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王都での陰謀 6

投稿いたします。

「マコト様、王家の館となっておりましたが、館と言うよりは、コルコネ村の茅葺きの住まいに近いものがありますね」


アマネが僕の傍に座り、耳打ちしてきた。

確かに畳が無いだけで、板の間に座布団を敷いて座っている感じや、全体を木の柱や梁で組まれた屋敷は、アマネの言う通りだ。


「でも、僕は好きだよ? 何だか落ち着くんだよね」

「マコト様もですか? 私も住み慣れていたせいか、この雰囲気はとても好きですね」

「そうですか? 私はやっぱり王宮の様な豪華な作りが素敵だとはおもいますけど?」


アマネとラーナさんで少し意見が違うようだ。


「でも、マコト様が良いなら私も問題ありませんよ? こういう小ぢんまりとした家もマコト様と暮らせば天国に変わりますから」


何気に、ラーナさん、僕に近寄って来ていません?


今、僕達はフィルの住んでいる、王家の館と言う名の木造の小ぢんまりとした、家の中に通され、2方の壁が完全に開放されて良く手入れされた美しい庭が見えるこの大広間と、パルティナさんが呼んでいた場所に、座っていた。

板の間になっていて、良く拭かれているのか、黒光りする綺麗な床の上に、何か食物の乾燥した茎の様なもので編まれた、座布団を敷いてその上に直接、胡坐をかいて座っていたんだけど・・・


「マコト様、その座り方は可愛いいのですが、前から見ると、その、パンツが丸見えになりますので・・・」


と、顔を赤くしてアマネが教えてくれた、その瞬間!


ドタ! ドタ! タタ!!


ラーナさんと、フィルと、パルティナさんまでが、僕の前に転ぶ様に勢いよく現れた。

僕は、咄嗟に両手でスカートを掴んで前を隠す!


「き、君達・・何を、しているのかな?」

「え? その気になさらずに、そのままで宜しいですよ?」

「私は、お父様がこちらに座られるので、その前に座布団を温めておこうかと思いまして、ホホホホ!」

「私は、姫様の従者として何時いかなる時も、お側を離れる訳にはいきませんので!」


ラーナさん、頭の位置が低いよ! 座り方が不自然だって! 

フィル、王様が座るだろう座布団を蹴ってしまってあっちに転がっていますよ?

パルティナさん、そっちはラーナさんですよ。王女様は反対側ですって。

3人に心の中で突っ込んでいたら、冷たい風が横から吹いて来た気がしたんだ。


ゾクッ!!


な? なんだ?! 今僕の横に物凄い殺気が・・・

僕は、その殺気の正体を見るべく、ゆっくりと首を横へと曲げてみると、そこには触れるだけで斬られてしまいそうな殺気をビンビンと発しながら、アマネが一歩前へ踏み出そうとしていた。


「「「ヒッ!!」」」 

「じょ、冗談よ! アマネ落ち着きなさい!」

「そ、そですわ! 私はこの座布団を・・・あれ? 座布団は?」

「・・・・・・」


あ、パルティナさん、口から泡吹いて倒れてらっしゃる。


「今すぐ、その首、落として差し上げましょう・・・」

「「ヒィィィィィィィ!!!」」

「「ゴメンナサイ!!!」」


気絶したパルティナさん以外の二人が、仲良く並んで頭を床に何度も何度も打ち付け謝ってきた。


「はぁ~、冗談ですよ。今度から気を付けて下さい」

「「はい!!」」


そう言ってアマネが、いつの間にか持っていた刀を鞘に戻した。

って、いつの間にか抜いていたの? 本当に冗談だったんだろうか?


ガラガラ!!


僕達が、皆で戯れていると、突然、右前方の戸が勢い良く、開かれた。

木製のしかもそれほど厚くも無い板で作られていたせいか、開く勢いが半端なかった。


「いやあ! 遅れてすまん!」


陽気なおじさん。それが第一印象の、僕が今まで見てきた大人の男性にしては背が低いが、ガッチリとした筋肉質の日に焼けた肌が印象的な、それこそ労働者といった感じの人だった。

首にタオルを巻いているし、服装もさっきまで農作業をしていましたと言わんばかりの質素な感じだ。

そのおじさんがどかどかと歩いて僕のをちらりと伺うと、ニコニコしていた顔が急に真面目な雰囲気に変わったまま、そのまま横を通り過ぎていった。


「え?」


そのおじさん、そのままドカドカと歩くと、広間を抜けそのまま、庭の方へと出て行かれてしまった。

呆気に取られていた僕は、そのまま見ているだけとなり、その間に庭へ降りたおじさんは、僕の方に向き直るといきなり両膝を付き、両手も地面に置き頭を下げた。


「お初にお目にかかりまする! 我が名は、サルダナリウス・ブルーフェルドと申します。女神マコト様」


突然の口上に、一瞬たじろいでしまった僕は、慌てておじさんの方に姿勢を正しちょこんと正座し直した。

あ! ここ上座じゃないか!

僕は慌てて、立ち上がろうとしたけど、おじさんが大きく手を突き出して、そのまま!と制して来られた。


「いけません! マコト様はまだ幼生体とはいえ、神様であることは間違いないのですから、貴女様と私どもが同じ立ち位置では示しが付きません!」

「え? でも僕が神だと何故分かるのです? 嘘言っているかも知れないのですよ?」

「そのような事、私共、ブルーフェルド王家は元々エルデリード神を奉る神教の神官でもあったのです。マコト様が神である事など、この肌で感じ取れます! ただ、我が馬鹿娘は、その辺が疎いようで、いけしゃあしゃあとマコト様の隣を汚しておるようですが・・」


クワッ! と王の鋭い視線がフィルを直撃した。


「ヒ!! す、すみません!!」


フィルは素っ頓狂な声を上げると、慌てて立ち、庭の方へと駆け出そうとした。


「待って!」


僕は、咄嗟にフィルのスカートを掴んでしまった。


バタン!!


勢い良く立とうとしたフィルを咄嗟に捕まえたので、フィルが体制を崩して思いっきり顔から床へとぶち当たるように転んでしまった。


「・・・う~、いたあいです~」


鼻の頭を真っ赤にして、涙目のフィルが僕を見つめてきた。

あ、結構可愛いかも? 


「いや! それより鼻血! 鼻血! ごめんよ、フィル!」


僕は倒れているフィルに駆け寄り、頭を優しく抱えるとそのまま膝の上に乗せてあげた。


「ちょ、ちょっと待ってね。今、鼻血を拭いてから治癒してあげるからね」

「なんですって! 血を拭いたら、チュウしてもらえるですって!!」

「ち、違うって! 治癒、ち、ゆ、だよ!」


あ、こら! フィル! そんな期待した顔で目を閉じないの! 


「姫様だけずるい!」

「マ、マコト様の唇は、私が守ります!!」

「お母さま、アマネ以外にあんまりしない方が良いよ? レリーアとカルナだっているんだから」

「誰ですか! それは! アマネ以外にもいい人がいるんですか?!」

「パルティナさんも乗っからない! アマネ別にキスするなんて言ってないから! ルリもそこでレリーアとカルナの名を出さない! ラーナさん変な言い方しない!!」


「お静まり下さい!!!」

「「「?!!・・・・・・・」」」


収拾がつかない状態に陥りそうになった時、突然の大声で皆が動きを止め、その声の主に視線が集まった。


是非、読んでやってください。

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