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守護精霊につき!  作者: 松代 彩瓦
仲間になるには
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アティナ・マキシネス

ラファとヴァスクが暴れたせいで八束達は教会の掃除をする羽目になった。

昼食は、近くの喫茶店で済ませてからの開始だ。

ラファは全身筋肉痛のため、掃除の戦力外。

空気の入れ替え、埃落とし、クモの巣取り、掃き掃除、机と椅子の拭き掃除に、床の雑巾がけ、各自分担しながら黙々と済ませていく。

ちょうど、雑巾がけをしている時に友達の応援に行っていた穂紀がもどってきた。


〔ほのり、おかえり~!〕


掃除の邪魔にならない教団の上にちょこんと座っていたラファは、一目散に抱きつきに行っていた。

ラファの穂紀への気持ちに筋肉痛など皆無の様だ……。


「ただいま、ラファ。……え~と、なんで、雑巾がけ?」

「あ~、それはだな。かくかくしかじかでな」


ラファの事から今に至るまでを八束は話した。

さっき、喫茶店で気絶していた時に話を、みんなから聞いていたのだ。


「まさか、ラファとヴァスクさんが親戚だったなんて、びっくりだね」

「全くだ。何はともあれ、再会できて何よりだな」

「あ、ごめんね、ラファが迷惑かけちゃって」

「いいって、俺は気絶してたし…」

「え?」

「いや、なんでもない。もう少しで終わるから適当にしててくれ」

「うん、わかった」


八束の言うとおり雑巾がけはすぐに終わって、みんなで穂紀が見てきた試合の話をしているとシスターが奥の部屋から出てきた。


「皆さん、お疲れ様です。綺麗になりましたね」


にこやかなシスターに相対して、掃除をしたメンツはより疲れが出たのは内緒である。


「もう帰っていいわよね? 掃除も終わったし」

「いえ、お話したいことがありますから、もう少しだけ良いですか?」

「え? なら、もう少しだけ…?」


いつもなら強制的な物言いだからか、こうして相手に問いかけるように言ってくるシスターは珍しく、しかも……「よかった」とホッと息をついている所を見て、いつもと雰囲気が違う事に八束達は顔を見合せて、またシスターを見た。

穂紀には、みんなが何を感じたのかわからず、頭を傾げながら横になっているラファの頭を撫でていた。


「皆さん、それに私にも関わりのある重要な話なんです」

「シスターにも?」

「はい。でも、この話をする前にまず、私の事を話しますね」


「もう隠すのも疲れましたから」と言いながら、おもむろにシスター服とセットになっているフードを掴んで、引き下ろして、胸の前くらいで両手でくしゃっと握った。

フードを利用してあげていたのか肩くらいまでの長さがある青髪が下りてきて、しかも今まで黒かった眼も緑と黄色に色が変わり、耳も普通の人間にしてみれば、まるみがなく、鋭角三角形に似た形と言って良いほどに斜め後ろにとがっていた。


「え~と、今までいろいろ隠していたんですが…私は、実は、エ…」

「エルフさん!?」


穂紀が大声を張り上げながら立ち上がって、尋斗達は若干とまどったが、初めて自分たちの精霊を見た時と同じだなと思い、八束はびくっとなって、ラファは軽くうたた寝をしていたようで〔ぴゃ!〕と驚いて起きて、体を急に動かしたせいで筋肉痛で悶絶した。

みんなの反応をお構いなしに、穂紀はシスターに駆け寄って、まず顔をじっと凝視した。


「あ、あの顔が近いんですが…」

「エルフの皆さんはオッドアイが普通なんですか?」

「おっと…アイ…、目の事でしたら、知り合いに何人かいますが、少ないですね」

「そうなんですね。その髪の色の方は?」

「いろんな髪の色の方がいますね。」

「固定の毛色の無し。やっぱり、この耳の形が皆さん同じなんですね?」

「個人差はありますが、だいたいそうですね」

「なるほどなるほど…」

「あの、私、話してもいいでしょうか?」

「へ?」

「は~い、ほのちゃん、元の席にもどろうね~」


大体、調べた穂紀はテンションが戻って、友理乃に両肩を叩かれてそのまま、回って座っていた席に連れ戻された。


「少し焦りましたが、穂紀さんの言うとおり私はエルフです。この世界、人間界では存在しえない存在ですね」

「なんで、そのエルフがここに?」

「それも重要な話に含まれるんじゃないかな?」

「またもその通りなんですが、皆さん驚かないんですか?」


シスターが八束達の反応がいたって普通で驚いていると、夏実と友理乃が少し呆れ気味に。


「こうして、精霊と一緒にいて、しかも、悪魔と戦っちゃってるし、いまさらエルフと言われても…ね?」

「もう感覚がおかしくちゃってるもんね」


八束と尋斗もそれに苦笑しながらも頷いて。


「私はエルフに会えてうれしかったです! いろいろ知れましたし! でも、さっきはごめんなさい」


穂紀自身はさっきの行動自体が、好奇心の塊でそこに悪意のあるものがないのは言うまでもなかった。


「大丈夫ですよ。むしろ、変な目で見られなくて安心しました」

「いや、十分、変な目で見られてたわよ!」

「そうですか? ふふ、こうして皆さんと話せて嬉しいです。あ! そうでした、私の名前はアティナ・マキシネスと申します。気軽にティナと呼んで下さいね」


「はい!こちらこそよろしくお願いします!」と穂紀が言うと、八束達も頷いた。

その様子を見て、微笑みながら穂紀が来る前から正体を明かしても良かったかなと内心で思ったティナであった。








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