#マンボウのひみつ #岩波ジュニア新書 #書籍
魚のくせにアイスクリームになっちまう奴がいる。
魚のくせにきな粉と砂糖でスイーツに化けてしまう謎生物がいるらしい。
赤身も白身もあって食う人間からみても好き嫌いがあるらしく『クソ不味い』『旨い』と評価が真っ二つに分かれる。
魚のくせに進化による収斂をへて横向きにペンギンよろしく泳ぐ奴がいる(『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』参照。というかこの本の筆者も普通に変わり者枠で登場する)。
都市伝説ですぐ死ぬ扱いにされている(Twitterによるデマ)。
見た目からしておかしいので33種類もあることにされて後々えらいことになっている奴らがいる。
それがマンボウだ。
というよりマンボウからみて彼らを躊躇なく喰う最も凶悪でおかしい肉食生物は我々人間であろう。
元は河豚の仲間らしいが、子供の頃はハリセンボンみたいな容姿で尿路結石っぽい。
横向きでプカプカうく。
こんな謎生物の研究や雑学を書くごとに謎のマンボウ川柳とともに紹介する愉快な書籍がこの『マンボウのひみつ』である。
作者はマンボウの専門書は200年ぶりくらいだと自称しているが、実際問題マンボウのみの書籍は確かに……知らないかも。
人類とマンボウとの付き合いは古いが、マンボウは大まかに分けて三種類くらいになりその三種類目にちゃんと名前が定着したのは最近だ。
それまでは?
マンボウだった。ふざけんな。
いやふざけていない。
ヤリマン棒とかウシマン棒とかやっぱふざけるな。
だいたいマンボウは外見で性別を特定できない。
この本は著者の半生、著者にバトンが渡るまでにマンボウについて研究を続けた学生たちの奮闘と苦闘と鬱となんかもうめっちゃ研究楽しいよとマンボウ沼に引き釣り混まんとする罪な本である。
鴉野の読者なら『無笑』のあらすじにも『どくとるマンボウ漂流記』の記述があることはご存じだろうが、北杜夫の見たマンボウはマンボウであってウシマンボウもしくはヤリマンボウである可能性があるようでって普通にわからない。
とにもかくにも可愛くてデカくて謎めいた生物マンボウつくしのマンボな本が本作である。
きっとあなたもマンボを踊りたくなるはずである。
うー! マンボウ!
バイオロギングなどの研究手法もちゃんと載せているので真面目な本であることは確定的に明らかであるが、マンボウに対する知識が果たして一般人としての生活に何の役に立つのかと問うのは愚問だろう。
興味を持つこと。
それを突き詰め研磨し究める事。
それが研究であり楽しいのだと作者は指し示す。
それは研究者であるというだけでなく仕事人としての態度にも表れる。
あなたもマンボウのように海にプカプカしていたら、寄生虫がいなくなるかもしれない。
保証しがたいが。
作者ブログより
https://manboumuseum.com/book-1/
ジャンル
書籍 > 岩波ジュニア新書 > 生物・化学・環境
日本十進分類 > 自然科学 > 生物学
通し番号:859
刊行日:2017/08/22
新書・206頁
ISBN:9784005008599
Cコード:0245




