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断章
魔界の魔王城の謁見の間にて、二人の人間が対峙していた。
一人は青年で身の丈ほどの大剣の剣先を片腕で前に向けていた。
もう一人は少女で流麗な刀剣の剣先を同じように前に向けていた。
二人は双子だった。
だが、二人は互いに殺し合うところであった。
片方が魔族に洗脳されてるわけでもなく、天族の言いなりになっているわけでもなく。
二人は正常のまま、殺し合う寸前になっているのであった。
「あたし達、もう戻れないのかな?」
「戻れない。あの頃にはもう」
「悲しいな。なんでこんなことになったのかな?」
「……お前は罪を重ねすぎた」
「あなたは罰を与えすぎた」
「「殺し過ぎた」」
「魔族は全て根絶やしにすべきだ」
「そんなこと絶対にさせない」
「なら、お前も魔族同様殺すまでだ!」
「あたしも、あなたを止めるために殺す!」
そうして二人は身構え……同時に駆け出した。
「○○○○○○○!!」
「○○○○○○○!!」
互いに互いの名前を呼びながら、二人は激突した。