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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

1ヶ月間に起きた出来事がなんかすごい

作者: ピヨ子

 これから私の人生で今までもこれからもこれ以上すごいことは起こらないだろうし、むしろ起きるなと思ったとある1ヶ月間について話そう。



 そう始まりは初夏の香りがしてきた高校ニ年の5月の始め。クラスでも人気の小林君(仮にK君と呼ぶことにする)に私は告白された。委員会が図書委員で一緒だった――――といってもテニス少年なK君は委員会決めのときに寝てて強制的にそうなったのだが――――だけでほぼほぼ話したことがなく、とにかくどうして私なのかととても驚いた記憶がある。爽やかでクラスでも人気なK君に告白されて舞い上がった私は勿論OKした。これが私があの事件に巻き込まれたきっかけだったが、正直格好よくて性格もいい人に告白されて断る平凡がいるだろうか、いやいないに決まってる。なので私はそのことについては今も後悔はしていない。



 それから一週間くらいはK君と仲良く下校したり、デートしたりして幸せな日々を送った。今思えばあの時期が一番平和だった。



 そして次の週の月曜日、何故かK君は元カノである斎藤さん(これからはSさんと呼ぶ)とともに登校してきた。格好いいK君と美人なSさん、そんなただでさえ注目が集まりそうな上に元カノ、元カレな関係であることが知れわたっていたのでみんな二人を凝視した。かくいう私も思わず二度見どころか三度見、四度見と何度も二人を見てしまった。



 それからさらに一週間経過した木曜日の放課後、委員会の当番で図書室の受付にいたところ、K君の親友である山本君(Y君)に話しがあると声をかけられた。事情を聞いたところK君とSさんが一週間前に一緒に登校してきた件についてだった。どうやらSさんとお付き合い中らしい。Y君は二人からどういう事情であの日一緒に登校したのかが気になるそうだ。親友の元カレと付き合ってて、その二人が一緒に歩いてたら確かに気になるだろう。Y君から「来週の月曜にファミレスで話をきくけど来ないか」と誘われたので、「ぜひお願いします」と答えた。



 ついに月曜日になり、Y君が先頭にたって学校の近くのファミレスに四人で向かった。最初はすごい修羅場が三人の間で繰り広げられるのではないかとドキドキしていたが、なんだか雲行きが怪しくなってきた。


 どうしてここに来てもらったのかY君と私が説明したら、急にSさんが怒り始めた。

「ちょっと、Y君話が違うじゃない! どういうことか説明してくれる?!」

 私は話って何のことだよと思い、Y君をちらりと見たがY君は腕を組むだけで、三人の視線が集まっても何の説明もしないので諦めたらしくSさんは勝手にペラペラと話し始めた。


 曰く、SさんとY君は元々あまり関わりがなく、せいぜいK君と一緒に話すくらいでK君と別れたあとは全然話してすらいなかった。けれど私とK君が付き合い始めてからY君から話かけられて交流が再開された。そんなある日私とK君が一緒に下校してるところを二人で話していたらたまたま見てしまい、二人同時に溜め息をついたところでお互いの感情を察してしまったらしい。そして私たちの仲を引き離し隊を結成し、目立たないように付き合ってるふりを今までしてきたと長々と20分くらいプリン(怒りを抑えるために途中でK君が頼んだ)を食べながら話してくれた。


 確かにそれは怒るのも仕方ないかもしれない。私に話しかけてきた時はいかにSさんが素敵かと語ってきたのに話が全然違うじゃないかと私も怒りそうになったが、私のことをY君が好きかもという話になったときだいぶどうでもよくなった。まじか人生初のモテ期到来?、とだいぶドキドキしてしまった。Y君もちょっとチャラめなイケメン男子なのだから仕方なかった、そう仕方なかったのだ。



 そしてみんなの視線が集まったY君はポツリと「俺が好きなのは……実は中村さん(私の名前)じゃなくて……拓斗(K君の名前)なんだ」と言った。ん? そしてそんなことを言われたK君の顔は真っ赤になり、「実は俺も……」と言い出した。んん? そして見つめあった二人は、ぎゅっと抱き締めあった。んんん? どういうことなんだ。突然の展開に私の脳が追い付いてこない。



「Y君はNさんが好きなんじゃなくてK君が好きだから私と妨害しようとしてたのはわかったけど、何でK君は私やNさんと付き合ったの?」

 学年上位の成績のSさんはもう頭が回ってるのか、流石だな。私が言いたいのもそこだよ、そこ。


「それは……、Yが好きかもということにSと付き合ってるときに気づいて、流石に告白してもらったとはいえ中途半端に付き合うのも申し訳ないから振ったんだけど。やっぱりそんなの気のせいな気がして、女子と付き合えばって思って……」

 私達を無視して二人はどんどん自分達の世界に入っていく。



「「男同士とかきもっ!!」」

 思わず言った言葉がSさんと被ってしまった。これ以上ここにはいられないと感じた私は席を立った。Sさんも同時だった。なんだかSさんと仲良くなれそうだ。お金は二人に払ってもらおうと目で合図をしつつ、ファミレスを出た。


 その後Sさんと二人で違うファミレスに行き、愚痴を言い合った。帰る頃にはすごく意気投合し、RINEも交換した。


 そしてその夜やけくそ気味にBLなんか絶対きもいだろう、と思い小説を調べた。読んだら予想よりも面白くなってK君のこととかもうどうでもよくなった。これはSさん改め秋ちゃん(Aちゃん)に紹介せねば、という謎の使命感に燃えた私は次の日Aちゃんに布教した。結果をいえばAちゃんもはまった。先に誘った私が少しひくくらいのはまりっぷりだった。



 そして今、私が何故こんな話をしたかというとAちゃんと訪れた久しぶりの同窓会でY君を連れたK君に謝られたからだ。あのときはY君と両想いだったとわかって嬉しくて全然気にしてなかったけど、後から考えたら二人(特にN)に酷いことしてごめんなさい、的なことを言われた。謝るにはちょっとどころかだいぶ遅い気もしたが二人がいまだに仲良くやってる感じだったのですべて許した。


 むしろ二人にはBLという素晴らしいものに出会わせてくれたので私は感謝をしている。


そういえばY君と初めて話したときのろけを聞かせてくれたが、あのとき誰がとは言ってなかったかもしれない。もしかして、いや確実にあのときK君のことを語ってたのだろう。あー、適当に受け流さないで真面目に聞いとけばよかったかもしれない。

友人が「最近四角関係の本読んでるんだけど結末が予想できない」と言われた後説明を聞いたら予想以上にどろどろで確かにどう終わるのか予想できないと思った後もう男同士で付き合えば解決すんじゃねってなってつくった話。たしか元カノと親友が二人の妨害のために付き合って辺り(親友は彼氏のほうじゃなくて主人公が好きだったけど)までは聞いたのを元にして書いたはず。

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