さよならを覆す最高の方法【短編】
作品タイトル:さよならを覆す最高の方法
作者: 森陰 五十鈴さん
英雄とはなんだろうか。
物語であり、嘘であり、共通認識である。
ユングならマナ人格というかもしれない。
もはや元の人間とは言い難い。
私たちが生きているこの世界は如何なる世界か。
物語の順番で時系列を無視できる神々や怪異の世界ではなく、時間と空間が近くにある現実の世界である。
当然去った人に対しては残滓を追うことしかできません。
前作「きみの物語になりたい」(https://ncode.syosetu.com/n3307iq/)にて英雄として散り記録に残された男カーラル。
彼の立場で情け無くも暖かい、家族を思う一人の男だった人々が死地に任じられるまでの一週間を通して、英雄譚ではない人間の物語を掘り出します。
ひょっとしたら見たくないという方もいらっしゃるかもしれません。
だからこそ、怯えて泣いて理不尽に怒りつつも大切な何かのために散っていく人たちのことを、たまには思い出してあげてください。
英雄に私淑はできても、彼はもう人間ではない物語になってしまっているから、せめて我々が生きている間だけは人間でいさせてあげてください。
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あなたは物語の中の人
[2024年 04月 06日 06時 11分]
物語になりたくなかった人の話をしようか。
誰しもが英雄や賢者になりたい、名を轟かせたいと思うはずだって。
燃やし尽くされ忘れられなくば物語は、その影響にある本たちは連綿と続く。
そんな立派な人になりましょうってね。
でも疲れちゃうだろ。
そんな人に自分はなれそうにないってやけになっちゃう。
サボったり遊んだり。そんな君が好きな人もいるはずだ。
では話そうか。
戦場に行きたくないと泣き叫ぶ男の話。
好きな女の子に何度もフラれてまた話しかける青年。
飲んだくれたり学友にウザ絡みしたりされたり朝までバカ話する学生達。
よせばいいのに皆で怪しい食い物食べて厠の扉を叩きまくるそんな話を。
笑ったね。
疲れていたんだよ。
さぁこの話は終わりだ。
友達と仲直りに行きなさい。
人の弱さを許す事だって勇気だよ。
物語にならない事を選べる幸せは見えないから。
作品タイトル:さよならを覆す最高の方法
作者: 森陰 五十鈴
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