その設定はラノベ業界すべてを敵にまわす【完結】
すっごく乱暴な説明をすると『これが異世界のお約束です』の現代異能版とは【似て異なる】。妄想が現実になる設定になった現代社会で小説家の少年が活躍する物語。
もっと文章力があればいいものが書けるのだがとか、もっといいプロットが書ければ俺だってとか、知識があればもっと凄いマニアックな話が書けるとか思う人は少なからず存在する。
というか、鴉野だってそう思うし、そういう人は文校時代からいた。
作者さんはこれでもかという文章表現力と圧倒的知識と優れたプロットを用いて『なんでこんなのをあえて10万字も書いた』と言いたくなるほどの自虐ギャグをあえて描く。知らずに書くのは可能だが、知っていて、わかっていて10万字を書くのはものすごく辛い。
ましてはた目にコメディとして自らを笑い飛ばすのは難しいどころではない。そういう意味で、すごい作品だと思う。
戦闘機召喚のシーンなどの見せ場ではかなり唸らされた。
反面、『作者しかわからない』演出をあえて全ネタばらしして、リンクを張り、『作者はこういっているんだ』とか、『このシーンはあのラノベのパロディだ』とか、『音楽のわからんお前のためのこの演出のすごさを俺に語らせろ』という読者に語る余裕を持たせないワナビの業も描いている。
今まで読んだなろう作品のなかではぶっちぎりの問題作だと思った件。
同じプロットと世界観とキャラでコメディではなくSFとして描いたらかなり凄いSFになったと思う。
でも、逆にこれほどのパワーを感じることはなかったかもしれない。
万人にお勧めできる作品ではないですが。作者怨念のすさまじさを感じたいかたはどうぞ。
=============
すべてがネタになる世界
投稿日:2014年09月22日 14時20分 編集
削除
ここは日本である。
ここは現代である。
で。なんで空にドラゴンが飛んでいるのですかねぇ(震え声)。
『ネタになるからに決まってるじゃないか』
天才プログラマーの手によって世界は改編された。創作が現実になる世界。
ただしモロパクリは禁止。
誰もが楽しいと思うコンテンツは事象になり現実になり人々を導いていく。
『楽しい』世界を作った主人公たちは現在はうだつの上がらなかった作家志望、現新人作家と挿絵書きである。
恨みつらみもあるさ。辛いこともあるさ。
重たい過去の栄光は投げ捨ててしまえ。辛い憎しみはどこかに放り出して歌いだそう。
既存のあらゆる『たのしさ』を乗り越えて、新しい『楽しさ』を求める旅にあなたも出かけよう。
作品タイトル:その設定はラノベ業界すべてを敵にまわす
作者:残田響一(8TR戦線行進曲)
https://ncode.syosetu.com/n0039bw/




