-後日談-
あの日、ミサ、いや雨宮先生に2度目のお持ち帰りをされた後、私と雨宮先生との関係は変わっていった。
病院内で相変わらずずぼらな服装で、お説教を言う嫌われ女医だったが、プライベートではその美しい姿と素敵な話術で私をドキドキさせる恋人だった。
「どうして、岬は病院であんな恰好をしているの?」
いつも思っている疑問を岬にぶつけた。
「そうね。別に大したことじゃないけど、昔勤めていた病院では普通に化粧して身なりを整えていたんだけど、ほら私の本当の姿って刺激的でしょう。同僚、先輩、後輩、患者、いろんな人に言い寄られて、正直うざかったし、ある時なんか上司に色仕掛けしたなんてあらぬ冤罪をかけられ、その奥さんが病院まで突撃して大騒ぎだったの。結局、事態を見かねた院長が私に今の病院を薦めたの。それで今の病院では地味にしているのよ。」
「うわ。滅茶苦茶ですね。でも岬の本当の姿確かに刺激的です。」
「そうね。春香が私のことを想って、仕事に手が付けられないほどにはね。」
そう言って岬は私をからかってくる。
「もう言わないでくださいよ。すごく反省してますって」
しゅんとうなだれると、岬はそれを見てふっ、と笑った。
「別に反省しなくてもいいのよ。私がそうなるよう仕掛けたんだから。」
「え、どういうことですか?」
「だって、私の本当の姿を見てから、一緒に寝た女で落ちなかった子なんていないから。」
そう言うと、岬は私の唇にキスをし、徐々に口づけの角度が深くなり、私をもう一度奈落の底へ落としていく。
もうこの妖艶で淫らな蝶から私は逃れそうにない。
勢いで書いてしまった作品です。