下校からの寄り道
「えーと、言葉が悪いけど、清水くんのせいでみんなは巻き込まれて、守護精霊を身につけたの?」
昼休みに軽く自己紹介も兼ねて、昼食を共にした四人は放課後に穂紀を連れて、教会に連れていく事にした。
目的はもちろん、指令を達成した事を報告するためである。
そんな三人の話を聞いていた穂紀は自然に「指令ってなに?」という話になり、今に至る。
「そうよ! アイツのせいで訳のわからないモノを身につけさせられて、おまけに、ボランティアをするはめになったわ」
「一番初めの指令は、公園のゴミ拾いだったかな?」
「はは、懐かしいね。最初はなんだかんだ反抗したけど、存在が消えるって言われて、しかも、軽く体験させられた時は怖くて怖くて仕方なかったよ……」
「えっ、存在が消えるって、亡くなるって事?」
「それに近い感じかな…。あっ、着いたよ。」
三人にとっては、遊び場であり、初めての指令で指定された場所である公園。
穂紀にとっては、初めての場所…、何かが始める場所と言ってもいいかもしれない。
「大きな自然公園だね。ここに教会があるの?」
「奥の方にね」
「じゃあ、行こっか!」
そう言いながら、夏実は穂紀の手を掴んで、駆け出す。
そんな夏実に引っ張られ駆け出す穂紀は、焦りながらも、楽しそうに夏実についていこうとするが……
「あ! にゃっふん」
「わぁ、いたぁ」
穂紀が足をもつれさせて、こけてしまい、夏実はそれに引っ張られて、尻餅をついた。
穂紀は仰向けでこけたが、そこまでスカートが舞い上がらなかったので、スカートの中を尋斗に見られる事はなかった。
「大丈夫かい?」
「大丈夫?」
そんな二人に尋斗と友理乃が駆け寄って、穂紀に尋斗が手を貸して、夏実は自分で立ち上がって、スカートの土を払う。
穂紀は足に土がついていただけで、ケガもなく、軽く払って、「大丈夫!」と三人に元気に言う。
そんな四人のやりとりは、これはこれで青春とも言えるが、四人は知らずに自然公園の奥に進んで行く。
もう一人、ここに居るはずの青年はまだ……、
[おい、まだ、治らないのか?]
インフルエンザと闘っていたのである。
「無茶、言うなよ。少しマシになったけど、インフルエンザって言うのは、完治するのに、一週間位は、かかるんだよ」
[おいおい、それって指令の方は大丈夫なのかよ]
「……、大丈夫だろ、そこまで、あのシスターも頭は固く、ないだろうし」
[だと、いいんだがなァ……]
ヴァスクは勉強机の上でうんざりそうに、心の中で[あのシスターは……]と思うが、床に伏せっている清水八束には、言わずに窓の外を眺めるのだった。




