

もったいないくらいの三日月も

早起きして出かけた神社も


君より先に思い出して

ゴメンね


僕はふと思った

おみやげって

とてもいいな、と








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