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暮らしに必要な家具を買おう

 ホコリ一つないその空間の窓から透き通る太陽の光によって照らされるピカピカの床、壁、その他。

 ここは、本日初めて来た時とは全く違う空間となっている。それをみて俺はポツリと。

 

 「か、完璧だ……」

 声を漏らした。


 「うん。元々なかなか酷いサマだった部屋をこうも綺麗にすると達成感がすごいな。とはいえまだ掃除をしただけ。これだけじゃあまだシルフィーアが過ごせる部屋にはなっちゃいないな」


 シルフィーアがここで過ごすため、用意すべきものは家具だ。せめて睡眠ができるようにベッド。それと、今は昼だから気にはならなかったがこの部屋には明かりがない。それだけは買ってこなければ。

 

 俺は一度その部屋から出て、レェラとシルフィーアがいる場所へ向かった。

 

 俺が掃除をしていた間、我が家のリビングで彼女たちはお茶と菓子を食べながら会話を交わしていたようだ。

 

 「二人とも。いま少しいいか?」

 「はい、お兄さま。ぜひこちらへお座りください」


 レェラは彼女二人が座っているもの含めて三つあるうちの空いている一つの椅子を引き、俺を誘導する。誘導されるがままに、俺はそこに座った。

 

 そういえば、ここには元々俺とレェラの分の二つの椅子しかなかったが三つに増えている。となるとレェラはわざわざシルフィーアのため、一つ椅子を引っ張り出してきたか。

 確かに我が家の倉庫にはかなりの量の椅子や家具があった。それは滅ぼされたこの村に残っていたまだ使えそうなものをかき集めたものたちだが、中にはなかなか綺麗なものも残っていた。それらはかなり丁寧に保存していたから、まだまだ使えるものも残っていたのだろう。

 この椅子はそこから引っ張り出してきたようだ。


 (そういえば、あの倉庫にはベッドだってあったか。いや、とはいえだ。全身を預ける寝具が倉庫から引っ張り出したものというのはそう良くないだろうな。やっぱりちゃんと買ってこよう)


 「それで、お部屋の方はどうですか? お兄さま」

 「ひとまず掃除は終わったよ。それで、シルフィーア」

 「は、はい……! どういたしましたか」


 俺がくるりと顔を向け、彼女の名を呼ぶ。すると彼女はピクっと肩を震わせて俺に聞いた。

 

 「今から街に降りてお前のために家具を買いに行こうと思うんだが、ついてきてくれ」

 「か、家具を……よろしいのでしょうか?」

 「ああ。お前がここで暮らすためのものだ。俺たちが住まわせると決めたのだからそれらを買い揃えるのは俺たちの役目だろう」


 俺の言葉を聞き、シルフィーアは何かを考えていたのか、2秒ほど沈黙の時間の後、口を開く。

 

 「わ、わかりました……でしたら是非、お願いします。その……街へ行くのは今からでしょうか?」

 「お前が大丈夫ならな」

 「はい……! 私はいつでも大丈夫です」

 「分かった。それじゃあ今からでも向かおう」

 

 そうして俺たちは家の外へ出て行った。

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