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守護精霊につき!  作者: 松代 彩瓦
指令 『悪魔姉妹の回収』
52/55

お別れのその前に(挿絵あり)

今回はエキシビションマッチ!!

と言いたいところですが〜、私情でその手前までになります!

お楽しみくださいませ♪

悪魔達がティナの計らいで天使に戻った夜が終わって、朝から騒がしいことこの上なかった。


「え、何これ……。翼まではないけど、天使に戻ってるじゃない」


「ほんとだ! 久々な感じがするね! お姉ちゃん♪」


「どうしたの? 鏡の前で突っ立って」


 エバリエは水鏡たちが寝ていた部屋の姿鏡の前で天使の姿の自分を呆然と眺めている。

 見とれているようではなく、顔色が青ざめていく。


「ふ」


「「ふ?」」


「こんなの普通の美人じゃないのぉぉぉおおおぉ!!」


 叫んだあと、顔を手で覆い、しゃがみ込むエバリエは悪魔の時の自信に満ち溢れた佇まいとは違い、自分の天使の姿には自信がないようだ。


「そんなことないよ! お姉ちゃんはあたしの憧れだよ!」


「ううっ、でもでも~」


「なんだよ、朝からうるせーな……。え!」


 ノックもなく、ズカズカと女性しかいない部屋に入っていった。

 

「あなた、妹が居る割にはデリカシーに欠けるわね。ノックもなしに何の用かしら?」


 水鏡は、冷たい口調と切っ先のような鋭い目線を八束に突き刺す。


「え、あ、す、すまん! 寝ぼけてた」


 それに驚いて、即座に目を覚まし、部屋を慌てて出る。

 だが、それで終わりではなかった。


『その二人の天使は悪魔姉妹か?』


「そうよ。驚いたでしょ?」


『あぁ。カリジナはあんまり変わってないけど、エバリエは結構変わるもんだな』


「この子は悪魔の力をたくさん使ってたから、より悪魔に近づいていたのよ。自分でもそう言ってたわ」


『そ、そうなのか。なんか、悪魔の時はセクシーな感じですごかったが、天使の姿も悪くないな』


「だってさ、エバリエ。私も悪くないと思うわよ。全面に出るセクシーよりも隠して私やカリジナだけに見せて自信を持ち直せばいいじゃない? ね?」


「う……うん」


 さっきまでうめいていたが、今では自分の思っていたことが見透かされていて、恥ずかしくなり、耳を赤くしていた。

 いつも水鏡よりもお姉さんぶっていたエバリエのこんな姿を見て、八束達に捕まったのも悪くないと思うのである。


「お姉ちゃん、可愛いね」


「でしょぉ! さえりもわかってるね♪」


 そういって、しゃがんだ姉の背中に抱きつくカリジナもまたかわいいと思う水鏡であった。



―― 時間が経ち、穂紀達が教会に集合した ――


「皆さんに集まってもらったのは、皆さんの守護精霊とのお別れをして頂くためです」


 教会の中は静まり返る。

 来るであろうことではあったが、いざ、その時となると受け入れがたくなってしまうのはそれだけお互いに愛着があるからであり、次に会える保証はないに等しいのだ。


「やっと、こいつと居なくて済むのか。清々するぜ」


「え! 嬉しいのかよ」


「え、むしろ、お前は寂しがるのか!? なんで、男が男に別れが辛いなんて言わねェといけねェんだよ。会った時から思ってたが、やっぱり気持ちわりィやつだな」


「なんだと!!!」


「エバリエさんとカリジナちゃん、天使に戻ったんだぁ!!」


穂紀は八束とヴァスクのやり取りをそっちのけに天使に戻った2人に目を輝かせていた。


「そ、そうなの。昨日の晩にエルフさんが魔法で治したそうよ」


「そうなんだ!! 翼はないみたいだけど、カリジナちゃんは悪魔でも天使でも可愛いけど、エバリエさんすごく美人さん!! 悪魔の時の悪い大人の女性って感じもすごく良かったけど、私は今の方が好きだなぁ♪」


「ほのりん、分かってるね! そうなの! 自慢のお姉ちゃんなんだから!!」


エバリエの身体を隅々まで見ようと動き回る穂紀と自分の事のようにえっへんとばかりに胸を張るカリジナにどうしたら、いいのか分からないエバリエは水鏡に助けてとばかりに視線を向ける。

その様子にひとつ息をつき、穂紀と呼びかける。

なに?と振り向く穂紀をすっと抱きしめた。


「昨日はごめんなさい。あなたに刃を向けたこと謝りたくて、謝りきれないほど私はあなたに酷いことを」


「さえちゃん……。いいよ。私もラファを捕まえられそうになったら、あそこまでは出来ないかもしれないけど、近いことはしたと思うし、大丈夫だよ」


「ありがと、穂紀」


「うん! エバリエさんとカリジナちゃんのこの姿も見れたし、私は凄く嬉しいよ!!!」


「そ、そう。なら、よかった」


穂紀のズレた感性に許されたのに少し複雑そうに水鏡はほっとする。


「む〜、ほのりにはラファが居るのにうわきだぁ〜」


穂紀の左腕にそっと抱きつくラファはカリジナとエバリエを交互に見たあとに穂紀をじとりとみつめる。


「そんなことないよ〜。私はいつだってラファが1番なんだからぁ〜、おいでラファ〜♪」


「わーい、ほのりだいすき〜♪」


お互い抱きしめ合い、ラファは頭を撫でられ、満面の笑みを浮かべ、天使の羽根も嬉しさのあまり軽く羽ばたかせた。


「こほん! 皆さんのお別れということでしたが、その前にエバリエさんがやり残したことがあるとのことなので、先にそれを済ませようと思います」


「「は?」」


「何よそれ、聞いてないんだけど。というか、エバリエはどこよ、居ないじゃない」


「それ、本気で言ってるの? これだからトカゲ女は脳が少ないのよ」


「誰が、トカゲ……え? アンタがエバリエ?」


「そ、そうよ、悪いかしら?」


「ふ、ふ~ん、天使の姿の方がいいじゃないの。悪魔の時よりはちょっとはマシよ」


「あ、アンタに言われなくてもわかってるわよ!」


「こっちが素直に言えば、このアマは~!!」


「どうどう、なっちゃん。それで、エバリエさんやり残したことって?」


 エバリエと夏実の間に入った友理乃は、ケンカになる前に話を変えて場を収める。

 夏実の扱いに関しては、友理乃はぴか一である。

 調子を整えるように喉を鳴らし、髪を手で流す。


「天使に戻ってしまったけど、悪魔の時にアンタたちにはやられてばかりだったから別れの前に一勝負したいわけ。わかるはよね?」


「わかるけど、その姿で戦うんだったら、リベンジとは言えなんじゃないかな? 僕達と戦ってたのは悪魔の姿でだから」


尋人は、冷静に指摘する。

後ろのグライフも頷く。


「ふふ、その点はもう解決済みよ。ね、シスター・ティナ?」


「本当ならこういうのはダメなんですが、この世界の心残りを残さないための特別処置ということで許可は下りたので大丈夫です」


「そういうこと! で、戦う相手なんだけど、一対一。アタシとファッションセンス皆無のリーダー!」


 エバリエが鋭く指さす前にカリジナ以外が八束へと視線を向けていた。

 今日は学校指定の体操着(長袖長ズボン)姿の八束である。


「ファッションセンス皆無は関係ないだろ! ん? 俺だけ? ヴァスクは?」


「それじゃ、一対一にならないじゃない! アンタたち、たまに、別々で攻撃してくるでしょ! いっつも思ってたんだけど、せこいのよ。だから、今回はアンタだけ!!」


「あれは戦略だし、良いだろ。……いや、待て! 俺、人間! 悪魔相手に生身でどう戦えとぉ!? それこそ、せこいだろ!!」


「あ、そこは御心配なく、ヴァスク様の力を模したものを八束クンに与えますので、存分に戦って下さい。場所はここで結界による力の変動はありません。思いっきりやり合っても結界から攻撃が漏れないよう、ヴァスク様以外の守護精霊様方にお力添えをして頂きたいのですが、お願いできますか?」


「いいよぉ~♪」

「わかったぁ~」

「承知しました」

「……コクリ」


「ありがとうございます。では、お二人には前に出でもらって、その周辺に結界を生み出します」


ティナとヴァスク以外の守護精霊の力で結界が生み出され、最初こそ2人が手を伸ばせば、届く距離だったが、空間が広がり、30メートルほど離れた。



―――――――――   結界の中   ―――――――――


「いっつも思ってたけど、便利だよなこの結界。いつの間にかあいつも悪魔の姿に戻ってるし」


「さあ、さっそくだけど始めようじゃない」


挿絵(By みてみん)


 悪魔の姿になったエバリエは水を得た魚の様に、意気揚々と構える。


「いや、待て待て! こっちは勝手が違うんだから、しばらく、待ってくれ」


「なによ、こちとら、アンタを殺りたくてウズウズしてるのに」


「殺す気で来んのかよ、尚のこと、待ってくれ」


「待ってるじゃない! さっきから何よ」


「俺は丸腰だ! それに、ヴァスクも居ない! どう戦えとぉ!!」


語弊なく人間そのものの八束に問答無用で槍をぶん投げ、足元に突き刺す。


「あっぶぇーだろ!! 待つ気なしか!!」


「悪魔が親切にダミーの標的として槍を差し出したんだから、いつも見たく、やってみなさいな! ウチの子を殴ったみたいにさ」


エバリエの言う「ウチの子」というのは水鏡のことだろう。

八束はカリジナに対して、殴ったことがない。


「あの時はヴァスクの力は使ってないから正当防衛だ!」


「殴ったことには変わりないでしょ! 女の子を殴るなんてあんたの方が悪魔よ」


「悪かった。後で謝っておくよ」


「分かればいいのよ。ほら、さっさといつもの調子出して、さっさと殺り合うわよ」


八束はエバリエに言われる間でもなく、ヴァスクに力を貸してもらっている時の感覚を思い出し、拳を金色に輝かせ、目の前の槍を思い切り殴る。

すると、槍は無残に砕け、はらりと灰となって消えた。


「そうでなくっちゃ、こっちも張合いがないもの」


「お前、その格好!!」


エバリエは八束がウォーミングアップをしている最中、こっそりと悪魔の姿になっていた。

頭には立派な一対の角、背には紫がかった大きなコウモリの羽。

肌も褐色を超え赤黒く、目は紅に染っている。


「いつもみたいに殺られない為にも最初っから本気で行くわよ」


たじろぐ八束を他所に、手を頭上に上げ、背後に数え切れないほどの二又の槍を生み出し、悪魔の如く笑う。


「楽しむ覚悟は出来たかしら? ぼうや」


戦闘はまた次のお話で、書きたいと思います!!

では、またの投稿でお会いしましょう♪


蒔野定白より

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