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ノエル・クラウド

最後まで読んでもらえると嬉しいです!

ついでにコメント、感想、評価、ブクマも

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 ──【ガラン】に面している平原【ガラン平原】─


 【ガラン平原】の【ガラン】近辺に

 巨大なクレーターが出来上がり、その真ん中に

 俺は居た。


 「どうせなら魔物(モンスター)もろとも鎧野郎共も

 消えてくれりゃあ良かったのになぁ。なぁ

 ピクシー?」


 「そだね〜。てかノエル!そのピクシーって

 呼び方辞めてって言ってんじゃん!私の名前は

 ルノだってば!」


 「耳元でピーピー鳴くなって〜。」


 「耳元じゃありません〜!胸元です〜!」


 「揚げ足取りの上手いピク…」


 「ル!ノ!」


 「あ〜はいはい。ルノね、了解。ま、そんじゃ

 帰るとしますか。」


 街で構えてた【女王直属守護騎士団(ロイヤル・ナイツ)】の

 殆どの騎士達は魔力切れで動けずに居た。


 「相変わらず滅茶苦茶な奴だ。ノエルめ。」


 「ジーク団長…。しかしあんなデタラメな人が

 世界最強の勇者の称号を持ってるって…

 世も末ですね…。」


 「うむ。だが奴の力は底が知れず、数々の

 功績を讃えるなら妥当な称号なのも事実。

 そして此度の魔物(モンスター)の群れからの襲撃も

 奴によって被害は食い止められた…くっ。」


 「確かに食い止められた事は事実ですが、

 危うくこっちまで全滅しかかったんですよ?!

 上に何と報告すれば…!」


 「それは私に任せておけ。今は負傷者の手当てが

 最優先事項だ!」


 「はっ。」


 ────【ミーティア城・謁見の間】─────



 「女王陛下!!」


 「何事だ騒々しい。」


 「はっ、申し訳ありませんヴァルカス様!

 しかし陛下に申し上げたい事が御座いまして…」


 「まぁ良い。申してみよ。」


 「はっ、女王陛下。ただいま【ガラン】へ

 向かった者達が戻って参りました。」


 「それで?」


 「結果を申し上げますと、こちらの負傷は軽微で

 死者数は無いとの事です!」


 「それで?」


 「敵の群れは全滅したそうです。」


 「報告はそれだけではなかろう?」


 「【ガラン】の辺り一帯の地形が変わった

 そうです。」


 「ええい、周りくどい奴じゃ!正直に申せ!」


 「も、申し訳ありません!それが…

 我が騎士達の成果とは呼べず、たった1人の

 男の手によってもたらされた結果…と

 言う事です…!」


 「たった1人…もしや。」


 「そなたの想像通りじゃろ。間違いない。

 そんな滅茶苦茶をする者など1人しか居らぬ。

 ノエル・クラウドじゃな?」


 「仰る通りで御座います。如何なさいましょう?」


 「如何…とは?」


 「え?」


 「いつもの事じゃろうて。

 まぁ、でもそうじゃのう。良い機会じゃ、

 余の元へノエルを連れてまいれ。」


 「奴を城に招き入れる…と言う事ですか!?」


 「陛下。私は反対で御座います。」


 「何じゃヴァルカスまで。何か問題でも

 あるのか?」


 「陛下!恐れながら申し上げますと、

 あんな常識知らずの性格破綻者を城に招き

 陛下の前に連れてくるなんて、何か起きて

 からでは…」


 「おい、そこの雑魚騎士よ。余の前で

 奴を愚弄し侮辱する様な発言は控えておけ。

 この世から消えたく無ければ…な。」


 その瞬間、辺りに凍りつく様な空気が流れ

 騎士達やヴァルカスの顔から冷や汗が流れ落ちた。


 「ひぃっ!た、大変申し訳ございませんでした!」


 「早よう、去れ!」


 騎士は血相をかいてその場から立ち去った。


 (あれ程の殺気を…虫を見るかの様な目で。

 これが【ミーティア】の現女王で

 女王直属守護騎士団(ロイヤル・ナイツ)を創設し

 ありとあらゆる資質と力を

 兼ね備えている絶対的強者としてこの国に

 君臨する暴君、サテラ・オズ・ヴァネッサ三世。

 歴代の王の中で最も才貌両全で知勇兼備と

 名高い。正しくその通りだ。)


 「ヴァルカス。貴様もわらわに何か言いたげな

 顔をしておるのう?何じゃ言うてみい。」


 「いえ…。いや、陛下はノエル・クラウドとは

 どの様なご関係で…?」


 「わらわとノエルの関係…か。知りたいか?」


 「差し支えなければ…────ゴクリ。」


 「それはのう…秘密じゃ!」


 「んなっ?!」


 「はっはっはっは。何れ知るじゃろうて。

 そう急くな!」


 ───サテラの笑い声が城内に響き渡った───



 ───────その頃───────



 【ガラン】の端、明らかに他とは雰囲気の違う

 一角に豪華な屋敷が建っている。


 「2日ぶりに自宅のベッドにダ〜イブ!!」


 「ルノもダ〜イブ〜!!!」


 「やっと帰って来たと思ったら…先ずは

 その汚れた服を洗濯に回してお風呂に

 入って来て下さいよ!」


 「ぐが〜。ぐが〜。」


 「寝るの早!」


 「それがノエルの特技ですから〜むにゃむにゃ。」


 「どんな寝言ですか…」


 ───────チャリンチャリン───────


 「あらどなたでしょうか?」


 「は〜い、どちら様ですか〜?」


 「突然の訪問は失礼かと存じましたが

 女王陛下の命故、参上致しました!」


 「貴方達は…その紋章【女王直属守護騎士団(ロイヤル・ナイツ)

 4番隊の方々ですか。」


 「はっ。そして私は4番隊副隊長の

 クロスウェルと申します。」


 「【魔槍】の二つ名を持つクロスウェル殿が

 私共の屋敷にどの様な御用件で?」


 「貴女の様な方に私如きを知って下さって

 おられるとは恐縮です。では早速ですが

 この度、女王陛下からノエル・クラウド殿を

 お連れしろとの命を受けた次第で御座います。」


 「あの方からの命なら

 素直に聞き入れる事も吝かではありませんが

 よもや、そのままノエル様に何かしようなど

 とはお考えでは…ありませんよね?」


 彼女は笑みを浮かべていたが

 目は笑っていなかった。


 「も、勿論です。ただ連れてくる様にとしか

 命を受けておりませんので…」


 クロスウェルは頭を下げた。

 手には物凄い量の汗をかいていた。


 「分かりました。ノエル様は2日ぶりに

 帰って来たばかりで今はお休みになられて

 いますので少しお時間頂けますか?」


 「2日ぶり…ですか?ノエル殿は

 何処かへ行かれていたのですか?

 先の戦いにご助力を頂いたと報告を

 受けてましたが…」


 「助力と言っても、恐らくノエル様1人の

 お力でしょうに。」


 「っ!」


 「何処かへと言う質問ですが

 貴方方は知ってらっしゃるのでは?

 【女王直属守護騎士団(ロイヤル・ナイツ)】の4分の1の

 数が向かったと聞いてますが…?」


 「4分の1…魔王の1人が潜伏してると噂される

 城へ襲撃しそこに潜む全てを殲滅する…

 と言う作戦ですか。しかしまだ隊は

 帰って来ておりませんが?」


 「なら、そう言う事なんでしょう。」


 クスッと笑いノエルを起こしに(きびす)を返した。



 ───────グラム峡谷───────



 そこには魔王の1人【獣王ランパード】が

 潜伏してるとされ、人は誰も近付こうとはしない

 魔獣多発地帯とされる場所でもある。

 そして多くの【女王直属守護騎士団(ロイヤル・ナイツ)】が

 派遣されていた。


 「おいおい、何だあこりゃあああ!」


 「ラゴウ隊長!奥の方に魔王の1人

 【獣王ランパード】と魔人【ガゼル】と

 思われる個体と魔獣の死骸の山が…」


 「おいおい、マジかよこりゃあ。

 一体ここで何があったってんだ…」


 「隊長、もしかすると───────」


 「何ぃ!?彼奴(あやつ)もこの作戦に参加

 しておったのか!くぅ〜してやられたり!」



 ─────────────────────


 「ノエル様、ノエル様!ノエル様!」


 「ん〜?何だ〜シエラ〜。一緒に寝たいのかあ?」


 「それも中々素敵なご提案ですがまたの機会に。

 今、あの方からの使いが来ております。」


 「ん〜もう少し寝かせてくれ〜、まだ

 動きたくないんだ〜。」


 「まあまあ。なら仕方ありませんね〜。

 ノエル様ならじきに自力で目覚めるかも

 しれませんが…仕方ありませんね〜。」


 ───────ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ───────


 「何だこの魔力は?!屋敷の中から…?」



 「分かったシエラ!分かったから

 そのおっかないの、しまってもらっていいか?」


 「分かってもらえたなら何よりです!」


 シエラを纏っていた濃い魔力と冷気が

 静かに消えていった。


 「天使みたいな笑顔で魔王よりおっかない

 女だなあ、全く。」


 「天使みたいだなんて、まあまあ。」


 「褒めてねえよバーカ!起きろ〜ルノ。

 お出掛けの時間だ!」


 「え〜。もう〜?眠いよ〜。」


 「お前はいっつも俺のポケットで寝てんだろ!

 ホレ、行くぞ。」


 ─────────────────────



 ─────【ミーティア城】謁見の間─────



 「失礼します女王陛下!」


 「うむ、クロスウェルか。」


 「はっ。ノエル・クラウドをお連れしました。」


 「ご苦労だったな。奴を引きずり出すのに

 さぞかし苦労しただろうに。」


 「いえ…。」


 「よう、サテラ。久しぶり…でも無いか。」


 「っ!ノエル殿!いかに貴殿でも女王陛下に

 不敬が過ぎますぞ!」


 クロスウェルの槍がノエルの喉元を捉える。

 

 「おい、今なら未だ許してやる。

 そのお粗末な物を下げろクロスウェルの小僧が。」


 ノエルの目力から、言葉から殺気を気取り

 クロスウェルは言われるがまま槍を

 下げる事になった。


 「長生きしたけりゃ賢く生きろよ小僧。」


 (こ、これがノエル・クラウド。

 こんな奴が勇者であって良い筈が無い!

 それにこの禍々しい魔力は…魔王そのもの

 じゃないか!女王陛下は何をお考えで…)


 「ヴァルカスのジジイも久しぶりだな?

 また老けたか?まぁこんな女の下についてりゃ

 苦労も絶えんわなあ!」


 「良くもまぁ、わらわの前で…。まぁ募る話も

 あるじゃろうがヴァルカスとクロスウェルは

 下がっておれ。」


 「し、しかし!」


 「下がれ、と言っておる。」


 「はっ。」


 ─────────────────────



 「んで、何の用だ?女・王・陛・下!」


 「辞めい、今更気持ちの悪い。で、だ!

 どうだった?」


 「【グラム峡谷】か。酷い有り様だったぜ。」


 「では、やはり…」


 「あぁ。」


 ───残ってたのはおびただしい数の骨だけだ──

第二話も最後まで読んで頂きありがとうございます!

まだまだ続きますので、宜しくお願い致します!

もし楽しんでもらえたならコメント、感想、評価やブクマしてもらえるととても大変嬉しいです!

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※設定やタイトル、サブタイトル、その他細かな部分などちょこちょこ変えたりしますがご了承下さい。


次回、3話 目には目を、破綻者には破綻者を。

お楽しみください!

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