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一撃粉砕

 ちゃちゃっと朝食を食べ終わり、身支度をした俺はリビングで待っていたレェラに声をかける。

 「レェラ、準備できたぞ」

 俺のその言葉にレェラは「はい! では行きましょうか。お兄さま」と答えて俺を先導するように家を出る。


 家の外に出ると、そこにはモンスターに滅ぼされて荒廃した村の風景がある。しかしこんなものも俺はすでに見慣れてしまっていた。それはレェラも同じで彼女はこの酷い風景を気にすることなく歩いていく。


 そんな村を出て山道を下っていく。この村は山にあるのだ。そしてそんな人気の少ない山道には住み着いている奴らがいる。それこそが魔物だ。そいつらはさまざまな形をしていて、人間を襲う化け物である。そんなことを考えていると、まさにその魔物がバサっと木々をへし折ったりしながら現れる。その豚のような見た目をした巨大な魔物を見たレェラは声を上げる。


 「お兄さま! 魔物が出ました。あいつは……ヘビーオークです! 私が始末しましょうか?」

 彼女はフンスっ! と鼻を鳴らして張り切っているが、俺としてはまだ彼女は守るべき対象だ。危険に晒したくはない。故に俺は、悪魔の力をその身に宿らせる。


 バチバチィッ!! と紫色のイカズチが俺の周りをほと走る。そして俺はグッと拳を握る。

 「大丈夫だ、レェラ。この程度の雑種は俺がやる」

 その言葉と共に、俺はその魔物に拳を突き出す。


 パァン!


 その魔物は一撃で破裂する。決して周囲に影響を与えるほどの攻撃ではない。いや、与えぬように調節した一撃だったのだ。それでも本気の一撃ではないが。


 「……むぅ。この程度の魔物、それこそお兄さまがわざわざ倒すほどのものではないですのに」

 レェラは拗ねながらそう言う。


 「ははは、レェラの手を煩わせるわけにはいかないからな」

 俺は軽く笑いながらそう言うが、レェラはやはり不服そうである。


 そんなやりとりをしながら、時々モンスターを俺が粉砕して山をおりてゆく。そして大きな都市が見えてきた。


 「レェラ、少し一気におりるぞ。抱っこするから捕まっててくれよ」

 そうして俺はレェラをお姫様抱っこの形で抱き上げる。レェラは困惑しているみたいだが、俺はお構いなしで脚に力を込める。そしてグッと踏ん張り……一気に跳躍をする。そのジャンプで俺は空中を駆けていき、そしてドーンッと音を立てて街のすぐ近くに着地をするのだった。

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