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新たな旅立ち 11

是非読んでみて下さい!

「やっぱり、噂は本当だったんですね?」


ラーナさんが、可哀想な目で王女様を見つめながら話し出した。


「ブルーフェルド王国の王族は、借金まみれだとお聞きしましたが、まさかそこまで酷いとは・・」


あ、王女様の目にさらに涙がいっぱい湧き出てきている。


「そうですわよ! 我がブルーフェルド王家は、エルデリード神を祀りその恩恵を人々に教え導いてきた神教王国なのです。それがこの数百年、神が不在でその恩恵が全くなくなり、それに伴って信者も大幅に減り、神教王国として政を維持することが困難になってしまったのですわ! そのために切り詰めながらそれでも足らないところを商人から金を借り、運営をしてきたのよ! そんな状態でこの馬車を破壊されたらどれだけの賠償金が発生するか・・・それによっては私が借金のかたとして奴隷商に売られるかもしれません・・・」


こんなところにも神がいないことの弊害が出てるのか。

それにしても王女が借金のかたって・・・


「でも、それじゃあ、どうしてそんにまでしてこんな高級な馬車を借りたんですか?」

「だ、だって、数百年ぶりの女神様をお迎えしに来るのに貧相な馬車で迎えに行きましたら、激怒され、またお隠れになられるかもしれないと、ふ、不安で・・・」


やっぱり僕の事知っていたんだ。


「そうですか。でもそんな事されなくても僕、怒りませんよ?」

「ほ、本当ですか?!」


少し不安気ではあるけど、僕が怒らないと言ってあげたせいか、顔を少し綻ばせ、僕の方をジッと見つめてこられた。


「前の神様がどうだったかは知りませんが、何で馬車の良し悪し一つくらいで、いちいち激怒しなきゃいけないんですか」


なるべく僕は王女様を優しく見つめながら、ゆっくりと話しかけてあげた。


「な、なんて慈悲深い、心の広い女神様なのでしょうか・・・伝承で聞く以前降臨された神様とは、まるっきり違う・・・」


あ、王女様の目が恋する乙女チックになってる! まずい! アマネが・・・・

あああ! やっぱり頬を膨らまして僕を睨んでおられました!

僕は何もしていないからね!


「ちょ、ちょっと待って下さい・・・今、マコトさん、の、こと、女神様って言いませんでした?!」


ラーナさんの驚いた声が馬車の中に響いた。


「ちょっとラーナ! そんな大きな声だしたらびっくりするじゃない!」

「な! びっくりって、それはこっちのセリフよ! どういう事よ!! アマネ!!」

「どうもこうも、マコト様はこの世に降臨された新しい女神様(幼生体)つまり幼女神様なの!」

「ちょ、ちょっとアマネ! その言い回しだと変な神様にならない?!」

「そうですか? 私は好きですけど?」


「でも幼女神おさなめがみはやめよう? 読み方がかわると変なこと、想像する人出そうだから、ね?」

「そうですか?」

「そうです!」

「お母さま! 遊んでる場合じゃないよ! かなり接近されてしまったよ!」


僕達が遊んで? いる好きに相手はかなりのところまで、近づいているようだ。


「王女様! とにかく僕に任せて下さい! ラーナ先輩も協力お願いします!」

「・・・・・・・」

「王女様? ラーナ先輩?」

「うわ!」


この狭い馬車のさらに狭い僕の足元に、3人が頭を床につけ土下座していた。


「ちょ、ちょっと皆さん! 今はそれどころでは!」

「マコト様! どうせ奴隷になるくらいなら、今ここでマコト様にこの純潔を捧げます!」

「ひ、姫様が純潔を捧げるのでしたら、この私も!」


王女様とパルティナさんの目が怖い!


「なんとお詫び申し上げればよいのか! 知らない事とはいえ、尊大な態度をとってしまってさぞかしお怒りでありましょう! これは万死に値します! どうか天罰を私に!」

「ラーナ先輩! 別にそんな事思ってませんから! 頭を上げて下さい!」

「せ、先輩なんて呼ばないでください! 畏れ多いです!」 


ラーナさん、頭をあげようともしないで謝り続けてるよ。

これじゃぁどうしようもない! こうなったら仕方ない! これだけは使いたくなかったけど・・・


「汝ら! わたくしの名は、マコト・エルデリード神! このエルデリード世界を守護する神の幼生体である! 今、私に災いを降り掛けようと迫ってきている悪の存在があります。これを全力を持って対処し、その危機を私から取り除いてください! ただし情報が欲しいですので、殺さず生け捕りでお願いいたしますね。無事乗り切れたら私が皆さんにお祝いをしてあげますね」


「は!! この身の全てをマコト様の為に!」

「「「マコト様の為に!!」」」

「ドガ! バン!! ガシャン!!!!」


あららら、これほど効果があるとは・・・でも恥ずかしかった!!!


「お母さま、ちょっと。」

「どうしたの?」

「本当にお祝いしてあげるんですか?」

「え? うん。みんなで賑やかにパーティーでもしようかなって」

「・・・・・」

「どうかしたの?」

「あの勢い、たぶん皆さん、お祝いを貰えると思ってますよ? お母さまが祝ってくださると」

「だから、祝って・・・・て、まさか」

「今晩は覚悟しておいてくださいね。それと皆さん、勢い余って馬車壊されていきましたけど、大丈夫なんですか?」

「あ・・・・ぼ、僕がなんとか創造の力で直しておくよ・・・それよりも・・・」


今晩の事を考えると・・・・顔から火が出そうです。


ありがとうございます!

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