ニャマグチさんとニャバヤシさん
ガチャンガチャン。
重たい黒く曲線の円に細かく刻んだ野菜たちが踊る。
中華鍋を振るう男。
その後ろで細かく野菜たちを微塵切りをしている女。
ここはレストランの厨房。
その名はニャンダコレストラン。
厨房は狭く、2人しかいない。
「1番テーブルから呼び出しだ!」
「行ってきます!」
私は刻んだ野菜を置き去りにし、スタスタと厨房を後にする。
食事会場となるニャンダコレストランの席数は10席とそこまで多くないが、連日多くの猫様で溢れかえっている。
「にゃあ!このキャットフード!玉ねぎが火が通ってないんだけど!」
と三毛猫のニャマグチさん。
常連でお友達の黒猫のニャバヤシさんと毎週火曜日にやってくるのだ。
ニャンダコレストランの横にあるスーパーニャーのレジのパートさんたち。
最近はセルフレジが導入され、土日・夕方以外は暇を持て余している。
野菜に火が通ってないのと、細かく刻まれていないと大体呼ばれる。
そして、大体1番の席に座る。
健康思考なので、お茶しか飲まない。
「申し訳ございません。失礼しました。もう一度シェフに作り直してもらいますね」
「いつも火曜日楽しみにしてるんだから」
「昨日もね、畜産部門ののニャニャハシさんがね、デリカ部門のニャータキさんにずっとべったりお話ししてたのよ。懲りないわよね」
「一ミリも興味なさそうよね」
「気づいてないのかしら」
そういって仕事の話、プライベートの話をキャットフードとともに繰り広げられていた。
いつも食べ終わってからも話はずっと続き、時計が15:00にまわった頃、重い腰を上げお会計をした。
「また来るわね。美味しかったわ」
「ほんじゃあ、ご馳走様」
憎めない主婦たちである。
私はニャンダ県ニャンダ市ニャンダ町2丁目2番地2ニャンダコレストラン勤務。
今日もニャンダコレ。




