オペラ座の怪獣
≪キャスト≫
司会
部長(袴の侍)
押しの強い演劇部員
新入生
オペラ座の怪獣
司会:演劇部に見学に来た新入生は押しの強い演劇部員に押され、劇をやることになった。
演劇部室。ちゃぶ台の周りの三枚の座布団の部員チ、二つに新入生と部員が座っている。
部員 :あれ、新入生ちゃん、どうしたの?
新入生:私、演劇なんてやったことなくて、どうしたらいいのか…。
部員 :大丈夫!最初はみんな緊張するもんだよ!私だって演劇部に入る前は教室の端っこで本読んでるような、
地味な優等生キャラだったんだから!
新入生:とてもそうは見えないけど…。
部員 :まあまあ。じゃあ、新入生ちゃんはここを読んでね。
新入生:は、はい。
部員 :じゃあ行くよー。んっん(咳払い)「ああロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」
新入生:え、ええっと…
そこに怪獣登場
怪獣 :ちょーっと待ったーー!
部員、新入生:うわあっ!
部員、新入生、慌てて立ち上がる
怪獣 :ぼくの名前はオペラ座の怪獣!演劇部をつぶしに来た!
部員 :な、なんだ君は。(新入生をかばいながら)
怪獣 :ぼくは演劇が嫌いなんだ!
新入生:なんかもっとすごいの来た…。
怪獣、がおーとか暴れながら座布団などをなげる
部員 :なんだと、君は演劇の何が嫌いなのだ!
怪獣 :君はさっき、演劇部に入って変わったと言っていたが、それは違うんだ!変わったんじゃない、本当
の自分を偽って演じることで本来の自分を見失ったのだ!
新入生:え、そ、そうなんですか…?
そこに部長さん登場
部員 :部長!
新入生:部長?あの人が?
部長 :さよう。我が輩が演劇部の部長だ。
新入生:な、なんで袴…?
部長 :押しの強部員演劇部員、こやつ(怪獣)は誰じゃ。
新入生:あ、それ本当に名前なんですね…。
怪獣 :お前が演劇部の部長か。ぼくは演劇を否定するためにここに来た。どうせお前のそのキャラも、本当
の自分を隠して演じることで作ってしまった偽りの姿なんだろう?!
部長 :何を申すか。
部長、刀を抜いて怪獣ののどに向ける
部長 :演じることは隠すことじゃない。秘めた才能、個性を表に出すことだ!
新入生:才能、個性…
怪獣 :参りました…(膝をついて硬直)
部長 :成敗…だな。ん?もしかして君(新入生)は…新入部員か?!
新入生:は、はい。見学しているだけですが…。
部長、新入生の手を握って熱弁
部長 :演劇はいいぞ。さっき行ったことはもちろんだが、演じるだけが演劇部ではないのだ。裏方や演出をす
る、台本を書く、それも演劇部員の大事な仕事なのだ!そして、部員同士の仲も良いぞ。個性豊かな仲間達と共
に楽しい学校生活を送ることが出来る。
新入生:へえ、なんか演劇部楽しそうかも…!
部長:そうだろう、そうだろう。
部長、客席の方を向いて
部長:さあ、次は君たちの番だ。アットホームな部室で、その秘めた個性と才能を存分に発揮しようじゃない
か!
部員:(各自、宣伝など。)
(例)新入生を歓迎する気持ちを込めて公演をします!ぜひ来てください!
閉幕
※時間があったら部員が怪獣を引っ張っていく。