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切るところがなかったので少しだけ長めです。

途中からバルト視点です。

「ほんほん。あんた達は金の稼ぎ方も分からないひよっこだったと。いやー、今と大違いね。」


 ユウナの語りにアカネは楽しそうに口角を上げて聞いている。これまでの旅のことを掻い摘んで話すこととなってしまったユウナはどこか恥ずかしい気持ちでいた。これから、あれやこれを話すことになるのでそれ即ち他の人はもちろんユウナ自身の恥ずかしい話をすることになるからだ。


 あまり気は進まないけど……

 ちらりとアカネの顔を見て楽しそうなのでいいかと腹を括る。


「ねぇ、他にどんな話があるの? あんた達なんだからきっと面白いのから変なのまであるんでしょ?」

「別に変なのはないけど……あ、馬鹿みたいな話はある。」

「え、どんなのどんなの。」


 ぐいぐいと顔を寄せてくる。


「いや、我ながら馬鹿だなって話なんだけどね──。」





 クルリ王国の小さな村。王都を旅立ち次の国であるシュナイン王国を目指しその国境付近の村である。

 日は落ち宿をとることになった四人は村の小さな宿へと足を踏み入れた。


「すみません。四人なんですが今晩泊まれますか?」


 バルトが笑顔でカウンターの女性に訊ねる。カウンターの女性は若く、見目の良いバルトの笑顔に僅かに頬染めた。

 それを後ろからフィアーが睨んでいるがバルトと女性は気づかない。


「四名様ですね。今空いているのはお一人様用の部屋が二つのみですね。いつもなら二人ずつでの利用を進めるのですが……。」


 女性は言葉を切りこちらを伺ってくる。


 二人ずつだと誰かがバルトと一晩二人きりになるのか。嫌だな。断固拒否だな。


 ユウナが気づくのと同時にフィアーとカナリアも同じことに気づく。


 カナリアは困ったような顔をしフィアーは真っ赤になっていた。


「じゃあそれでお願いします。人はこっちで分けますので――いて!」

「阿呆なの?ちょっとこち来なさい。お姉さん少し待ってもらってもいいですか?」


 ユウナがバルトの頭を勢いよく叩いてバルトの腕を引っ張りカナリアとフィアーの元へと連れていった。


「バルトあんたちゃんと考えて返事したの?」

「考えてって考えるも何も二人ずつに別れて泊まればいいだけだろ。」


 こいつ……さては馬鹿だな。


 ユウナは呆れてため息しか出なかった。


「二人ずつってことは誰かがバルトと一緒に寝るってことなるの。わかった?」

「ね、寝るって……!」


 ユウナの言葉にバルトの顔が赤へと変わっていく。


 え?なんで赤くなるの?まさかこいつ


「――むっつりスケベ?」

「バルト近づかないでよ!」


 むっつりスケベにいち早くフィアーが反応した。朱に染まった顔で何故か構えている。


「まあ、寝るっていっても特別な意味になるかは当人次第だけど。で、どうする?私はバルトと同じ部屋は嫌だ。」

「わ、私もさすがに……。」


 ユウナとカナリアが拒否する。


「二人がどうしてもって言うなら一緒の部屋でも構わないけどぉ……。」


 嬉しいくせに。フィアーはもう少し素直になるべきだね。恋愛方面以外ではあんなにサバサバしているのに。


「げ、フィアーとは嫌だ。だってこいつ寝相死ぬほど悪いんだよ。」

「はあ?だーれーのー!寝相が悪いってぇ!?」


 まさかのバルトがフィアーとの同室を拒んだ。それも面倒くさくなりそうな理由を付けて。


 確かにフィアーの寝相は悪かったけど本人に直接いうなよ……あほぉ……。


 ユウナは頭を抱えたくなった。バルトが嫌がらなければ穏便に済んだのだ。


 たかが部屋割りに時間がかかりそうな予感がしてユウナはため息を吐いた。






「みんな一旦外に出ない? ここじゃ迷惑になると思うの。」


 カナリアが控えめに発言する。


 確かに店の中じゃ迷惑だよね。出ますか。


 ユウナは特に返事をする訳でもなくて外へと出た。誰か一人が出ると他の人もつられて宿から出る。


 宿から少し離れた場所にユウナが止まると皆も倣って止まる。


「さて、部屋割りですけど――。」

「それなら我にいい考えがあるよー!」


 ポンッと音を立てて勇者の剣が人型になって現れた。


「きゃあ!」


 カナリアが驚いて短い悲鳴を上げる。勇者の剣に関しては王都にいる時にバルトがフィアーとカナリアに説明をした、というより実際人型になる所を見てもらっていた。


「カナリアは可愛いのー。ユウナもこれぐらい可愛げがあればのー。」

「考えってなに? ささっと言え。」


 勇者の剣の発言はスルーして問い質す。


 もう! ユウナのいけずよなー。とちょっと拗ねたが一つ咳払いをして口を開いた。


「我と寒空の下近くの林で温めあおうぞ!」

「サンダー。」

「ぴぎゃあ!」


 突然勇者の剣に細い雷が落ち変な声を漏らして勇者の剣が崩れ落ちる。


「ユウナちゃんになんてこと言うの。次また変なこと言ったらもっと強力なの落としますから!」


 犯人はカナリアだったようだ。


 カナリアありがとう。でも、たぶんこいつは……。


 ユウナはよーく勇者の剣のうつ伏せになった顔を見ると口角が上がっていた。


 魔法の雷だもの。魔力が流れて気持ちいいんでしょ。相変わらずの変態っぷりだなー。


「カナリアありがとうね。でも、こんなやつに魔法使うのなんて勿体ないから。」

「ユウナちゃん……。わかった次からはこの杖で懲らしめます!」


 あー、なんでそうなるのかなー。そういうところほんと好きだけど。


「ユウナ……あんた大変ね。あんな変態に目を付けられるなんて。勇者に選ばれなくて僥倖と言うべきか。」


 フィアーの気遣いの言葉にバルトの眉がぴくりと動く。


「幸いって言ったところかもね。で、ほんとにいい考えってそれなわけ?」


 勇者の剣を立たせて訊ねる。立たせた時さすがに可哀想だと思ったのでユウナは少しだけ魔力を流しておいた。それに気づいた勇者の剣は愛情たっぷりの目をユウナに向けた。

 その時の顔はイケメンだとフィアーが後に語った。


「我ちょー真剣だから! ふざけたことなんてないもん!」

「常時おふざけみたいなのが何言ってるんだ。」


 バルトが辟易とした顔で苦言を呈す。誰よりも勇者の剣と共にいるバルトが誰よりも苦労している。全員が憐れみの目をバルトへ向けた。


「むー! でもどうするのだこのままだ皆野宿となるぞ。」


 野宿は嫌だ。ユウナ以外の顔にそう書いてある。


 野宿……? ああ、そうか。その手があったか。


 手をぽんと叩く。


「私狩りに行ってくる。そしてそのままそこで寝るね。ということでフィアーとカナリアが同室。バルトが一人で使えば解決! はい、宿に入って!」


  この時私は疲れていた。それに眠かった。だからこんなアホなことを言ったんだ。


「え、ちょっとユウナ!」

「ユウナちゃん!?」


 先にフィアーとカナリアを中へと押し入れる。一番文句を言うとしたらこの二人だし。


 そしてバルトは首根っこを掴み投げるように宿へと送る。


「ユウナ! 俺も!」

「バルトは狩りの邪魔の天才だから来ないで。」


 ずっと前のこと忘れてないから。睨みつけてそう言えばバルトは押し黙る。


 忘れてはいないけどもう怒ってはいないんだけど。有効だからまだ使っていこうっと。


「じゃ、みんなの事よろしくねー。餞別に魔力どうぞ。」


 勇者の剣の横を通り過ぎる時に肩に手を置いて多めに魔力をあげる。


 勇者の剣が魔力を与えれば素直に言うことを聞いてくれることはユウナは知っている。


「仕方ないのー。今晩はバルトと楽しく過ごすとするかのお。」


 ユウナが触れた肩にそっと触れ宿へとそのままの姿へと入っていった。


 カウンターの女性が困惑していたがバルトとフィアーとカナリアは苦笑いを浮かべてなんとか誤魔化しながら手続きを済ませた。





「あっはっはっは!あんたらそんな部屋ごときで揉めてたの!」


 話終えると目の前のアカネは腹を抱えて笑う。よほど面白いのか目尻には涙も溜まってきている。


「ひー、もーおっかしい!でもそれさあユウナが一緒の部屋になれば良かったんじゃない?」

「それはバルトとってこと?」


 思わずユウナは顔を顰めていまう。


「うわー心底嫌そうな顔。だってそうでしょ。あの中でバルトとに対して特別な感情を抱いてなかった。そうでしょ?」

「特別って言うならカナリアもそうなんじゃ。」

「ちっちっち。特別って何も恋愛感情だけじゃないんだよ〜。」


 指を振りながらいたずらっ子のような笑みを浮かべる。


「憶測だけれどあの子バルトがどういうことになっているか多分ずっと知ってるね。そしてそれをとっても嫌悪している。」

「どういうことって、どういうこと?」

「ユウナちょっと私に魔力を流してくれない? 雫程度でいいから。」


 そう言ってアカネが手を差し出してくる。


「雫程度ってほとんど意味無いけど。」

「いいからいいから。ほれ、早く。」


 意味無いのにと訝しみながらアカネの手に触れる。


 雫程度、雫程度……ほんとにこれだけでいいのか?


 アカネの言葉通り雫程度の魔力を渡して手を離す。


「あー、うんやっぱり。これはバルト辛かろう。」


 何かに納得したのかうんうんと頷く。


 まって私さっぱりわからないだけど。


「カナリアは魔力感応が人より優れているからバルトと似たように反応していたのね。気持ちよさの度合い? むしろ意味合いが全く違うけど。」


 気持ちよさって……確かにカナリアは魔力をあげると気持ちいいと言ってくれる。安心するとも。フィアーもちょっと温かくなるとも。バルトは特に何も無い。あってもなんか気持ち悪いからいいけど。


「その顔は分かってないわね。わからない方が幸せかもしれないからいいかもだけど。けどこれだけは言っておくわ。」


 やに真剣な顔を向けてくるアカネに唾をゴクリと嚥下する。


「いい? 絶対! バルトには二人っきりの状況で魔力をあげたらダメよ。絶対だから。」


 二人っきりでって……えーと。


「過去のはノーカンですか?」

「もうやっていたですと!」

「あ、でも勇者の剣がいたから実質三人?」

「勇者の剣ねえ。いや、でもある意味ユウナにアプローチをすることで牽制しているから大丈夫ね。うん、良かった。」


 二人きりで魔力渡すのってそんなまずいのかなあ。カナリアとフィアーも二人っきりと時あるし。


「言っとくけどこれあなたの貞操を守るためだから!」

「て、貞操って!」


 ユウナは戸惑うしかなかった。そういった男女のあれやこれはまったく経験したことがないのだ。


「でも失いたいってなら別だけどね。」

「……アカネの言葉に従うよ。」


 どこか釈然としないが身を守るためと言われたら頷くしか無かった。


 けどなんで魔力を二人っきりで渡すと私の貞操が危ないんだろう。聞きたいけど聞くの怖いからやめとこう。知りすぎて面倒なことにはなりたくはない。


「素直な子は好きよー。けどあんた達大変だったのねえ。結構色んなことがあったんでしょ。ほら、他にも話しなさいな。」


 冒険譚を待ち望む男の子のように目を輝かせるアカネに仕方ないとユウナはまた自分達の冒険の出来事を語り始めた。






 これは俺の醜い、欲に抗おうと欲に身を任せた話だ。


 ユウナが狩り行ったおかげで俺達の部屋割りはすんなりと決まった。


 ユウナがおらず、さらにさっきまでいなかった男、勇者の剣がいるせいで受付けの人に変な目で見られたが笑って誤魔化した。


 用意された部屋は一人用とあって狭かったが俺に関していえば勇者の剣に人から戻ってもらえば済む話なのだ。フィアーとカナリアの二人には悪いがそうさせてもらう。


「おい、剣に戻れ。」

「いーやー!我このままでいるもーん。せっかく人になった我をもっと見たくないのかー!」


 相変わらず人になると果てしなくうざい。剣の時は比較的落ち着いているのに。


「そうだバルトー、こっちに来い。」


 ちょいちょいと手招きをしてくる。あまりいい予感がしないが従うか。

 勇者の剣の近づき目の前に立つ。


「我バルトの素直なところ好きだぞー。そんないい子のバルトにはご褒美をやろう。」


 そう言って俺の肩に手を置く。なんだか分からず立っていると目の前の男が怪しく笑う。そう認識するや突然勇者の剣からよく知った魔力が流れてくる。


「――!おまえ!やめろ!」

「おっとっと。」


 手を思い切り振り払う。


 熱い、熱い、熱い。こいつ!ユウナの魔力をそのまま俺に寄越しやがった!


 体が火照り疼く。熱が体全体に広がり特に熱が集中して集まる場所があるのがひどく気持ち悪い。

 胸当たりの服を強く握りしめ耐える。人前で羞恥を晒す趣味なんかない。


「く、くははは!良い顔よバルト。朱に染まる顔。潤んだ瞳に隠せぬ欲。実に良い。しばし待っておれ。さらに良いものを持ってくるからの。」


 優雅に楽しそうに部屋から歩い足取りで出ていく勇者の剣を睨む。しかし、相手はそれに気づかず消える。


「はあっ……はあっ……。」


 自然と呼吸が湿り気を帯びてくる。この体を冷やしたい。


 窓を開けようと手をかけ押してみるがビクともしない。鍵は見当たらないので引いてみるが動かない。


「あ、あいつ……!ロックをかけやがったな!」


 勇者の剣の魔法によって部屋に閉じ込められた。どうせあいつの事だ部屋全体にかけてるから扉からも出られない。


 くそ!ユウナの馬鹿野郎。どんだけあいつに魔力をやったんだ。


 ユウナに悪態つく。ユウナは大量に魔力をやったつもりは無い。しかしそれはユウナにとってであり、ユウナにとって少量は普通の人にとっては莫大で、バルトほどの魔力を保有していても大量となる。


「アン、ロック……!――はあ、だめか……。」


 魔法を解こうとしたが勇者の剣の方が強力で解除出来ない。


 体の火照りが止まない。ユウナの魔力を受け取る回数が増えれば増えるほど体の熱の量が増えて行った。今までユウナの魔力を貰っていたのは外で体を動かすなりして発散していた。


 だが狭い部屋の中激しく動くことは出来ない。燻りが溜まる。どうしていいか分からず服を強く掴む。

 いや、どうしていいか分からないのではないそれをしたくないのだ。


 呼吸がさらに荒くなった頃部屋の扉が開く。


「バルトー大丈夫かのーってその様子だとだいぶ辛かったみたいのー。」


 ニヤニヤとバルトの情けない姿を笑う。


 こいつ……!はったおしてやる!


 強くそう思うが思うだけで行動には移せないほど体が疼きに支配されていく。


「今日はのー。大人の階段を登っともらいたいと思うんだよなー我。」


 大人の階段……?何を言っているんだ?


「じゃじゃーん!というわけで連れてきたのだー!バルトの好みそうな女をー!」


 勇者の剣の後ろから一人の女が現れる。少し筋肉質などこかの赤髪の女の子を想起させるスラリと伸びた肢体。穏やかな顔立ちは金髪の女の子の母性を呼び起こさせ、真っ直ぐな茶髪は今の現況となった少し腹の立つ少女を嫌でも思い出す。


「単純にあの三人の複合劣化版なわけだが、これで十分だろ?この女子も喜んでおるし。」

「はい、その、勇者様なら、喜んで……。」


 照れたようにバルトを見つめる。体の疼きが加速する。


「のうバルト。」


 勇者の剣が耳元で囁く。


「このままだとお主ユウナの魔力を貰えば貰うほどそうなるのだぞ。だからここで覚えるのだ。快楽を、異性を。知らぬからそうなるのだ。欲に身を任せろ。」


 欲に身を任せる?つまりこの体の熱の思うがままに動けと?嫌だ、それだけは。


「バルト。あの三人を無理に暴きたいのか?暴きたくないだろ?目の前の女子はお主に暴かれるのを心して待っておる。利害が一致しておるのだ。もう限界のはずよ。――ユウナを傷つけたくはなかろう?」


 …………ああ、そうだ。傷つけたくない。あの三人は大切な仲間だ。それならこの欲を制御するために、三人を守るために――


 ――俺は、目の前の女を犠牲にする。


 バルトの手がゆっくりと女へと伸びた。




 早朝。バルトは目を覚ます。隣の女はまだ寝ている。


 バルトはじっくりと女の顔を眺める。そして吐き捨てるように


「誰にも似ていない。」


 それだけ言うと服をベッドから下り服を着た。着替え終わると女を揺すり起こす。


「――ん、あ、おはようバルト。昨日はその、すごかったね。」


 体をくねらせ照れながら昨夜のことを思い出している様子はとても気持ちが悪かった。


「ねえ、バルト。魔王を倒した後また一緒に――」

「名前で呼ぶな。」

「え、その、ごめんね。でも昨日は。」

「お前はただの代わりだよ。でもよく見たら代わりにすらならない――」


 パァン!バルトの頬に鋭い痛みが走る。


「このくそ男!」


 目に涙をためた女がシーツで体を隠し部屋から飛び出した。

 ゆっくりと頬なぞる。


「バルトー昨夜は良かったかー?」


 そう言って現れたのシーツを持った勇者の剣だった。


「さっきの女子は記憶を消して置いたから安心するがよい。我って優しいー。」


 自画自賛する勇者の剣をぼーっと見つめる。


 昨日、俺は、俺は……。何を……。


「気持ちよかったろー?我がっつり聞いてたからのー。あー!我も誰かと交合いたいー!」


 交合う。ああ、そうか、そうだった。俺は自分の欲に任せて、三人のために誰かを自分の思うがままに蹂躙したんだ。ああ、そうだ。そうだった。あ、ああ、


「あああああああああああ!!」


 吐き気がする。気持ち悪い。最低だ。最悪だ。でも不思議と後悔がない。俺はこんなにも醜かったのか?愚かだったのか?


「どうしたバルト?気持ちよくなかったのか?」


 気持ちよくなかった?残念、最高に気持ちよかったよ。思うがままにやったんだ最高に決まっている。


「そうか、良かった。なら試そうか。」


 勇者の剣がバルトの肩に手を置く。そして昨日と同じようにユウナの魔力を流し込む。

 バルトの体が熱くなる。


「どうだバルト――違うよなあ。」

「――ああ、もう大丈夫だ。」


 本物の快楽を知った男は疼きだけで苦しむことはなくなった。しかしこれは、新たな飢えをもたらすだけだった。


 バルトの成長に勇者の剣は笑みを深めた。

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