帰り道にて
「で、あの忌々しい指令とやらはどんな内容なの?」
学校からの帰り道、俺たちはひとしきりにどこに遊びに行くだのなんだのを話して歩いていた。
帰り道は徒歩だ、全員帰る方向は同じでなんとも都合が良いもんだ。
「そういえば、そうだね。帰りに話そうって話だったもんね」
「で、どうなんだ。八束」
歩きながら三者三様の顔を向けられる。
「あ~、今回は---」
『今回は、人探しだ!』
俺が言おうとしたことを、いきなり出てきたヴァスクに奪われた。
「ヴァスク! お前!俺のセリフを取るんじゃねーよ!!」
『うっせェな! お前の事だから忘れたと思って出てきてやったんだ! 感謝しろ』
「俺は忘れてなんかねぇーよ!」
「まあまあ、八束。ヴァスクとの喧嘩は後にして。ヴァスク、話してくれ」
尋斗は俺をなだめながら、ヴァスクに話の催促をする。
もう、勝手にしやがれ!
『尋斗は物分かりが早くて助かる。でだ、今回の指令は、そこの馬鹿と同じで天使を宿した人間を見つけたから、そいつを探せって事だ』
「誰が馬鹿だ!」
「八束は黙ってなさい!」と夏実に怒鳴られてしまう。
「探せって言っても、なにかヒントはないの?」と友理乃が困り顔に言う。
『あるぜ。お前らと同じ高校で女、それから、周りからは浮いているそうだ』
「浮いてるって、ひどい事を言うなー」と尋斗が苦笑いだ。
「ってことは...。アンタ、ちゃんと調べたんでしょうね!?」
「ああ、とりあえず、同じクラスには居なかった...。って、あれ?」
俺がそういうと、一気に空気が重くなった。
「俺なんか、まずい事を言ったか?」
「八束、入学式の時にでも。ヴァスクに頼めば、見つかってたよ...。その子」
おでこに手をつけて、項垂れたまま尋斗にそう言われた。
その後ろで友理乃も苦笑いだ。
(確かにそうしていれば、みんなに負担が行かなかったのに。)
『だから、馬鹿って言ったんだよ』
「ヴァスク、わかってたなら言ってく---」
「や~、つ~、かぁ~!」
夏実の怒りはマックスに達してしまったらしく、俺の胸倉を掴んで。
「今日の遊びの代金は、アンタの奢りだから!いいわね!!」と宣告されてしまった。
入学早々、俺の財布はすっからかんになるのは間違いなさそうだ。




