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ルフトハンザの孤独

作者: 田中ビリー
掲載日:2013/08/19

 解放された夜を使って、闇とレールを抜き去る詐欺師、

 名前を夜ごと使い分け、本当の名前は誰も知らない、

 義であるべきと誓いをたてた、カネに綺麗も汚いも、

 所詮は甘えた寝言だろうと、

 〝使い途は手にしてから考えるだけ〟

 不要な者が力持つより、彼は甘い言葉を吐いた、


 逃げ脚の、速さは生まれつきみたい、

 ホラも史実も同じ列にて語られる、

 母親らしきが数人もいた、父を名乗るに血を流されて、

 薄汚なく見たレール、

 扉の向こうに灰色がかった自由があった、

 偽名が彼を解き放つ、夜の紛いに溶け込ます、


 詐欺師は今宵も甘い嘘、ありもしない未知の金塊、

 童話を写した宝の地図や、観測されない星でさえ、

 酔いどれたちが集う夜会に、甘美極まるウソを並べて、

 汚れた手から汚した手へと、

 ばら撒く夢で手にする現実、


 解放された、夜の詐欺師の猜疑心、

 彼はたったひとりでさえも信じず、

 塗り重ねた美談を抱え、青い午前に跋扈する、

 遠くへ続くチケットは、片道だけで東に向かう、

 振り向きざまに目に映る、飢えたネコが横たわる、


 片手にナッツ、喉の奥から薄ら笑いの優しい嘘を、

 閉じた眼には通過儀礼の街の鐘、

 失くしたものを数えるも、手にしたものが見つからない、

 せめて俺は自由だと、燃え尽く陽のオレンジ見てる、

 新たな地でも同じ嘘、積み重ねては歩くんだろう、

 すでにその名を持たぬ者、唯一あるのが自由に似た不自由で、

 彼は誰も愛さない、

 彼は誰も愛せない、


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