ep.1『神話』
遠い昔、この世界には神族と人族という2種族の人間がいました。
神族は神のように自然を操りそれらに頼り暮らし、人族は知恵によって生み出した道具に頼り暮らしていました。
2種族は程よい距離を置いており、争うこと無く暮らしていました。が、そう見えていたのは神族が温厚で争いを好まない種族だった事と神族に手を出せば自然の怒りを買うと信じられていたからであり、人族同士は度々土地や作物を求め争っていたのです。
神族は人族の争いには手を貸さない代わりに口も出しませんでした。
人族も神族を争いに利用しようなどとは考えてはいませんでしたが、ある時思いついてしまったのです。
『混血の子供なら、利用できるのではないか?』
2種族が交わる事は殆ど無かったがそれでも一定数存在する。
それまで我関せずだった混血達を争いに巻き込むために人族は“とある作戦”を練ったのでした。
作戦通りに混血を戦争に駆り出す事に成功した人族は各国で混血の囲い込みを始めました。
そんな状況を憂いた神族の王は人族の前から全ての神族を隠す事を決意し、その時から世界から神族は消えてしまったのでした。