闇を晴らすには(挿絵あり)
どうも、蒔野定白です!
書けましたので投稿します♪
さ!
二人、戦意喪失してしまい、お話しをしましょうということになりましたが、どんな話をするのでしょうかね?
ではでは、本編へどうぞ♪
『これはどういう状況なんだ?』
さっきまでエバリエの要望で本気で殺り合う予定が、どういう訳か、その二人は向かい合って座っている。
悪魔の状態から人間の姿になり、正座を崩した座り方をしていた。
八束はというと、どうしたらいいのかわからず、正座で座っていた。
体も縮こめて、怒られている子供と怒っているお姉さんのような状況にも見える。
「なに、改まってるの。いつも通りで頼むわ」
「そっくりそのまま返していいか?」
「え?」
「す、すまん。いつも通りするから、私はいつも通りですけど、なにか?って感じで睨まないでくれ」
鼻を鳴らして、髪をいじりながら、俯く。
しおらしいというべきか、じれったいというべきか。
結界の中は時間の経過がわかりにくく、どれくらいここに居るのかわからない。
八束はエバリエが話し始めるのを待っているつもりだったが、どうも話し始めるとも思えず。
「こ、こうやって、話すのは初めてでなんか居心地悪いんだが……」
反応なし。
俯いて、髪をいじるだけ。
『え、なに? ホントになんだ? まさか、これも戦いってことで、精神攻撃でも仕掛けてきてんのか?』
たまらず、喉を鳴らすと、ぴくっとエバリエは体を弾ませた。
きょとんとした顔で八束を見て、顔が八束から見えないように背を向ける。
「いや、おいおい! マジでどうした!?」
「う、うるさい。ちょっと驚いただけよ」
「いつも通りじゃないのはそっちじゃねぇか」
胡坐をかき、頭もかく。
調子が狂うとは、まさにこのことである。
「ね、ねぇ」
「なんだよ」
「紗恵利に、あの子のお守を任せる気なのかしら?」
「え、あ~、あの話か。あいつ、いつの間に話したんだよ」
「食事中に心の中で会話してたの」
「お前らもできんのか!! てっきり、ヴァスクだけかと」
「で、どうなの?」
「どうって…………」
八束の中でもまだ決めかねていた。
ラファと穂紀は、八束たちよりもお互いの繋がりが強く、ティナやその主という人物も離れ離れにするには心苦しいとのことだ。
だが、それは建前かもしれない。
その奥にほかの思惑があるのかもしれない。
悪いことにしろ、良いことにしろ。
放っておくことはできない。
だから、水鏡を穂紀に守らせて、八束はバックでサポートしてやればいいとそう思っている。
エバリエにカリジナの力と水鏡自身の剣道の腕前。
実戦で暴走気味であったが、八束よりも強いのは明らかだった。
自分よりも強いやつで、穂紀との関係もしっかりとある水鏡が適任だ。
「……正直に言うと、私はこっちに帰ってこれないと思うわよ」
「え、なんでだ」
「私は、天使としての仕事に飽きて、妹と一緒にこっちに逃げられたの。逃げられなかったら、私たちは死刑同然」
「だから、俺たちとも戦って……」
「えぇ。黙ってあっちに帰ろうと思ってたけど、あのオーラを見て、気が変わったわ」
「俺が無自覚に出してたオーラのことか」
「あれは堕天使を、悪魔に近しい天使を厚生させるためのオーラなの」
「えらく便利なオーラだな……。いや、なら、最初からこのオーラを出せてたら、お前らをつかまえなくてもよかったんじゃ?」
「それは難しいでしょうね。あれは天使の中でも上位クラス、それこそ、神に近しい天使でない限り使えないわ」
「だから、こうして、捕まえるしかなかったって事か」
「えぇ。私たちのような中の下、下位クラスの天使が受けられるような施しではないの。だから!」
背を向け、顔を見えないようにしていたエバリエは八束に向き合う。
「私の中の悪魔を斬って、消し去ってほしいの!」
眦から一筋。
「私はあっちに戻っても、死刑になる。そんなの嫌よ! カリジナだって……紗恵利っていう妹も居るんだもの! 確かに私は私情で天使の仕事から逃げたわ。でも、あなたたちと戦ううちに間違いだったと思えるようになった。そして、カリジナと紗恵利と私の三人で居たくなって、私は自分の気持ちに意固地になっていたの。あなた達と戦うのも、逃げるためから、三人で居たいからって理由になったわ」
八束の目から視線をそらして、俯く。
「昨日の戦いだって、紗恵利にひどいことしちゃった。私のわがままで紗恵利を悪魔の力で操ろうとしたの。アンタが殴ったあの時に、心の中にすっとね。だから、あの子には感謝してる。紗恵利の心を取り戻させえてくれたから」
顔は見えないが、地面に雫が落ちる。
あの子というのは穂紀のことで、八束自身も助けられたのでその気持ちには同意だった。
同時に、謎アイテムを持ち合わせていたラファにも感謝すべきかもしれない。
「三人の中で……いえ、最初から全部私が悪いの。だから、あっちに戻った時、私が全部背負うつもりだった。アンタと戦いたかったのはほんの気まぐれだったんだけど、こうなるとは思わなかったわ」
また八束の目を見る。
八束はただ、エバリエを見て、聴く。
「この悪魔の力が無くなれば、私は時間がかかっても紗恵利のところに戻ってこられる可能性があるかもしれない。あの子の天使ちゃんの様に紗恵利と居られるなら、アンタにあの力で斬られたい!」
八束のジャージを両手で握る。
その拳は震え、いとも簡単に振るい解けるくらいにか弱い。
また、雫が落ちていく、さっきよりも多く、大きく。
ただ、エバリエ自身にかける言葉はわからなかった。
八束自身、エバリエの気持ちほどの経験はないのだ。
「なぁ、ティナ。聞こえてたか?」
『えぇ。しっかりと』
「今の白いのオーラのことって、本当なのか?」
『はい。私の主には及びませんが、それに近いものを感じました』
「エバリエの悪魔の力、俺とヴァスクの力で取り除ける?」
『わかりません。代償として、魔力の大部分は失くすことになるとは思いますが、前例がなく、ほかの代償が伴う可能性があります』
「だとさ、エバリエ。それでも、俺でいいか」
『いいわ! 斬って!!』
拳に力がこもる。
「もし、ほかの代償として、記憶を無くすことになっても、いいか?」
あくまで可能性だが、力とともに何を失うのが一番辛いか。
それを考えると記憶だと思った。
『……思い出してみせるわ!! だって、大事な妹たちの記憶よ!! 思い出すに決まってるわ!!』
気持ちがこもり、一層、力がこもる。
「よぉし! 分かった!! 斬ってやる!!」
二人の決断に横槍を入れる咳払いが一つあり、一瞬、沈黙する。
「え、なんか。問題ある感じか、これ」
『大アリなので、今日のところはこの案件、持ち帰らせていただきます。異論はございますか?』
「「い、いえ、ないです」」
結界は解かれ、エバリエは水鏡とカリジナにこっぴどく叱られる傍ら、八束もまた、ティナからも穂紀達にくどくどと叱られた。
叱られながらも、ちらっとエバリエの様子を見ると、エバリエと目が合い、お互い小さく笑うのだった。
「何をよそ見してるのですか?」
「何、よそ見てんのかしら?」
「「すみません」」
ふふ、見事に再戦の流れ!
次は、本気の本気!!
まさか、八束がそんな力に目覚めていたとは驚きです!
インフルエンザの時に、魔力でも注入されたのかな?
どうなんでしょうかね♪
では、次の投稿までお楽しみに〜( *¯ㅿ¯*)
蒔野定白より。




