頼み事
「すまん、インフルエンザにかかったから当分の間、学校には行けそうにないっと。いやあ、にしても熱いな、ってもう返事がきた」
最初は三者三様の心配してくれている書き込みが並ぶが、最終的に三人共の言い分をまとめると『人探し』はどうするんだ?と言うものだった。
病院で処方された薬のおかげでマシになったものの微熱程度であっても全く働かない俺のなけなしの脳ミソがさらに悲鳴をあげる。
「参ったな。ゲホッゲホッ、どうしたもんか......」
このまま、インフルエンザがズルズルと長引いて治らなかったら『指令』を遂行できなかった俺はおろか、あの三人まで存在が消えてしまう。
(それはなんとかして避けないと。)
軽く息をはくつもりが大きな咳になってしまう。
(考えても仕方ないし、一日でも早く治す努力をしよう。)
『大丈夫かよ』
ベッドで横になって咳き込む俺を上から見下すように見てくるヴァスクは天使と言えるか、が甚だ疑問だが……今そんな事を考えられる程、俺の脳ミソは高性能ではなく。
例えるなら、オーバーヒートしたパソコンの様なもので困る。
それでも、なかなか良いアイデアが電気のように駆けめぐった。
「あのさ、俺の代わりに『指令』にあった『人探し』をしてほしいんだけど、良いか?」
期待はしていない。
というよりなんか反則なんじゃないかと思いながら、藁にすがるつもりでお願いしてみる。すると、予想以上の返事がきた。
『しょうがねェな。まだ日はあるから大丈夫だろうが、お前も指令の事で眠れないなんてバカな事になって病気が治らないなんて事になったら・・・、あ? なんだその怠け顔は』
「いや、いつもなら、面倒くさがるのに頼まれてくれるんだなっと思って」
『一応、俺も天使だからな頼まれたらやる。だが、理由がしっかりある時に限るがな』
「なるほどな。ゲホゲホ、すまん、よろしく頼む。あっちには、伝えておくから」
『わァたから、寝てろ。俺にかかりゃあ、すぐに見つかるっての』
ヴァスクはそう言い残して、窓ガラスをすりむけて、外に出て行った。
それを見てから俺は適当にチャットアプリに書き込みをして、母が病院の帰りに買ってくれたスポーツ飲料水を飲んでから死んだように眠りの深海に沈んでいった。




