初めまして。不法投棄された石像です。【短編】
作品タイトル:初めまして。不法投棄された石像です。
作者: 佐倉 百さん
めちゃくちゃ悪いやつもいるもので、望みもしない結婚を強いられたと思ったら結婚式もあげないまま石にされて湖底に投げられた。
なにが最悪って好きでもないやつと結婚したウエディングドレス姿のまま幾星霜。
いや、そんな細かいこと気にしているヒマあるのかってくらい不幸だが母語が古代語になってしまって辞書が憶測まみれになるくらい古くなっているんだから、多分気にしたと思う。それより気が狂わなかったほうがすごい。おそらく狂うこともできなかった。
そんな彼女を引き揚げたのは後継者争いと縁のない王子。ある意味境遇は似ている。
そう思っても意思疎通はできない。
話せたら、触れ合えたら。
でもこの身はのろわしき石。
されどこの装いは彼と関係ない古の花嫁衣装。
この呪い、いつか祝になって欲しい。
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お前を食いたい(※石像は食えません)
[2026年 02月 13日 00時 01分]
石にされた上に誰にも助けられない湖に不法投棄され幾星霜。
星の名変わり辞書は憶測だらけになり言葉も変わってかの国の栄光を記した石碑もいまやさざれ石。
彼女はそんな中でも狂うことすらできずに湖底にいた。話せないし皮膚感覚もない。超ヒマ。
「だって古代文明ってかっこいいじゃないか」
男の子には納得しかない理由で引き揚げられた。
隣の女研究員は玉の輿しか頭になかったようだが。
やることなさすぎて見ていたら壊されかけたり、自分が壊れるみたいな研究態度で身だしなみなにそれな王子(?)が心配になったりする。
亡霊騒ぎになるくらい気になってしまっている。
触れる感覚もない、話せない。
望んだものでもない花嫁衣装をまとったまま石になった彼女は彼を見守っている。
願い事叶うなら。
この身をまとう冷たい石の衣を。
永遠の呪いからとこしえの暖かな祝福にしてください。
作品タイトル:初めまして。不法投棄された石像です。
作者: 佐倉 百
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(※連載版準備中とのことです)




