女子高生が
そんな清水家の前に八束達と同じ北峰高校の制服を着た女性が佇んでいた。
「清水.....君、なのかな? とりあえず、ここで間違いないみたいだし、チャイムを鳴らせばいいよね?」
その女性は独り言を呟きながら、インターホンに恐る恐る指を近づけるが紙一重のところでピタッと静止してから、手を引っ込める。
「でも、もし、家に居て知らない人が来たら嫌だよねって言うより変だよ。でもでも、ここまで来たんだし。あの変な手紙にも書いてあったし.....。ここは勇気を出して押さないと!」
深呼吸をして、再びトライしてみるが、その家の中から男と女の子の話し声が聞こえてきた。
(棗、その格好はまだ寒いと思うぞ。)
(大丈夫! 今日は暖かいって、天気予報で言ってたし。)
(寒がってても俺の上着は貸さないからな。)
(子供は風の子だから風邪なんか引かないの。)
(そうかい。)
そんな会話が聞こえてくるくらいドアに近く、今にもドアの鍵が開く音がした。
「あ、あわ! あわわわわ」
その女性は慌てて、この家に程近い道筋の壁に背中をピタリとくっつけて隠れた。
もしかしたら、こちらに歩いてくるのでは?っと考えて、何もしていないのにもかかわらず冷汗をかき始めるが、いつまで経ってもこっちには来なかった。どうやら、違う方向に行ったらしい。
そっと覗いてみると男の人と女の子の後姿が見えた。
「もしかして、あの人なのかな? 隣の子は妹さんかな? 二人でお出かけしてる所を見ると仲がいいんだろうな~。いい人なのかな?」
遠くなっていく後姿を見るその女性の頭の中にはいろいろな疑問が膨れあがっていくのであった。
「君、そこで何をしているのかね?」
「え、何って.....、ははは、な、何でもないですぅ~」
「ちょ、ちょっと、君!」
お巡りさんに声をかけられた女性は涙目になりながら脱兎の如く駆けて行った。




