この世界での両親
遅くなりすみません。
今後は、極力定期的に投稿できるように、書置きをしておくようにします。
2人の神との遭遇(?)から俺は意識を失い、次に目が覚めた時に早速教えてもらったステータスを見る方法を試してみた。
俺のステータスは以下の内容だ。
Lv 1
種族 人
HP 250
MP 700
攻撃 110
防御 120
敏捷 110
魔攻 550
魔防 500
知力 800
幸運 300
スキル
剣術10 槍術10 弓術10 火魔法10 水魔法10 風魔法10 土魔法10 光魔法1 闇魔法1 創造魔法5 並列思考5 鑑定1 隠蔽5 アイテムボックス10 言語理解10 経験値倍加
称号
地球神の加護 リクリア神の加護 元地球人 異世界からの訪問者
という内容で表記されていた。
結局、ステータスを見てみたのだが、この世界の一般人のステータスの数値がよく分からない。
それに、何故か俺のスキル欄には覚えの無いものが入っていた。
それは、光魔法と闇魔法と鑑定というスキルだ。
なぜこんなスキルを俺が覚えているのか、さっぱりだ。
神たちも特に何も言っていなかったし、特典とかではなさそうだ。
まあ、スキルは多く持っているのは特に困らないので、それはいいとして、俺はこの世界では自殺なんてことはしたくないし、そもそも死にたいなんて思わない。
それに、俺はこっちの世界はなんだか面白そうだと思っている。
だって、剣と魔法がある世界なんだ!
それに、地球の神様からは全部の基本属性の適正を与えてもらっているんだし、使えないならともかく、使わないっていう事はしない。
できれば、全ての魔法を使ってみたいと思う。
そう思えば、当然しないといけないのは、俺の魔力量を増やすこと!
そして、俺は死なないためにも自分で戦えるようになりたい。
そのためにも、体作りは小さいころからしっかりと行いたい。
だが、体作りは今からはまず無理だ。
俺はこっちの世界に転生して、恐らくまだ間もない。
そうであれば、俺はまだ1歳になっていないだろう。
俺はそんな赤ん坊が、自由に体を動かせるなどと聞いたことは無い。
だったら、意識が途切れる時に地球の神が言っていた、魔力を使って将来のために魔力量を増やしたいと思う。
そう思って、魔法を使おうとしたのだが、突然部屋の扉が開かれて中にメイド服を着た茶髪の女性が入って来た。
その女性は俺が泣いたときに入って来た2人のうちの1人で、中に入って来て俺が目を覚ましているのに気が付くと、俺の方に向かって歩いて来た。
そして、俺のベットの横に立つと俺の顔を覗き込んできて、
「かわいいぃ~~~~~!」
と言って、俺の頬を指で突いてきた。
俺の頬を突いている女性が、「かわいい~」、「癒される~」等と言っていると、扉の向こうから最初に見たメイド服姿の黒髪の方の女性が入って来ると、
「何を遊んでいるんですかメイ。仕事は終わったのですか?」
と言った。
俺の頬を突いている女性はメイと言うらしい。
「!?すみません!メイド長!すぐにやります!!」
メイは慌てて立ち上がり、窓まで行ってカーテンを開け、そして俺の寝かされているベットの横に来て俺を持ち上げ、いつの間に敷いたのか床のタオルの上に下ろす。
その後、さっきまで俺が寝ていたベットのタオルを交換して、俺を元の場所に戻し、メイド長と呼んだ女性と共に部屋から出て行った。
俺は、2人が出て行くのを見送ってから、早速魔法の練習をするために『ライト』というよくあるような魔法名を唱えた。(まだ声帯が発達していないので、心の中でだ)
すると、俺の体の中から何かが抜けていくような感覚を感じて、俺の目の前には白い光を発する光球が現れた。
目の前だから、結構眩しい。
俺は目の前にある光球が眩しいので、消えてくれと思うとさっきまでの眩しさは何だったのかと思うくらいすぐに光球は消えた。
それと同時に俺の体から力が抜けていくような感覚が止まる。
俺はもう一度試そうと思ったところで、また部屋の扉が開かれ、メイド長と呼ばれた女性が入って来て、部屋の中を見回した。
「⋯⋯⋯おかしいですね。確かにこの部屋で魔力の反応がしたと思ったんですが。気のせいですかね?」
そう言って、メイド長は首を傾げながら部屋から出て行った。
(もしかして、この世界の人は魔力を感知できるのか?それとも⋯⋯⋯。)
俺はメイド長が部屋から出て行って、おそらく10分くらいが経過してから改めて『ライト』を使った。
すると⋯⋯⋯、バァンッ!!と音をたてて部屋の扉が勢い良く開けられ入って来たのは、
「凄いわ!!シオンちゃんがもう魔法を使ったわよ!!やっぱりさっきの魔力の反応はシオンちゃんだったのね~。シャル、早くレオを呼んで来て!」
「かしこまりました、奥様。」
金髪の美女とメイド長だった。
メイド長はレオと言う人を呼びに部屋から出て行き、金髪の美女はベットの横まで近づいて来た。
俺は、魔法を解除していないのを思い出し、魔法を解除した。
すると、女性は少しがっかりしたような顔をして、俺の頭を優しく撫でてくる。
それから大体5分が過ぎ、再度扉が大きな音をたてて開かれ、
「おいっ!シオンが魔法を使ったって本当か!?」
入って来たのは、茶髪のイケメンだった。
高級そうな服を着ており、髪は奇麗に肩より少し上で揃えられ、瞳はエメラルドグリーンをイメージするような色をしている。
その男性が入って来ると、俺の頭を撫でていた女性は少し怒ったような表情で、
「少しは静かに入って来て下さい!シオンちゃんが驚いて泣いてしまうではないですか!」
そう言って、俺を抱きかかえながら男性に話しかける。
(確か、この女性が入って来た時も勢い良く扉を開けて入って来たよな?)
自分の事は棚に上げて入ってきた男性を嗜めるよう、そう言った女性に俺はついツッコミを入れてしまいそうになったが、俺の声帯はまだ発達しておらず、「あぁ~~、うぁ~。」といった声しか出なかったため、俺の言葉は届かなかったようだ。
だが、俺がそう声を出したのを聞いた女性が、
「ほら!シオンちゃんもそうだって言ってるわ!」
と男性にそう言った。
男性はそれに対して言い返した。
「それを言うなら、エリーだってそうだったんだろう?シャルから聞いたぞ!」
「ちょっと、シャル!なんでレオに言っちゃったのよ!!」
「申し訳ございません。奥様が早くと仰られましたので、ご主人様にはそう言わなくてはここまで早くはいらっしゃらなかったかと思えましたので、勝手ながらお伝えさせて戴きました。」
「いくら早くと言ったって、そんな―――――」
という言い合いを俺を抱きかかえたまま行うもんだから、形としては俺を挟んで言い合っているようなものだ。
俺からしたら堪ったものではない。
――――そのまま、およそ30分くらい言い合っていた。
「そろそろ、そのくらいにしたらどうだ?シオンも嫌がっているように見えるぞ。」
そう言ったのは、レオと呼ばれた男性だった。
「そうね、あなた。シャル。今回はここまでにして、後でまた話し合いましょ。」
「そうですね。シオン様も嫌がっているように見えますし、後ほどお部屋に伺わせて頂きます。」
そう言って、言い合っていた2人は休戦した。
(っていうか、休戦じゃなく和睦をしようよ⋯⋯⋯。)
そんな俺の心の声は当然届かなかった。
そして、話題を変えるように男性の方が話し始めた。
「それにしても、もう魔法を使ったってのは本当なのか?俺は実際に見ていないからわからないんだが。」
「本当よ。私とシャルの見ている前で使ったんだもの。そのとき、部屋の中にはシオンちゃんしかいなかったし、それに魔法が発動する前にシオンちゃんの体から魔力の反応がしたんだもの。」
「そうか、ならば鑑定士を呼んで先に見てもらった方が良いかもしれんな。今後の教育の内容等にも活かせると思うし、何より才能があるならば伸ばしてやりたいと思うからな。遅くても5日ほどで王都から来てくれるだろう。」
「そうね、その方が良いかもしれないわね。カインちゃんもそうしたんだものね。」
そう言った話をしながら、俺をベットに戻し俺以外の人は全員部屋から出て行った。
話していた内容から思い当たるのは、俺のステータスを見るために人を呼ぶらしい。それも数日中に。今の俺のステータスを見られるわけにはいかない!何とかして隠さないと。
この時の俺はまだ知らなかった。
隠蔽というスキルの便利さに⋯⋯⋯。