爆誕!ドレッドノートクライシスV~始動~
時は近未来!地球は宇宙から迫りくる謎の巨大生命体「ギガント」の襲撃を受けていた!
迫りくる強大な力の前に地球の戦力はなすすべもなく、世界中のあらゆる都市が蹂躙され破壊された!
しかし、このまま指を咥えて見ているだけの人類ではない…
各国の技術力を結集し、対「ギガント」用戦闘兵器開発計画…
「ドレッドノート計画」が誕生したのであった…
~20XX年 ニホン トーキョー~
「あー、今日も疲れたぜ」
今日は特に疲れることもなかったし、別に誰に聞かせるというわけでもないがそうつぶやき家路を辿る。
俺の名前は、シラヌイ ノボル、どこにでもいるありふれた高校二年生であろう。両親が5年前の「ギガント」のトーキョー襲来によって死んでしまったのも、今のご時世よくある話だ。それから俺は親戚の支援を貰いながら、郊外のボロアパートで一人で暮らしている。親を失った悲しみは確かに大きかったが、もう5年もすれば慣れてしまった。夕焼けに照らされる未だに残る「ギガント」襲来の爪痕を見ながらそんなことを考えていた。
ギガント、世界中で破壊の限りを尽くす謎の生命体で世界中の軍隊が束になっても退けるのが精一杯だったと聞いた。その圧倒的な力で世界の中心とも言われた国をたった1週間で再起不能にしたという。やつらの目的はいまだに分かっていない。地球侵略を企む宇宙人であるとも宇宙で生まれた理性を持たぬ怪物とも言われていた。どちらにせよ俺はあいつらが憎い。俺の両親を奪っていったあいつらが。いつかあいつらをこの手で、と思っていた少年のころの記憶が蘇った。だが一体自分に何ができるのだろう、そう考えていつも諦めてしまっていた。でも、何か自分にできることがあったら!そう考えていると気づけば家のドアの前だった。
「ただいまー」
誰もいない六畳一間に帰宅のあいさつをすると、部屋の片隅にある小さな仏壇に座り線香をあげた。
「ただいま、父さん、母さん」
両親にあいさつを済ませゴロっと床に寝そべる、考え事をするときはいつもこうだ。
「5年間も考えてわからなかったものが今考えてすぐ出るわけねぇよなぁ…」
そうつぶやくと腹の虫が鳴った。
「…そういえば冷蔵庫に何もねぇぞ、帰りに買ってくればよかったなぁ…」
昨日、食材を切らせていたのを忘れていた。考えすぎるのもよくないなと思いながら俺は立ち上がり玄関で靴を履き外へ出た。
「さて、鍵カギっと……ぐぎゃ!」
いきなり背中に衝撃が走り、俺はその場に倒れた。薄れゆく意識でかすかに人の声が聞こえた。
「本部、こちらターゲットを確認、気絶させました。これからそちらに連行します。」
こうして、俺の平凡な日常が幕を閉じた。