すごろくみたいなもんだから
連載途中のSFが中々進まず (1話しか書いてないのに) 、気分転換に書いてみました。
「人生なんてすごろくみたいなもんだから」
そう言いながら私にサイコロを差し出している。
― でも、人生ってスタートに戻ったりしないけどなぁ ―
他に気になることはたくさんあるし、目の前のおっさんに言い返す気も無いので、とりあえずサイコロを受け取る。
あまり見ないサイズでミカンほどの大きさがあり、少し重さもある。それ以外はごく普通のサイコロだった。
手のひらで転がすとクセになるが、放り投げないといけない空気を感じて力無くサイコロを振った。
「あぁ~、平凡な人生だねぇアンタ」
― サイコロの目に平凡なんてあるのだろうか? ん...?? 3.6... ???―
どうやって出たのかは分からないが、サイコロの目は 3.6 が出ている。
人生はすごろくらしいので、私は人生を 3.6 マス進んだ。
どこのマスにも止まることが出来ない。
「このターンは何も起きなかったけど、まぁそんなもんだよ。人生なんて。」
「これだけなんですか?」
「もちろん。じゃあまた今度!」
結局何も起こらなかった。やはり人生はこんなものらしい。
― でも、3.6 なんて奇跡が起きないと出ないと思うけどなぁ ―
読んでいただきありがとうございます。
書き上げた後に気づいたのですが、これってすごろくというより人生ゲームですよね。
主人公の性別は特に決めていません。私の実体験では無いので。