新たな旅立ち 5
新たな魔獣の出現!
是非読んで下さい。
「すみません! すみません!」
おじさんが気付いてくれたおかげで、パルティナさんは無事に治療し完治いたしました。とはいえ、一時は首の骨を折っている重症だったので、ラーナさんが平謝りに謝っているところです。
「いえ、こちらも咄嗟の事とはいえ、マコトさんの口を押さえるなどという、襲っているように見えてもおかしくない状況にしてしまったのは問題でありました」
「そ、そうですとも! 冒険者組合としても未来のエースに何かあったら大変ですからね! 致し方ない事故と思って下さい!」
「それはもちろん! 後ほど正式にお詫びを入れさせていただきたい」
そう言ってパルティナさんの方が今度は頭を下げてこられ、ラーナさんの方が踏ん反りかえっているぞ。
「こら! ラーナさん! それは違うでしょ?」
僕の言葉にシュンとなって、頭を下げるラーナさん。
「はい、その、パルティナ様、お怪我をさせてしまい申し訳ありませんでした」
「いや! こちらの方が・・」
ラーナさんの謝罪を止めようとするパルティナさんに、僕が手を出して止めさせた。
「今回の件はラーナさんの方が悪いですから、謝罪はいりませんよ? それとアマネも行き過ぎた対応は駄目だからね?」
「は、はい・・」
アマネもラーナさんもしょんぼりしてしまった。
でも今回の件はこちらが悪いんだから仕方がないよ?
「お母さま!」
突然、ルリが僕の肩の上に立ち停留場からほどなく離れた林の先を指さして叫んだ。
「どうしたの? ルリ」
「あっちの方、林の向こうから魔物か魔獣らしきものが数体こっちに向かって来ているよ!」
「そ、それは本当ですか!?」
「ルリの感知は外れません! あっちの方ってまさかあの馬車を隠している方じゃ?!」
「はい! そうです! 私は直ぐに戻ります!」
「僕達も行こう!!」
「「「はい!」」」
僕達は、急いで林の方へと移動する。その慌てぶりに何か異変を感じたのか、商隊の人達や雇われ護衛の冒険者達が僕達の方へ視線を投げつけてきた。
「あんたら! 何かあったのか?!」
「魔獣がこっちに向かっています! 僕達は迎撃に出ますので、あなた達はこの停留所で守りを固めておいてください!」
「おい! あんたらみたいな女子供がしゃしゃり出るんじゃねえ! ここは俺らが!」
見てくれは、野蛮そうなおじさんだけど、僕達の事を心配してくれている。うん良いおじさんだね。そういう人こそちゃんと生き延びなきゃ。だから僕達が前に出る。
「初動はこちらが早いです! 万が一突破された時にはお願いします!」
「お、おい!!」
その言葉を投げつけて僕達は林の中へと入っていった。
「あ! あのお! マコトさん! その馬車の場所分かるんですか?!」
「え? 分かりますよ? この方角で合っていますよね?」
「は、はい。そうですが・・」
パルティナさん、何の迷いもなく林の中へと入っていった僕たちに当然といえる疑問を投げかけてきた。本当ならパルティナさんに先導してもらって行くのが一番問題無いのだろうけど、あまり悠長な状態じゃないみたいなんだよね。
「お母さま! 魔獣が馬車に取り付こうとしている! それを阻止しようと2、3人応戦しているけど、動きが悪いよ?!」
「とにかく急ごう!! アマネ先行して! ラーナさんとパルティナさんは後から追ってきて下さい!」
「え? ちょ、ちょっと!」
「マコトさん!?」
アマネがさらに加速して林の中を突き進む。その後を僕とルリが続く。
急な加速に、ラーナさんはともかくパルティナさんは完全について行けなくなっていた。でもラーナさんって案外頑張っている。少しずつ遅れてはいるけど完全に離されないで着いて来ていた。
「ラーナは、ああ見えて本当に才能は凄いですし、職業も生粋のハンター職ですから」
走りながらアマネがぼそりと呟いていた。
なんだかんだ言ってラーナさんを認めているんだね。
「だから余計に腹が立つんです! そんな才能があるのに、飽きた、の一言で冒険者を引退するんですから! 才能の無い者を馬鹿にし過ぎです!」
なるほどね。それでラーナさんに対して、あんなに突っかかるんだ。
でも今のラーナさん見ていたらそんな感じはしないし、変わったんじゃないかな?
とにかく、二人の事は後にして今はこの先の馬車の所に早くいかなきゃ。
「ルリ! 馬車までの進路の確保お願い!」
「分かった! お母さま!」
僕のお願いに即座に応えて、呪文の様な言葉を紡ぐルリ。すると、今まで進路を邪魔していた木々が勝手によけ始めた。
実際は木々が避けている訳じゃないらしくて、ルリの幻覚操作で僕達の頭に直接最短経路を送り込んで、それを僕達が認識して進んでいるらしいんだよね。でも僕の目には木々が避けているように見える。ルリって真面目に凄いと思う。もしかしたら僕より万能なんじゃない?
「そんな事ないですよ? この力もマコト母さまの力をお借りしているだけですから、成体神になられたらお母さまも出来るようになりますよ?」
そうなんだ?
「マコト様! 見えました!」
先行するアマネから、声が飛んで来た。
「私はこのまま、魔獣を相手にします! マコト様とルリは馬車とそこに倒れている人の保護をお願いします!」
「アマネ! あまり無茶しないでね!」
「はい!」
元気の良い言葉を残し、アマネがさらに前へと突っ込んでいく。
「お母さま! あれは、ニーブアームです! しかも2体もいます!!」
「それって?」
ラーナさんが、汗だくの状態になりながらも僕達の後をすぐに追いついてきた。でもその表情は、疲れではなく、恐怖の色で青ざめていた。
「しかも2体・・マコトさん! ここは逃げましょう!」
「え? でも馬車の中には! それに馬車のすぐそばに人が倒れているし!」
「あの人たちはもう間に合いません! このニーブアームの毒にかかったなら、1刻もしないうちに死んでしまいます! いくらアマネやマコトさんが強いといっても毒持ち相手には人手が少なすぎます! ここは犠牲を最小限にする事を優先します!」
ラーナさんが必死に後退することを進言してくる。
経験のあるラーナさんがそう言うのだから、この魔獣は厄介なんだろう。だけど・・・
「僕は、助ける。過信はしないけど、出来るだけの事はしてからだよ! 逃げるのは最後の手段!」
「でも!」
僕はそれ以上何も言わずに、2匹? でいいのかな。目の無い蛇の親玉みたいな体系にヌルヌルした感触の魔獣を睨みつけた。
またお越し下さい。




