悪魔の魔弾と魔術!!
「それでは、まずは川を作るんでしたよね。お兄さま」
レェラが俺にそう、確認を取る。彼女の言葉に間違いはないため俺は「あぁ」と頷く。
「川を掘るのは俺の役目だ。さあ、やるか……!」
そんなふうに、俺が力を込めると俺の周りに薄く、赤いオーラが生まれた。これは『悪魔の力』を使う時に起こるもので、軽く使う程度ならこのようなオーラが生まれるみたいだ。
その力で俺は、作る川の幅くらいの直径をした光球を手のひらの上に浮かせる。
(これ、悪魔の頃はなんてことないモノだったけど今世、人間からしてみればなかなかなモノだからな。名前でも……そうだな。『魔弾』とでも呼んでおくか)
「魔弾」
そうして俺の手から離れた魔弾は地面をえぐり、そのまま大きな円を描くように動いて地面を掘っていく。
「さすがです! お兄さま!」
その様子を見てレェラは俺を褒めてくれる。こんな可愛い子に褒めてもらえて俺は幸せだな、と思う。
「褒めてくれるのは嬉しいが、この次はレェラの番だ。そっちは大丈夫か?」
レェラには魔術を使ってここに水を充分な量入れてもらう必要がある。魔術を使うのに必要なのは『想像』と『魔力』。魔術によって起こる結果をしっかり想像することができないと結果を引き起こすことはできない。魔力が十分にないと発動したい魔術を発動することができない。
想像に関してはさまざまな魔術を若くして扱えるレェラなら問題はないだろう。そして魔力。川を埋め尽くすほどの水を魔術で出すには膨大な魔力が必要だ魔力は何度も魔力を使い続けることで魔力量が増えていく。レェラには幼い頃から魔術を教えて、そして使ってもらっていた。そのためレェラならそれを可能にする魔力があるかもしれない。そんな期待の上彼女に俺は頼むのだ。
「はい。可能かは正直わかりませんが、コンディションは最高です」
そんな俺の期待に応えるよう彼女は俺に微笑んでくれる。
「そろそろ俺の魔弾が仕事を終えるだろう。さっそく準備をはじめてくれ」
「はい。大規模な魔術ななるのでこの辺に魔法陣を描こうと思うのですがよろしいですか?」
『魔法陣』。それは魔術に関わる効力を持つ、無数の線で一つの模様を描いたものである。それを地面に描いたりすることでより大規模な魔術を使うことができたりする。
(魔法陣か。俺に仕組みはよく分からないが、確かそこに魔力を流し込むんだよな。それが線を伝って魔法陣を満たすことで、その魔法陣がなんらかの仕事をしてくれる。今回は魔術の補助だろうな)
「大丈夫だ。レェラの好きにしていい」
「ありがとうございます」
そう言った彼女はさっそく地面に棒で線を引いていく。
そこそこの時間が経ち、魔法陣だろう模様が完成されていたのだった。




