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神崎涼の失踪  作者: 紅月
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第十話

火が煌々と燃える


人は、火の粉がその身に降りかからない限りその火を消そうとはしないだろう

―悠―


 そんな話を聞いた俺は食べていた夜ご飯(月華作だ)を吹きそうになったのを何とか飲み込んでから大爆笑した。ちなみにここには月華はいない。だいたい、いたらこんな風に笑って入られない。ユウが「聞いてください、神崎さん。月華には秘密にしといてくださいね?」と月華はいないのにわざわざ小声で言ってくるので興味を持って聞いてみたのだ。おそらくユウも、月華がいないから切り出したんだと思う。

 聞いてみると、なるほど確かに、こんな話はあいつの前ではできないだろう。あいつは人に弱みや秘密を知られるのが大嫌いだからな。


「わははははははは!!そ、それ見たかった!!ユウ、写真ないか?」

「神崎さん、そんなに笑っちゃ失礼ですってば!!それに・・・。」


 ユウが笑い声を抑えるように言う言葉も聞こえないほどの大声で笑い転げる俺にコップが飛んだ。


ごいんっ。

「後ろに、神崎さんが・・・って言おうと思ったんですけど・・・。」


 変な音がして笑い声を止められた。コップが床を転がり、俺は今度は笑いではなく痛みに震える。ていうか、ユウ、言うのが遅いよ。


「月華、何をするんですか!!」

「気がすんだか?写真がほしいんならこの辺の監視カメラにハッキングをかけて画像データを手に入れてやろうか?」

「・・・。 」


 さすがにやりすぎだと思ったのかユウが月華に怒るが、あいつは聞こえなかったふりをしたようだ。そして、あいつの犯罪宣言ともとれる発言を俺はきかなかったことにして(ユウも同じような反応をした)恨みがましい目で月華を見る。そんなあいつは俺を見下すような目で見てくる。

 くっそう、なんで面白いことを笑っちゃいかんのだ。それは月華にとってある意味弱みだったからだ、というのは分かっていても面白いことは面白いので腹が立たないといえば嘘になる。そして今の話を何処から聞いていた?


「人のことを笑うからだ。」

「だからって、だからって人の頭にコップを投げることはないと思うんだが・・・。」

「安心しろ、合成樹脂製で丈夫だから割れて破片が刺さることはないぞ。」

「論点が違うと思いますが・・・?」


 月華は、持ってきた飲み物(お酒だ)をもってソファに腰掛けた。今日の話はユウから聞くだけのものではない。というか、あまり月華の話は聞きたくない。月華からの話は今回に限っていえば十中八九よくない話だと断言できるからだ。理由は、俺の勘だ。異論は認めない。


「尾行はあったがな、手は出してこなかったはずだ。。」

「尾行されてたんですか!?」

「俺は尾行されていることに気付けるお前がすごいとしか思えないよ。」


 月華は話を続ける。俺の前にコップを置いて酒を俺にもくれた。ありがたいが、先ほどこのコップが俺の頭に当たったのだと思うと、なんとなく寂しいものがある気がするのは、気のせいだろうか。


「おそらく昼ごはんを食べるのにレグザに入ったころには付いていたはずだ。そのあとはずっとこの家まで、だな。」


 あれ?この家まで?とりあえずおいしく酒を(なぜかいい酒がこの家には大量にあったりする)いただいていた俺はその事実であろうことを何度も頭の中で反芻して月華に尋ねた。


「それって、やつらはこの家を知っているということじゃないのか?」

「そうなるな。」

「それは、まずくないですか?」

「まずい、が、ユウにもう一度聞きたい。」

「何でしょう?」

「本当に、あいつらとは面識がないんだな。」

「ないはずですよ?あったとしてもあまりいい思い出ではない気がします。」

「それなら、問題ないな。」


 なにが問題ないのかは何度たずねても教えてくれないが、月華が何か変なことをした時によく言う〝昔〟というのが絡んでいるのは間違いないだろう。一体、こいつの〝昔〟に何があったのだろうか。いや、違うな・・・。


こいつは〝昔〟に〝何を〟していたんだ?


 何があった(何をした)のかは何度も言うがまったく知らない。あった(した)としたら俺とあまり縁のない中学、高校の時だと思っているのだが、その時の友人も何も知らないみたいだし。月華も何も言わないので、興味深々な俺だけれども知ることができないのであった。そんな俺の思いも何処吹く風という感じの月華は、俺の思いをまったく知らないだろうユウと楽しそうに話していた。


「明日は悠とお前の部屋の掃除でもするか、ユウ。」

「お掃除ですか?ちゃんとできるかわかりませんけど・・・。」

「いや、俺も見てるから大丈夫だ。」

「神崎さんのお荷物はどうしたらいいでしょうか?」

「今日中にまとめさせておくし、明日になったら俺の部屋に移動させておくから大丈夫だ。というより、掃除するつもりでいたから荷物なんて広げてないよな?」


 最後の方は俺への確認だったようで、月華は俺を見ながら言った。俺の意思は無視ですかー?ていうか掃除って確か今日するって言ってませんでしたー?そんな考えは言葉にせず頷いておく。楽しそうに話す二人に俺は声を挟めずに一人でいろいろと悩み、考えていた。

 例えば、尾行されていたこととかな。

 月華はともかく、ユウが楽観的でいられる理由がよく分からない。月華はともかくって言うのは、あいつはほっといても何とかできそうな、というかしてしまいそうな感じがするからなんだけど。どうにかなった結果がいい方向になるのかはわからないが。

 だって、こいつ大学の時にストーカーの相談されて、そいつのこと調べて社会的に抹殺したんだよ?世間的によくても、相談した彼女はさすがにやりすぎだと思ったらしく、しばらくふさいでたよ。俺が、アフターケアしたんだけどな・・・。

 まぁ、そんな例があるから、月華は問題ないと思う。

 それよりもユウの方だ。黒スーツとであった時はあんなに怯えていたし、狙われているのがユウなのは明白な事実だと思う。でも、ユウの態度はまるでどうにかなることがわかっているかのようなもので、無理しているようなものではないように見える。

 まるで、誰かが助けに来てくれると信じているような―――。そう思って、俺はその考えを捨てる。

 仮に、誰かがユウを助けるために探していたとしても、ユウはそのことを覚えていないのだから。

「コノ小説ノユニークアクセスガ1099ニナッタ。

作者ノテンションガ上ガッタ」

『突然何を言い出すのよ。そしてなぜ片言?読みにくいわよ』

「作者の気分がまさにこんな感じらしいよ。中途半端なところは作者らしいね」

『せめて1100にすればいいのに』

「それが1099だからこその作者クオリティだって」

『この中途半端さはむしろパッシブスキルだと思うわ』

「むしろ1000でやろうと思ってたことなのに気付いたらここまできてたんだって。ちなみに前回更新時には1000になってたはずだよ?」

『・・・。まぁ、いいわ。で、今回はなぜか月曜更新だったわね』

「うん。活動報告って言っても見てくれてる人がいるのかはわかんないけどそこで作者が書いたように作者、出かけちゃったからねー。

おまけに作者は携帯からは更新しない主義だから」

『でも、更新しない、ということも考えていたのよね?』

「うん、でもせっかくだからって」

『相変わらずわけのわからない思考回路をしている作者だけど今回はここまでね。

この作品では、評価、感想、指摘、アドバイスなど何でもお待ちしておりますので気兼ねなくどうぞ』

「むしろ作者の場合だとどんなものでもなにかもらったらものすごい勢いでテンションあげそうだね」

『あとは、誤字脱字ね。作者は結構厳重にチェックしてるみたいだけどもしも発見したら教えていただきたいわ』

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