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王都での陰謀 17


「ほう、なかなかの美少女ではないか。そうじゃ、われの女にならぬか? そうしたらわしからこの亭主に借金に事をチャラにしてもらってもよいぞ?」


「何を、言っているんですか!!」

「何を、言っておるのじゃ!!」


アマネと、バスクがほぼ同時に、われわれ言う女に突っ込んでいた。


「マコト様を汚すようなマネは許しませんよ! その首たたき切って差し上げます!」


物凄い、殺気をアマネが出し始めている。これちょっと尋常じゃないよ? 


「お前! 何様じゃ! そんな権限お前にあるものか!」


バスクも相当に頭にきているようだぞ? まぁ仕方ないか。勝手に借金をチャラだなんて、同意できるはずもないよね。


「そこな女。おまえ如きの人間がその少女の元におる方がよっぽど不釣り合いじゃよ。感じぬか? その少女そこらの凡人とは違うオーラをみなぎらせているではないか。これを受け止められるのは我しかおらんよ?」

「な! なんですって!!」

「それに、バスクよ。我に逆らえるのか? なんだったら赤竜帝教団に、われが強く言ってもいいのだぞ? 向こうは我の言う事なら何でも聞いてくるような気がするがの?」

「・・・・!! くっ!」


なんだ? このお姉さん赤竜帝教団のお偉いさんなのか?


「マコト様、少し後ろに避難していてください」


殺気の塊になったアマネが、僕の前に立つと刀の柄に手を置き抜刀の構えを取り出した。

うっ! こうして横に居るだけで凄まじい圧力を放出しているのが分かる。

って、こんな力ここで出したらこの家持たないぞ!


「ほう、なかなかいい気合じゃないの? 前言撤回してあげるわ。あなた、そこそこの人間だわ。でも私にはかなわない。あなたをここで潰してその美少女をもらうわよ?」

「まいります・・・」

「こい、女!」


二人の張りつめた気が空気を震えださせ始めたぞ! これはまずい!!


「二人とも! だめ~!!」


僕の声と同時に二人が動いた。

アマネは瞬速の抜刀を、お姉さんは着物がはだける事を考えずに刀を足蹴りで迎えうつ!

まるでそれがスローモーションのように見えた。

僕は、そのゆっくりとした二人の動きに合わせるかのように二人の間に自分でも無意識に割り込んでいた。


「「え? !!!!」」


二人は勢いがついていてもう動作を止める事が出来ない状態だった。そんな中に僕は飛び出していたから、二人は面を食らったみたいに目を丸くしていた。


ガン!!! ドゥッカァアアアアアンン!!!


「バカな!?」

「マコトさまぁああああ!!」


二人の叫び声が聞こえた。さすがに僕もこれは無茶かと思ったよ。

激突した影響か、空気の中の水分が、二人の激突の熱量で蒸発したのか辺りを霧の様に白い靄が覆いつくして、僕の姿を見にくくしていたようだ。

靄が直ぐに薄くなり、お姉さんの蹴りを頭にぶち当たり、アマネの刀を僕の右手が握っている状態な僕がいた。


「もう、二人とも危ないでしょ? こんな狭いところで君達が喧嘩したら大惨事だよ」


何事も無かったように僕は二人を、メッ! と怒ってあげた。


「ば、馬鹿な・・われの蹴りをくらってまともにいる人間なぞ・・・」

「マコト様! なんて無茶を!!」

「ごめんね、アマネ。このお姉さん、尋常じゃない強さを感じてね。アマネでも相打ちか悪ければ怪我するかもしれないって思ったら、咄嗟に飛び出ていたよ」


僕は極力優しい顔でアマネに語りかけるけど、アマネはボロボロ涙をこぼして泣き始めていた。


「マコト様! マコトさまぁあああ! ごめんなさいいい!!」


泣き崩れるアマネの頭を僕は優しく抱きしめてあげる。

それで、お姉さんの方は?


「・・・こ、これって・・そう、だ! あの時、あの時と同じ感覚! 赤竜が脳天ブチかまされて死にかけた時の感覚! まさか、まさか! あの時の少女・・・」

「あ~、お姉さん? 何ぶつぶつ言っているのかな?」

「見つけた・・・見つけましたわ!!!」


突然大声を出したお姉さんは、着物が乱れ所々見えてしまっているのも気にせず、僕の前に直立で立ち塞がった。


「あの~?」

「も」

「も?」

「もうしわけありませんでしたぁああああああ!!!」


と叫びながら、僕の足元に物凄い勢いで膝を床に付け頭を下げた!


ドガァンン!!


勢いが物凄く、その頭が石の床を貫き、地面に全部埋め込む程の土下座を見せた。


読んでいただきありがとうございます。

是非またおこし下さい。

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