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守護精霊につき!  作者: 松代 彩瓦
指令「人探し」
11/55

遊んで、帰る

 二十分くらいかかる駅に着くと、集合場所である駅の北口に向かう。

 集合時間より少し早めにもかかわらず、みんなが集まっていた。


「お、来たね。八束に棗ちゃん」

 上はセーターとカッターを合わせ着して、下はジーパンの尋人。


「棗! 久々~!」

 上は無地の黒い長袖のTシャツに、下はジーパンの夏実。


「夏実だ! 久しぶり~!」

 

 夏実と棗は、すこぶる仲が良くて会うたびに抱き合っているのをよく見る。

 (一か月前も、見たな。)


「棗ちゃん、久しぶり」

 淡い暖色のワンピースを中に少し大きめのコートを着ている友理乃。

 夏実とは違って、女の子らしい服装である。 

 で、俺の格好はというと.....。


「八束.....、さすがにジャージはどうかと思うんだけど」


「そう、だね。八束くんらしいけど...」


 そう、俺の格好は正真正銘の上下共々、ジャージ!

 これほど機能的かつ気心地のいい服はない。


「俺はジャージをリスペクトしてるから問題なしだ」


「アンタ、ズボラも大概にした方がいいわよ」


「その格好で言われたくねえな」


「ふん! その生意気な口は数時間後に聞けなくなるのが残念ね」


 夏実は腕組みしながら、ふんぞり返って俺を見る。

 さすがの俺も少し冷汗をかいているのは、否めない...。

 棗は俺と夏実のやり取りを見て、小首を傾げていた。

 俺の奢りというのは話していないからだ。



 遊びに行くのは、駅近くにあるアミューズメントセンターに行く事になっていた。

 そこでみんなは心行くまで楽しみ。

 俺の財布はなかなかの金額が入っていたのだが、今では隙間風がお似合いと言わんばかりに軽くなってしまった。


「はぁ~、あいつら。容赦ないな.....」


「でも、楽しかったぞ。兄貴.....くしゅん」


「なんだ、冷えたか?」


「う~、ちょっと寒い...」


「やれやれ、だから言っただろ。まったく...」

 俺はジャージを棗に貸してやった。


「暖かくないかもだけどな。気休めにはなるだろ」


「...ううん、暖かいぞ! ありがと、兄貴! えへへっ」


 そう言われて、俺も暖かくなる。主に、心がだが。

 (うむ、兄として男冥利に尽きる。)

 心の中で、ため息が聞こえた気がしたが、無視する。

 

「今度はもう少し、暖かい格好でな」


「うん!」


 しかし、次の日には棗の事を言う資格はなかったのだ。

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