勇気を出してくれた一言
「放課後、体育館裏で待っています」
放課後に下駄箱に入っていた手紙。
朝にはなかった、ハートのシール付きの便箋。
宛先は私の名前、差出人の名前はなくて。
イタズラかもしれないけれど、勇気を出して手紙を書いたかもしれない誰かの心を踏みにじりたくはなくて。
待っていたのは同じクラスの男子。
しばらく待っても言葉はなくて。
下校時間まで待つから、と階段に座って彼の言葉をただ待つ時間。
下校時間まであと少し。
ようやく彼が言ってくれた言葉は予想通りだけどとても嬉しくて。
二人とも顔が赤かったのはきっと夕日のせいじゃない。