一仕事終えた後は? 5
投稿いたしました。読んでみてやって下さい。
第1章の区切りです。
あの後、カルナの魔杖も精錬し直し、物凄く喜ばれた。
そして、服もあらかじめ僕が生地を露店で買って来て、それを元に創造したものを二人に渡してあげたら震えるほど喜ばれた。形は僕達のを、参考に色を青の基調にしたのがレリーアで、カルナは緑基調の服に仕立ててみた。
で、替えも必要と思って何着か少しずつ恰好を変えた物も渡して、それを収納するリュックバックごと渡してあげた。もちろん廉価版機能だけど次元収納も付いている極上品だ。
そこまでくると、瞳から涙をいっぱい流しながら二人が歓喜していたので、ここまで、喜んでくれると作ったかいがあったと言うものだね。
「本当にありがとうございます。耐久性能も防御力性能も凄そうですし、下手に装備品を増やす必要がないですね」
「でしょ? そうすると金銭的にかなり余裕が生まれるよね? レリーア」
「そうですね。でもここまでくるとお金って必要ですか?」
ん? あれ? そう言えば活動資金とか思って依頼を受けたけど、殆ど自家製で賄えるからお金、必要ない?
「い、いや、ほら、こうやって宿屋に止まらないといけないし、食事だってしないとね?」
「・・・・・マコト様なら何でも作れる気がしましたので・・・そうですね宿代と食費くらいは必要ですね。旅費はたぶん徒歩の方が早いでしょうけど」
「そ、そうだね・・・」
レリーアってこの中では一番の年長さんだけあって一番しっかりしているかも。アマネを姉様と呼ぶけど、アマネは僕のことになると見境ないからね。
「マコト様、今呼びました?」
「う、うんうん、呼んでないよ。アマネ」
さすが、アマネは鋭い! 僕がアマネの事を思っただけで反応したぞ?
「マコト様、アマネ姉様、少しお話があるのですが宜しいでしょうか?」
突然、レリーアが真剣な表情で僕に問いかけてきた。なんだろう?
「その、急な話でありますので、駄目でしたらそれでも良いのですが・・・」
「ん? 良いよ。ちゃんと言ってごらん。話はそれからだよ」
「は、はい。その、ですね、カルナとも話し合ったんですが、お暇を頂くことをお許し願えないかと思いまして」
え? お暇? え? 僕の所から出ていくの? え? 僕何かレリーアやカルナに何かした? あれ? 視線がぼやけてきた。
「え、え?! マ、マコト様! どうされました?!」
「レリーア! 何故マコト様を泣かせた!!」
「ええ?! そ、そんなつもりは! も、申し訳ありません!」
涙が止まらない。レリーアとカルナが僕の所から去っていくなんて・・・考えもしなかった。でもそうだよね。無理やり天人族にさせられて、僕みたいな、ひよっこ女神について来て、ろくでもない事に巻き込まれるのは嫌だよね。
「グス、ウ~、ア、アマネ。怒っちゃだめだよ。レリーアとカルナだって色々考える事があるんだよ。でも、レリーアから別れの言葉を聞いて初めて分かったよ。こんなに君たちの事が好きになっていたんだって。レリーア、カルナと別れるのがこんなに辛いだなんて・・・」
「マコト様! 大丈夫です! このアマネは生涯お供させていただきますからご安心を!」
「うん、アマネ・・ありがとう・・」
「違います!!!!」
突然、大声を出して怒ってきたレリーアに、僕とアマネはびっくりして目を見開いてしまった。
「な・ん・で! 私がマコト様を見限るような話になるんですか!?」
「え? でも、お暇って・・・」
「レリーアちゃん、言い方がぁ駄目だよぅ。ちゃんとぉ、少しの間休暇を頂きたいのですが、とか言わないとぉ、ね」
「そ、そうなの?」
「え? レリーアとカルナは僕の所から居なくなるわけじゃないの?」
僕はたぶん半泣き状態で、レリーア達に問いかけたと思う。
「うっ!!」
バッ!!
あれ? レリーア、鼻を両手で押さえて屈みこんでしまった? あれ? アマネまで?
「マコト様ぁ、その仕草は反則ですよぉ。私でさえ、気絶するかと思いましたからぁ」
「そう、そう。お母さまの一挙手一投足には注意していただかないと、この子達の精神状態に支障をきたしますよ?」
あ、レリーア、鼻血が出ている。アマネにいたってはまた気絶しているよ?
カルナとルリ曰く、僕の仕草には絶対の注意が必要らしい。でも時に何もしていなのに、鼻血や気絶されても、どうしたらいのか分からないんだけど?
「カルナさん」
「はいぃ、ルリ様ぁ」
「これから、私達がお母さまの仕草に注意いたしましょう。でないと、アマネ姉さまと、レリーアさんがもちませんし、鈍感なお母さまでは注意するのは無理です」
「はいですぅ」
何か二人で酷い事言われてるきがする。
でも、まあ良いか。レリーア達が去るわけじゃみたいで。
それから少し時間をおいて、落ち着いた二人を含めてもう一度確認しあった。
「つまり、レリーアとカルナは、自分達が無事でいる事を、実家のご両親達に報告したいので、少しの間、僕達と離れるという事だね?」
「はい、その通りです」
「なんだ! 良かったよう。レリーアとカルナが僕の事愛想つかしたかと思ったからつい・・」
「そんな事あるわけないじゃないですか! マコト様が嫌と言われても私達はマコト様をお守りすべくお傍におります!」
拳を握りしめ、力説するレリーアに僕は安堵していた。
でも、確かにそうだよね。ロエバルバに強制的に犯罪者にされて、奴隷奉仕を続けていたんだ。両親からすれば、生きているのか死んでいるのか気が気じゃなかっただろうに。
「ごめんね、ご両親のこと気付かなくて。その辺のことは僕がもっと気にしなきゃいけなかったのに、新しく仲間が出来て、ちょっと浮かれていたかもね」
「そんな、マコト様は何も悪くありませんよ。一度死んだも同然の私達を救って下さったんですもの。これ以上望んだら罰が当たりますよ」
「それは、違うよ?」
「え?」
「僕は、レリーア達を束縛したり、強制したりするつもりはないよ。いつでも自由に考えて行動してほしいんだ。だから望む事も自由だよ? まぁ出来れば一緒に居てくれると僕は嬉しいけどね。だってもう君達は僕にとって大切な家族みたいなものだからね」
「「はい! ありがとうございます!!」」
レリーアとカルナは、僕に笑顔をくれた。
うん、やっぱりこの子達は良い子だね。当然アマネもルリもだよ。僕はこの子達とならこれからも、神様として成神になれるよう頑張っていけそうだ。
「マコト様はやはり素晴らしい女神様です!」
「そうです! レリーアの言う通りです! マコト様は最高です!」
あれ? アマネとレリーアが、僕に詰め寄ってきたぞ?
そういえば、今、僕ベッドの上に乗っかって話していたから、なんだかこのまま押し倒されそうな勢いなんだけど?
「ちょ、ちょっと、レリーア! 目が物凄く真剣だよ! それになんでアマネまで迫ってくるの?!」
「それは、マコト様が素晴らしいからです!」
「理由になってないよ!」
「大丈夫です!」
「な、何が大丈夫なのかな?」
「少しの間、離れなければいけない私をしっかりと覚えていて欲しいのです」
「え、いや忘れる訳がないから」
「でも、物覚えの悪い私はこの身体で覚えておきたいのです」
「意義無しです!」
「アマネは黙っていようね」
「だから、今宵、もう一度お願いできませんか?」
「あぁ~、レリーアちゃんだけずるいぃ、私も良いですかぁ?」
カルナまでベッドの上に上がってきた!
三人に左右前から迫られ、背中は壁しかないこの状況、昨晩に続いてまたですか?! 決して嫌じゃないけど、でも続けては・・・
「ルリ~・・」
「お母さま、これも女神の勤めですよ?」
「でも、でも、女の子同士だよ?」
「そんな壁、神の前ではなんの障害もありません! だから頑張ってください!」
「ルリ様のお墨付きもでましたので、早速」
「良いわよ。今日はレリーアとカルナがリードしてあげて。私はフォローにまわりますから」
「「はい! アマネお姉様!」
えええええ、皆で勝手に盛り上がって・・あ! あぁあぁぁぁ・・・
翌日、プエルちゃんにまた怒られ、女将さんも怒られたのだけど、
「まったく、あなた達のせいで、私のところも激しくて朝が辛いわよ」
と、文句を言われたけど、何故か顔は笑顔でツヤツヤされていました。謝るべきかなのだろうか?
読んでいただき有り難うございました!
次回からは新章として展開する予定です。