カラカラの土を良い土に
「おーけー! ありがとう! それじゃあ早速アドバイスをしようと思うんだけど、今からだととりあえず土づくりかな?」
「そうですね。多分そうなると思います」
俺とレェラはバアナさんの提案を受け入れ、そう問いかけられた。俺は詳しくは分からないが。とりあえずそう答えておく。
「なるほど。それじゃあ土づくりについて、分からないことはある?」
「何かが分からないどころか、ほとんど何にも分からないです。なんで、よければある程度細かく教えていただければ……」
「分かった、任せてちょうだい」
もとより俺は調べながらやっていくつもりだったのでまともに知識はなかった。
ゆえ、俺は彼女に細かく指導を受け、その知識を自宅へと持ち帰るのだった。
「かなりの出費になってしまいましたね……」
「まあ仕方ないさ。昔村にあった農具は全部無くなってるから新調する必要があったし、肥料だの土だのも買ったしな」
俺はバアナさんのアドバイスを受け、農業用のさまざまな道具やアイテムを買ってきていた。合計でだいたい6万ゴールド。金不足の我が家にとっては辛い出費だ。
「それじゃあまずは……ここら辺の土をどうにか再生させよう。カラカラのこの土をどうにかするぞ」
「そうですね。バアナさんから聞いた話によると、まず土からゴミや枯葉を取り除いていくんですよね」
「ああ、そうだ。小さい範囲なら土を取り出してふるいにかけ、分別していくだけでいいんだがいかんせんかなりの範囲でやるつもりだからな。少し特殊な手段を用いる必要がある」
「特殊な手段となると、私の魔術やお兄さまの悪魔の力ですか?」
「そうだな。多分その辺りでどうにかする必要があるが、レェラは? 活かせそうな魔術はあるか?」
そう俺が聞くと、レェラは悩み答える。
「なんとか工夫すればできなくはなさそうですが、直接的に問題を解決できる魔術は……お兄さまはどうですか?」
「同じだ。うまく工夫すればできなくはない……みたいな」
俺の悪魔の力、血液に性質を持たせる力は便利ではあるが万能、完璧な能力ではない。ゆえ、難解なことをしようとすればするほど工夫が必要となるのだ。
「よし、分かった。とりあえずこの作業は俺に任せてくれ」
「すみません。お願いします」
そうして俺はその作業のため、血液を一滴身体から取る。
俺の力はまだ『ここら辺の土全てを畑に適した土にする』だなんて性質を付与することはできない。
ゆえ、まずはこいつに、『染み込んだ土の中のゴミや古い根っこや雑草を汚染する』性質を付与。
そのまま俺はさらに血液を取り出す。
そしてこいつには『浸したものに俺の血液が染み込みやすくなる』性質を付与だ。
二滴目の血液を土に浸し、その土に一滴目の血液を落とす。すると二滴目の血液の性質で俺の血液が染み込みやすくなった土に、一滴目が染み込んで不要なものを汚染する。
そして最後に……
そうして俺はもう一滴血液を出し、それに性質を付与する。
『俺の血液に汚染された物を引き寄せる』
これで三滴目を適当に上空に放り投げて仕舞えば一滴目に汚染された不要な物質を取り出せるわけだ。
俺の力は一滴の血液に複数の性質を付与することはできないし、そのうえどんな基準かは知らんがすごい性質は付与できない。
けれど工夫次第でいろんなことを可能にしてくれるし、デメリットとかは人間の身体だと血を使いすぎちゃダメってくらいしかない。正真正銘便利な能力で俺もこれを気に入っているのだ。
そして俺は先ほどの手順通り、土の中の不要物質を全て取り出したのだった。




