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ep.25『別れの朝』

 翌日。朝日が昇る前に村を出発した。

 結局宿には戻らせてもらえず。おそらくレイは宿に泊まっていた他の客と供に捕らえられてしまったのだろう。事が終われば皆解放される。

 熱は下がったろうか。乱暴に扱われてはいないだろうか。あの村に定住するなら、悪い思い出が残らないといい。これが終わったら、出来れば顔を合わせないで村を出よう。手紙くらいは残しても良いかもしれない。

 あいつ、元奴隷のくせに字は読めるからな。

 突然置いていかれたらどう思うだろうか。捨てられたと悲しむだろうか。

「あいつなら、怒るかな」

「怒るに、決まってるじゃないですか」

 え?

 下る山道を塞ぐように、いつの間にかそこにいたのは──

「レイ?」

「そうですけど。それ以外に見えます?」

 何故ここに。捕らえられているのではなかったのか。

「宿なら、適当なところで抜け出しましたよ。さ、旅の続きを」

「ま、待て。依頼が」

「依頼?」

俺は今の村の状況と受けた依頼をレイに説明した。


「僕はもう囚われの身ではありません。旅に戻って問題ありますか?」

 先程まで機嫌の悪かったレイも説明したら表情が和らいだ。が、この表情の変化が逆にこわい。

「ここで俺が依頼を放り投げたら、捕らえられた人達や村の人達がどうなるか」

「そんなの、放っておけば──」

「良くないだろ!」

 つい大きな声を出してしまった俺に対してレイはきょとんとしている。本当に分からないのだろうか。

「わかりました」

「そうかなら──」

 ドッ

 首の後ろに強い衝撃が走る。

 何が起きた?

「ごめんなさい、ルーク」


 意識が遠のく……。

 

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