爆発音の元には天使さん
そうして数分、土と水とが混ざり合ったと確認した時、俺たちは一度家に戻っていた。
「さて、これから何をしようか。彼女のいう通りだとこれから10日程度はアレは置いておいた方がいいんだよな?」
「そうですね。バアナさんはそう言っていました」
うーむ、やはりそうだよな。
これからの間はずっと畑作りをするつもりだったし、やることがなくなってしまった。
そう悩んでいる俺にレェラは軽く答える。
「別に、何かしようとせずともいつも通り過ごせばいいのではないですか?」
「……確かにそうだな。ここ数日いろんなことをやっていたおかげで忘れていたが、前まではずっと同じように過ごしていたんだ。この10日だって同じよう……」
ドカーンッ!!
瞬間、誰の耳にも届くような爆音が響いた。
「……お兄さま、今のはなんでしょうか」
「何かは知らんが、少なくとも今日は前と同じような過ごし方にはならない気がするよ」
そうして俺とレェラは音の元へと移動するため外に出る。
「ああ……山のふもとにめちゃくちゃ煙が上がっています」
「絶対あそこで何か起こってるだろ」
「とにかく行ってみましょうか。お兄さま」
「そうだな。前と同じ方法で飛び降りようか」
俺はレェラを担ぎ上げ、山からその煙に向かって跳び降りる。
「ほっ……! よし、任せたぞレェラ」
「はい! ウィンド!」
彼女の魔術の力で俺たちは煙の元に爆音を立てずに着地することに成功する。
「さあて、一体ここには何が起こっているのか……」
「煙が邪魔でよく見えませんね。払いましょうか?」
「いや、俺がやるよ」
そう言った俺は右腕に力を込める。
「ふんっ!」
そのままそれを勢いよく振るうと、周辺の煙は吹き飛ばされ、そこに何があるかが見える。
「えぇ……おいおい嘘だろ」
「……人が倒れていますって、え!? 翼が生えて……ということは魔物!?」
そう。そこで倒れていた人型のそれの背中には白い大きな翼が生えていた。
そんな姿が俺の記憶の中には存在した。正確には前世の記憶だが。
「いや、レェラ。こいつは人でも魔物でもない。天使だ」
「え……? て、てん……て、て、て、てん、天使? 天使ってあの? あ、あの天使ですか……?」
「ああ、その天使だ。とりあえず、気を失っているみたいだから一度うちにでも持ち帰ろうか」
「え、あ……はい。そうですね……? 治療とか要りますもんね……?」
「いや、いらない。天使の身体は基本自動的に治療されていく。致命傷でもない限り焦らなくていいんだ」
「え、え……? わ、分かりました……」
そうして俺はその天使の少女の身体を抱え、そしてレェラを背負って全力で家の方へと跳躍するのだった。




