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守護精霊につき!  作者: 松代 彩瓦
件のあの子。
25/55

アプローチ!

次の水曜日。

三人は穂紀にアプローチをかけようと試みていた。

最初こそ、三人揃って穂紀のクラスへと話しかけに行っていたが、その三人を見た瞬間に穂紀が走って逃げられるという行動をとられて三人は少し傷つきながらも、次の策として、別々にアプローチをかけることにした。



・夏実の場合。


「斎条さん、居る~?」


穂紀のクラスの扉の近くで、クラス中に響く位の声で呼びかけた。

その時点でどこか、ガラの悪いチンピラのような気もするのは夏実は感じず。

呼ばれた穂紀は、顔を青くしたのは言うまでもない。


「あのさ、今日は大丈夫? 昨日は急な事だったから仕方ないとおもうんだけどね? 今日ならどうかなって……ちょっとぉ!!」


穂紀は夏実と目を合わさずに、そのままトイレに駆け出していった。

夏実は逃げていく穂紀の後ろ姿が遠くなるにつれて、しょぼんとしていくのであった。



・尋斗の場合。


「あの、斎条さん、ちょっといいかな?」


廊下を一人で歩いている穂紀に後ろから話しかけると、どこか驚いたように体を軽く震わせてから恐る恐る振り返り、尋斗だけなのに少しばかり安堵したのか、顔色を良くしたように見える。


「な…なんでしょうか?」


「気分は優れたかな?って思ってね」


あの事を他の人に知られてはいけないので、やんわりと少し遠回しに言うと、穂紀は「ん?」と言うように軽く傾げる。


「うーんと、どうしたもんかな…」


そう困りながらもメガネをかけ直していると、穂紀が「あ、なるほど」と言うように手を打つ。

それを見て、尋斗も少しわかり易いように。


「あの時はいきなりで驚いたと思うんだ。でも、あれは君を守るために仕方なかった事だったんだ。僕たちも日常では、普通の高校生だからそんなに恐がらないでほしいな。」


「そうですね。私も失礼な事をしちゃいました…」


「まぁ、あんな第一印象なら恐がるのは当然だと思うけどね。また、気持ちの整理が出来たら教えてくれたら嬉しいな」


「はい」


話の区切りがついた所でチャイムが鳴り、二人はそれぞれのクラスに向かった。



・友理乃の場合。


「隣、いいかな?」


「ど…どうぞ」


穂紀が屋上で昼食を食べている事をあの時に知ったので、屋上に出向いてみると案の定、いたので昼食を共にする事にした。


「そう言えば、自己紹介がまだだったね。私は白崎友理乃って言います。守護精霊は妖精のフェリア。趣味は生花とか書道とか、かな? 呼びやすいようにあだ名で呼んでくれてもいいよ」


穂紀はその自己紹介に「うんうん」と頷いてから、


「じゃあ、ゆ…ゆりちゃんって呼んでいいですか?」


「いいですよ♪ あと、敬語は無くていいからフェリアと戯れてた時みたいでもいいんだよ?」


そういうと友理乃の胸元から、緑の光が出てきて、友理乃の正面でぱっと弾けるとフェリアが現れた。


『ちょっと、友理乃! 別に戯れてないし! この人が一方的に!』


「まぁまぁ、フェリアは小さくて可愛いから仕方ないよ」


『ま、またそうやって! 仕方ないって片付けるだから!』


ほっぺを膨らましてむくれ、笑顔の友理乃を睨むフェリアに少し緊張が解れたのか、穂紀も少し微笑んで。


「あの…他の二人の事を教えてくれませんか。その自己紹介をされてなくて、そのちゃんと知りたいですから」


「いいよ~! じゃあ、一緒にご飯食べようよ。あ、でも、敬語は無しの方向でね、ほのちゃん」


照れてモジモジする穂紀を見て、友理乃とフェリアは笑い合うのだった。

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